「わだかまり」の意味は?
「わだかまり」は漢字で書くと「蟠り」となります。「蟠る(わだかまる)」という動詞を名詞化したもので、動詞も名詞も意味は同じになります。
意味
「わだかまり」とは、不信感や不満、疑問など、心の中で引っかかっているすっきりしない気持ちのことを表します。主に人間関係において生じるもので、トラブルやすれ違いの原因にもなってしまいます。「わだかまり」を漢字で表現した「蟠り」は、蛇がとぐろを巻いている様子から生まれた言葉で、心がくねり曲がってしまい、滞る様子と重ねて「わだかまり」と読まれています。
使い方を例文でチェック
「わだかまり」は、主に「残る」「感じる」「捨てる」「解く」という動詞と組み合わせて使われます。ビジネスシーンや友人関係、恋愛においてもよく使われる表現なので、使い方をマスターしておきましょう。以下では簡単な例文と解説を載せています。
1:せっかく彼との話し合いの場を設けたのに、言いたいことを言い切れずわだかまりが残ってしまった
これは、恋愛においてカップルの話し合いの場を表したものです。忙しくなってしまうと、お互いの気持ちが意思疎通しにくくなり、すれ違いが生じてしまうこともありますよね。そこでゆっくり話し合う時間を作ったのに、言いたいことを伝えきれず、モヤモヤした気持ちが残ると、それが「わだかまり」となってしまいます。
2:最近友人に何か隠し事をされている気がして、わだかまりを感じる
わだかまりを感じる瞬間とは、相手に不信感や不満、疑問が生じた時です。今回の例文は、隠し事をされているという不信感から「わだかまり」を感じたというケースです。自分自身が意図していないささいなことでも、相手にとっては「わだかまり」を感じる原因となることがあるということを覚えておきましょう。
3:今はわだかまりを捨てて仕事に集中しよう
ここでいう「わだかまり」とは、主に疑念のことを指します。例えば上司に何回も指摘をされた時、「なんで私ばかり注意されないといけないのか」などと考えてしまうと、これが疑念となります。「わだかまりを捨てる」ということは、疑念を抱かず、素直に言われたことを受け入れること。特にビジネスシーンにおいて大切なことですね。
4:ギクシャクした関係が続いてしまっていたので、今日こそはわだかまりを解こう
「わだかまりを解く」は「わだかまり」を解消、解決することを言います。「わだかまりが解ける」というように表現することも出来ます。「溶ける」と書いてしまう人も多いのですが、一般的には「解ける」と表記するので、間違えないように気をつけましょう。
類義語や言い換え
「わだかまり」のように、モヤモヤしたすっきりしない気持ちを表す言葉は他にどのようなものがあるのでしょうか。以下では2つの類語について確認していきましょう。
1:しこり
もめ事の後に残る気まずさや、和解しきれなかった状態を表現する言葉です。「喧嘩の後の仲直りをおざなりにしたため、二人の間にはまだしこりが残っている」というように使います。
2:ジレンマ
物事の認識がお互いに一致できておらず、すれ違いなどのずれを表す言葉です。「外交をするにあたってジレンマを乗り越えることは大きな課題である」というような例文があげられます。
「わだかまり」が生じる原因とは?
ここまで「わだかまり」の意味や使い方について解説してきました。ここからは、実際に「わだかまり」が生じる原因について考えていきましょう。これらをしないように心がけることが、「わだかまり」を残りにくくする近道となります。
1:本音を言わない
「わだかまり」が生まれる原因として一番大きいのは、本音を隠すことではないでしょうか。誰しも相手と話している中で、納得いかなかったことや傷ついてしまった経験はあるかと思います。そこで自分の言いたいことを心の中にとどめてしまうと、モヤモヤした気持ちが残り、わだかまりが生じてしまいます。
2:相手の意見を素直に受け取らない
先ほど、使い方の例文を挙げた時にも触れましたが、疑念を持つことは「わだかまり」を育ててしまう原因になります。例えば何かお叱りを受けた時に、素直に受け入れて謝罪ができると「わだかまり」は生まれないはず。ですが、自分のミスを認めず叱られたことに嫌悪感を抱いてしまうと、相手にとっても自分にとっても「わだかまり」が生まれる原因となってしまいます。
3:相手を信頼しない
「わだかまり」は不信感がもととなります。対人関係において信頼関係が壊れてしまった時は、「わだかまり」が生まれやすい時。友人関係、恋愛、ビジネスなど、どのシーンにおいても起こうることです。
「わだかまり」の解消方法とは?
では「わだかまり」を解消するにはどうしたらいいのでしょうか。以下では3つの対処法を挙げています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
1:話し合いの場を設ける
やはり、解決にはお互いの気持ちを確認し合う機会が必要です。しかし、ただ話し合う機会を作るだけではなく、そこでしっかり相手の意見を聞こうとする態度が大切になってきます。自分も相手もモヤモヤが残らないように意思疎通できる環境作りを心がけましょう。
2:心に余裕を持つ
自分のことで精一杯になるのではなく、相手の立場にも立って考えなおしてみましょう。一度余裕を持って振り返ってみると、自分の非にも気がつくかもしれません。その時は素直に謝罪をすれば「わだかまり」の解消に繋がるはず。余裕を持って視野を広げることが大切です。
3:深く考えすぎず、他のことに目を向ける
「わだかまり」に固執しすぎるのはよくありません。より人間関係を悪化させてしまう可能性や、ストレスの原因になることもあります。気分転換に自分自身が楽しめることや熱中できるものを探してみましょう。少し時間を置き、気分を入れ換えてから相手と接することで、いつの間にか「わだかまり」が解けていたなんてこともあるかもしれません。
最後に
「わだかまり」とは人間関係において生じる不信感や不満、疑問が心の中に引っかかっている状態を指す言葉でした。人間の心は良くも悪くも変わりやすいものです。そのため「わだかまり」が生じることも多いかと思いますが、きっと解決も出来るはず。お互いにとって気持ちの良い人間関係を築いていけるとよいですね。
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