華燭の典とはどういう意味?
華燭の典は「かしょくのてん」と読み、結婚式を意味する言葉です。華やかな場を祝福する意味合いが込められています。
ここでは、華燭の典の意味や言葉の由来などを解説します。
言葉の由来
華燭の典は、古代中国に由来する言葉です。当時の中国で新婚の部屋の飾りによく使われた灯りが「華燭」と呼ばれていたとか。樺の木の皮に火をともすと途中で消えにくく、長く燃え続けることから吉兆とされ、婚礼の場を照らすために使われていたともいわれています。
また「典」には「盛大な儀式、式典」という意味があり、華燭の典には2人の未来を明るく照らす希望の光に満ちた儀式というニュアンスもあります。
かしょく‐の‐てん〔クワシヨク‐〕【華×燭の典】
出典:小学館 デジタル大辞泉
結婚式を祝していう語。華燭の式。「華燭の典を挙げる」
言葉に込められている願い
華燭の典はただ結婚式を指すだけではなく「華やかで厳粛な婚礼」を象徴する言葉としても使われます。
「華燭の典」という言葉には、結婚という人生の新たな門出を祝い、夫婦としてともに歩む日々が明るく照らされるようにとの願いが込められているといえるかもしれません。
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華燭の典が使われる場面と例文
華燭の典という言葉は、結婚式にまつわるさまざまな場面で使われます。おもに、結婚式の招待状や式当日の挨拶、結婚式に関する報道などがあげられます。
それぞれのシーンの例文をみていきましょう。

結婚式の招待状
華燭の典は、結婚式の招待状にふさわしい言葉です。おもに、次のような使い方をします。
「謹んでご案内申し上げます
このたび 私たちは〇月〇日に華燭の典を挙げる運びとなりました
つきましては 日頃お世話になっております皆様にご臨席を賜り
私たちの門出をお見守りいただければ幸いに存じます」
「このたび 私たちは〇月〇日に華燭の典を執り行うことになりました
感謝の気持ちを込めて これまで支えてくださった皆さまと
ささやかながら喜びのひとときをご一緒できましたら幸いです」
「私たちは〇月〇日 〇〇ホテルにて華燭の典を挙げることとなりました
これまでお世話になった皆さまにご出席いただき
新しい人生の一歩を温かく見守っていただけましたら幸いです」
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結婚式の挨拶
結婚式当日は、司会者の進行や来賓のスピーチ、新郎新婦の言葉などで、その日の華やかさや祝いの雰囲気を伝える際に用いられます。
司会者の例
「本日はお2人の華燭の典にあたり、多くのご来賓の皆さまにお集まりいただき、誠にありがとうございます。
お2人の新たな門出を、心からお祝い申し上げます」
上司の挨拶例
「本日は華燭の典にご招待いただき、誠にありがとうございます。
お2人の晴れ姿を拝見し、職場の皆も感慨深い思いでおります。
これからの人生をともに歩まれるお2人の前途に、幸多からんことを心よりお祈り申し上げます」
友人代表のスピーチ例
「本日は、お2人の華燭の典にお招きいただき、本当にありがとうございます。
学生時代から見守ってきたお2人が、今日この日を迎えられたことを心からうれしく思います。
これからも笑顔あふれる素敵な家庭を築いていってください」
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新郎新婦による謝辞の例
「本日は、私たちの華燭の典にご列席いただき、誠にありがとうございます。
皆さまからいただいたあたたかいお言葉と祝福に、心より感謝申し上げます。
これからは夫婦として力を合わせ、笑顔の絶えない家庭を築いてまいります。
今後とも変わらぬご指導とご厚情を賜りますよう、よろしくお願いいたします」
結婚式に関する記事
有名人などの結婚はニュースにも取り上げられ、報道記事では華燭の典が使われることも少なくありません。
「〇月〇日、タレントの〇〇さんと俳優の〇〇さんによる華燭の典が都内にて盛大に執り行われた。多くの関係者が祝福に駆けつけ、終始和やかな雰囲気に包まれた」
「人気歌手の〇〇さんとモデルの〇〇さんが〇日、都内のホテルで華燭の典を挙げた。
挙式には親族や親しい関係者が出席し、終始あたたかな雰囲気に包まれたという」
「華燭の典」と名付けられた花がある?
華燭の典は、花の名前にも使われています。芍薬(シャクヤク)の大輪品種に名付けられており、華燭の典のイメージを象徴する鮮やかさが特徴です。
ここでは「華燭の典」の名前を持つ花について解説します。

芍薬(シャクヤク)の大輪品種
「華燭の典」と名付けられているのは、濃いピンク色の花びらが華やかな大輪品種の芍薬(シャクヤク)です。芍薬は、牡丹と並んで豪華さと優雅さを兼ね備えた花として知られています。
淡い色味が多い芍薬の中で「華燭の典」はひときわ鮮やかな発色であり、深みのある赤紫に近い色合いを帯びています。花びらは幾重にも重なり咲き誇るため、開花時は圧倒的な存在感と上品な華やかさがあるのが特徴です。
「華燭の典」の名前にふさわしい花といえるでしょう。
バラのような香りが特徴
「華燭の典」の香りは、控えめでありながらバラのようなほのかな甘みがあり、上品で落ち着いた印象を与えます。大輪の華やかさをそっと引き立てる香りです。
「華燭の典」はその名のとおり結婚式に用いる花としても人気がありますが、開花のタイミングが難しく、決まった日に開花させるには技術や経験が必要とされています。
そのため、結婚式向けに購入したいときは、当日に開花させるための管理方法などをよく確認しておくとよいでしょう。
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華燭の典の意味を理解して正しく使おう
華燭の典は結婚式を指す言葉で、結婚を祝福し、新しい人生の門出を祝う意味が込められています。古代中国では、「華燭」と呼ばれる照明が婚礼の場に添えられ、夫婦の絆や繁栄を象徴するものとされていたとか。
現代において華燭の典は、結婚式の晴れやかさや格調を表す表現として使われています。結婚式の招待状や挨拶ではよく用いられる表現のため、意味を理解して使用するとよいでしょう。
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