結婚式のスピーチとは
今まで招待された結婚式を振り返ってみると、様々な場面で、色々なスピーチが行われていたことと思います。感動して涙することもあれば、通り一遍で記憶に残らないようなものもあったりと、その内容も様々だったのではないでしょうか?
「結婚式のスピーチ」は、乾杯の挨拶や、ウエルカムスピーチ、友人代表や謝辞など、結婚式の様々なシーンで行われます。もし、スピーチを頼まれたなら、新郎新婦に心からのお祝いの気持ちが伝わる様なスピーチをしたいですよね。この記事では、基本的なスピーチの種類から、例文や注意点などを紹介していきます。
結婚式でのスピーチの種類
結婚式でのスピーチといえば、新郎新婦や親、職場の上司や仲の良い親友など様々な立場からのスピーチがありますね。大まかに分けると、以下のようになります。
・新郎新婦が行うものが「ウエルカムスピーチ」「謝辞」
・親が行うものが「謝辞」
・招待されたゲストが行うものが「主賓の祝辞」「乾杯の挨拶」「友人代表スピーチ」「テーブルスピーチ」
ただし、これらのスピーチはあくまで定番の結婚式の場合。最近の結婚式はどんどん自由なスタイルも増えているので、必ずしもこのパターンが全てではありません。
上司のスピーチ
上司がスピーチする場合は「主賓の祝辞」と「乾杯の挨拶」の2種類が一般的です。
「乾杯の挨拶」は披露宴の始まりにするもの。単なる乾杯の音頭を取るだけでなく、新郎新婦とのエピソードを話したり、祝辞を述べます。ここで注意したいことが、1つ! 「乾杯の挨拶」時は、全員が起立した状態でスピーチを聞いています。場合によっては、手にシャンパンを持っていることも。ですから、挨拶は手短に済ませるようにしましょう。
「主賓の祝辞」は、ゲストの中で一番格の高い人がする「ゲストの代表」としての祝辞のこと。ゲストの中で職位の高い上司や、お世話になった恩師などが主賓にあたります。
新郎側と新婦側のゲストの中から1人ずつ主賓を立てるのが一般的ですが、何らかの事情でどちらか1人のみとなっても、問題ありません。
友人のスピーチ
友人がスピーチする場合は、「友人代表スピーチ」と「テーブルスピーチ」の2種類が一般的です。
「友人代表スピーチ」では、ゲストの前に出てスピーチを行います。友人だからこそわかる、新郎新婦の人柄がわかるようなエピソードを盛り込むといいですね。新婦側の友人のスピーチでよく見かけるスタイルは、新婦に向けて手紙を書いてきて、それを朗読するスタイルです。語りかけるような口調が、ゲストの感情移入を誘います。5分程度で話せるように、準備しましょう。ちなみに、新郎側の友人のスピーチは無い場合もあります。
もう一つの「テーブルスピーチ」は、指名されたゲストやテーブルに司会者がマイクを持っていき、お祝いの言葉をもらうスタイルのスピーチ。いきなりスピーチをお願いされることになるので、ゲストには驚かれますが、思いがけない一言が聞ける良い機会ともなります。
新郎新婦のスピーチ
新郎新婦がスピーチする場合は「ウエルカムスピーチ」と「新郎謝辞」の2種類が一般的です。
「ウエルカムスピーチ」とは、披露宴の開始のタイミングで行われるスピーチのこと。手短に1分から2分を目安に行われます。ゲストに向けて、出席してくれた人への感謝と「今から始まるパーティーを、共に楽しみましょう」という気持ちを込めて行うことをおすすめします。
ウエルカムスピーチは新郎だけがすることもありますし、新婦だけがすることもあります。
「新郎謝辞」とは、披露宴の締めくくりの重要なスピーチのこと。親の謝辞の後に、行う場合がほとんどです。
親のスピーチ
親がスピーチする場合は「謝辞」と言います。一般的には新郎の父親が行いますが、場合によっては新婦の父親や、他の方が挨拶する場合もありますよ。
結婚式における友人代表のスピーチの作り方と例文
友人代表としてスピーチを依頼された場合、戸惑うこともありますよね。ここでは、スピーチを作成する上でのヒントを紹介します。
スピーチの流れとして、まずはお祝いと招待されたことへのお礼を述べます。その際に、新郎新婦や親が起立していたら「どうぞお座りください」と声をかけましょう。
その後は自己紹介を手短にし、新郎新婦との関係性を説明したら、具体的な思い出のエピソードを披露します。目上の方が多い場合には、「誠に僭越(せんえつ)ではございますが、ご指名に預かりましたので、一言ご挨拶をさせて頂きます」などというように一声添えましょう。
最後は、はなむけの言葉を述べて、締めます。
スピーチのポイントは、具体的なエピソードや、相手の好きなところや長所を取り混ぜながら話すこと。以下では、具体的な例文を紹介します。
新婦友人スピーチ
・Aちゃんとは学生時代からの友人で、楽しい時も辛い時も、一緒に過ごしてきました。私が仕事を辞めるか迷っていた時、単に同調するだけではなく「周りを気にせず、本当にやりたいことは何?」と真剣に向き合ってアドバイスをくれました。いつも人の立場になって寄り添ってくれる、そうした姿勢は何年たっても変わりません。
Aちゃんの素晴らしいところは、芯が強く人の気持ちに寄り添えるところです。そして、自分の気持ちに正直に生きているAちゃんのことが大好きです。これからは、結婚して〇〇さんと共に、更に人生を楽しんでくださいね。
新郎友人スピーチ
・Bくんとは幼馴染ですが、今までにBくんのことを悪く言う人に会ったことはありません。いつも穏やかで、優しく、正義感の強いクラスの人気者でした。
部活で後輩がミスをして、みんなが呆れてがっかりしていた時も、Bくんだけは嫌な顔一つせずに、最後まで指導をしていました。真剣だからこそ厳しい一面もありましたが、誰よりも熱心に、相手のことを思いやれる熱い気持ちを持っています。私はそんなBくんを心から尊敬しています。
どんな時も優しいBくんですが、仕事で家に帰ると、疲れて弱みを見せることもあるかもしれません。そんな時はAさんが支えてあげてくださいね。2人で支え合って、楽しい家庭を築いてください。
結婚式のスピーチの注意点
多くの結婚式では、新郎新婦側の親族や会社関係者、高齢のゲストが参加しています。「いつもの話し方の方が伝わるから」と思ってスピーチすると、失礼に当たる場合も…。
その場にそぐわないスピーチをしてしまうと、スピーチをした本人だけでなく、「あんな失礼な人と親しい新郎(新婦)は、一体どういう人なんだろう?」と相手側のゲストに思われてしまうこともあります。
・くだけすぎた話し方
・暴露話や過去の恋愛話
・相手を下げる話
・内輪ネタ
・だらだらと締まりが無く、長い
などは避けましょう。
最後に
インターネットで調べれば、スピーチの例文もたくさん出てくる時代です。しかし、定番のスピーチだと無難な上に、お祝いの気持ちは伝わりません。定番の例文はあくまで、ヒントとして良いところを取り入れながら、自分らしい言葉で、心からのお祝いの気持ちが伝わるスピーチを考えたいですね。
TOP画像/(c)Shutterstock.com
執筆/吉川沙織(よしかわさおり)さん
結婚式場内の衣装室や路面店にて衣装スタイリストとして勤務。挙式当日の着付けや、前撮り撮影などに携わる。趣味はピクニック。海外・国内ウエディングの流行チェックも好きです。
ライター所属:京都メディアライン