ファーストバイトをする意味
「ファーストバイト」という言葉を知っていますか?
「ファーストバイト」とは、披露宴で新郎新婦がお互いに、ウエディングケーキを食べさせあう演出です。今まで参列した結婚式で、ほとんどの新郎新婦が取り入れていた演出ではないでしょうか。
新郎から新婦、新婦から新郎へのファーストバイトには、それぞれ意味があります。新郎から新婦へは「一生食べるものに困らせない」、新婦から新郎へは「一生おいしいものを食べさせる」という意味合いが。しかし、最近では共働き家庭がほとんどであることに加えて、男性も積極的に料理をするケースもあるので、従来のファーストバイトの意味に疑問を持つ人もいます。
また、普通のスプーンではなく、1メートル程の巨大なスプーンで「愛情の大きさ」を示す演出であったり、新婦がわざとケーキを多めにスプーンに盛り付けて、新郎の顔へケーキをぶつけて会場を盛り上げる場合もあります。
ファーストバイトの時は、司会が「新郎新婦の近くにどうぞ」と案内してくれるので、近くで写真を撮れるシャッターチャンスの場でもあります。
ファーストバイトの演出
ここでは、典型的なファーストバイトではない、人気の演出を紹介します。
大きなスプーンで
普通のデザートスプーンを使うのではなく、1メートル以上あるような巨大なスプーンで思いっきりすくって食べさせる場合もあります。しかし、大きな口を開けなければいけないので、新郎のみが大きなスプーンを使うことがほとんどです。ただし、衣装がレンタルの場合は、新郎のタキシードの襟元が汚れないよう注意が必要です。
また、100円均一のスプーンや、小さめのスコップにリボンなどをデコレーションして持ち込むカップルもいます。これらのスプーンの持ち込みが可能かは、式場により異なるので、プランナーに事前に確認して下さいね。
ウエディングケーキ以外でも
ファーストバイトは必ずケーキで行わなければならないルールはありません。自分たちの好きな食べ物など、自由な式場ではアレンジが可能です。
・ハンバーガー
・お肉の塊
・地元の名産品
・バームクーヘン
・ソープ
どれも、普通の大きさではなく、巨大なものが用意されることがほとんど。キャンプやバーベキュー好きのアウトドア派のカップルなら、バーベキュー用の大きなお肉の塊やハンバーガーもありですね。地元が「たい焼き」で有名な地域出身の方は、大きな「たい焼きカット」をされたケースもありました。ソープの場合は、食べることは出来ませんが「プチギフト」として最後にゲストに配ることもできます。
自分達らしいものを取り入れるのがよいですね。
ファーストバイトの時に流したい曲
しっとりした曲も素敵ですが、ここはゲストと一体となり盛り上がりたいところ。明るくてアップテンポの曲がおすすめです。
イメージとしては、ケーキを口に入れる瞬間に、盛り上がりを最高潮にもっていきたいですよね。そんなサビが盛り上がる、ファーストバイトにピッタリな曲を集めました。
・『あなたに恋をしてみました』chay
・『ハピネス』Ai
・『Happiness』シェネル
・『うれしい!楽しい!大好き!』Dreams come true
・『愛をこめて花束を』superfly
・『Precious』伊藤由奈
・『One Love』嵐
どれもウエディングソングの定番です。音源に関しては、事前に式場に「著作権に関連するルール」の確認が必要になります。それぞれ式場によりルールも異なりますので、事前にプランナーに確認してからBGM選びに進みましょう。
ファーストバイトをやりたくない場合は
ファーストバイトは必須ではありません。
ここまで、ファーストバイトの演出の紹介してきましたが、いざ自分がやるとなると「恥ずかしい」「苦手意識がある」と感じる方もいるかもしれません。その場合は、必ずファーストバイトをやらなければいけないものではありません。
今まで沢山の結婚式に参列してきた人の場合、見飽きている部分もあるかもしれませんね。そんな方に、ファーストバイトに代わる演出を紹介します。
ゲスト参加型バイト
ファーストバイトは新郎新婦がお互いに食べさせあうことが定番ですが、最近ではお世話になった人や、親、友人など新郎新婦以外から食べさせてもらう演出が人気が高い傾向にあります。普段、中々感謝を伝える機会がない人には、ぜひ取り入れてほしい演出です。
・サンクスバイト
両親や、兄弟姉妹、今までお世話になった人を指名し、「ありがとう」の気持ちを込めて新郎新婦が食べさせる演出。感謝の気持ちを伝える手段として取り入れるカップルが多い演出です。
・お手本バイト
夫婦のお手本となる、既婚者の先輩夫婦に、ファーストバイトのお手本をしてもらう演出。自分の両親や、友人夫婦などが選ばれることが多いです。
・ラストバイト
両親から、新郎新婦へ食べさせてあげる演出。お二人への「最後の食べ収め」の意味があります。
これらは可能ならゲストには事前に伝えずに、サプライズで行うことがおすすめです。特に、ゲストに事前に準備してもらう必要はないので、気軽に参加してもらいましょう。
デザートビュッフェ
デザートビュッフェという手もありますよ。
「ケーキカットはしたくないけれど、ゲストにケーキは食べてもらいたい」そんな場合はデザートビュッフェはいかがでしょうか? デザートビュッフェは披露宴中に、ガーデンやデッキ、披露宴会場内に設置して、ゲストが自由に歩き回って、会話やデザートを楽しむことが出来る演出です。新郎新婦も、ゲストと近い距離で自由に会話ができますし、写真も自由に撮れるのでおすすめの演出。
最後に
様々なファーストバイトのスタイルを紹介してきましたが、ご自身にあうものはありましたか? 以前はお互いのための意味を持つファーストバイトでしたが、最近はお世話になった人たちに感謝を伝える場になりつつあります。
自分たちらしいスタイルのファーストバイトを取り入れて、披露宴を楽しんでくださいね。
TOP画像/(c)Shutterstock.com
執筆/吉川沙織(よしかわ・さおり)さん
結婚式場内の衣装室や路面店にて衣装スタイリストとして勤務。挙式当日の着付けや、前撮り撮影などに携わる。趣味はピクニック。海外・国内ウエディングの流行チェックも好きです。
ライター所属:京都メディアライン