結婚挨拶とは
結婚挨拶とは、二人の間で結婚する意思が固まってから、両家の親にそれぞれ挨拶に行くこと。お伺いする順番は、男性側、女性側どちらが先でも厳密に言えば問題はありませんが、親世代は「嫁にやる」「相手の家に入る」の認識を多く持たれていることが多いので、大抵は女性側の親への挨拶を先にするケースがほとんどです。
まずは親の都合をお伺いして、日程を調整しましょう。時間指定がなければ、食事の時間はさけた時間帯がベストです。
相手の親と初めて会う場合は、事前にどんな趣味や性格かをパートナーにリサーチしておくと良いですね。性格や、趣味など共通の話題を見つけておけば、会話もスムーズです。
初対面の場合は「自分の子供が、どんな人と結婚するのか詳しく知りたい」という想いから、中には質問攻めにされる場合もあります。当日に慌てないためにも、あらかじめ聞かれそうな質問をシミュレーションしておくことが大切です(例:家族構成、勤務先、相手のどこが好きか、学歴)。
挨拶に伺う前に、二人で今後の展望をすり合わせておくことも大切です。曖昧に答えると不安にさせる場合もあるので、今後はどこに住むのか、結婚式はするのか、ある程度答えられる準備をしてから臨みましょう。
結婚挨拶のマナー
「結婚挨拶はかしこまったもの」との認識から、昔から親しくしている親の場合でも、初めて会う親の場合でも、マナーは大切です。
結婚挨拶の女性の服装
「固くなりすぎず、カジュアルにもなりすぎず」をイメージしましょう。お気に入りであっても、高価なブランド物は好印象にはならないので、ここでは控えたほうが無難です。また、親の承諾を得る前に婚約指輪をつけてくるのは良く思われない場合もあります。親の前で着用する場合は、両家の挨拶を終えてからにしましょう。
【服装】
オフィスで着るようなスーツだと、かっちりして見えるので、柔らかい印象を与えるワンピースが人気です。派手な色ものは避けましょう。ここでは、シンプルで清潔感のある服装がベストです。ワンピースやスカートの場合は、丈は膝丈で。夏場の場合は裸足は避けて、きちんと見えるストッキングを着用しましょう。
【小物】
ネックレスやピアスなどのアクセサリー類は控えめなものを。派手な柄や長いネイルも「生活感がない」と思われてしまうので避けたほうが無難です。靴は、高すぎるハイヒールより、低めのパンプスかきれいめな靴で。冬場の場合でも、ブーツは着脱に時間がかかるので避けたほうが良いでしょう。
【ヘアメイク】
髪型はロングの場合は、まとめて顔にかからないスタイルが好印象です。凝ったお洒落なヘアアレンジよりも、清潔感のあるまとめ髪がおすすめです。メイクも、カラーコンタクトやつけまつげなどを避けたナチュラルメイクで。リップの色も、濃いものやギラギラしたものは控えましょう。
結婚挨拶の男性の服装
男性の場合はスーツが一般的です。「気軽な服装で」といわれた場合でも、ジャケットにチノパン程度のきちんとしたものを着用しましょう。シワがあるとだらしない印象を与えるので、綺麗にアイロンをあてておくのが良いですね。ここでは柄物や派手な色味のスーツは避けたほうが無難です。
また、夏場の場合でもスーツにネクタイ、ジャケットも着用しましょう。髪型は、長髪より短髪で爽やかに。誠実な印象を与えたいですよね。
結婚挨拶の手土産
事前に、パートナーに親御さんの好みを聞いておいて、喜んで頂けるものを選びましょう。
甘いものが好きなのか、お酒が好きなのかにもよりますが、一般的には日持ちするお菓子が定番です。出身地がそれぞれ異なる場合は、地元の名産品などを用意しておくと会話にもつながるのでおすすめです。高価なものは必要ありません。3000円くらいの価格帯が相手にも気を遣わせないので良いでしょう。
注意点は、どんな有名店であっても、相手の家の近所で購入したものは避けたほうが良いです。「買い忘れたから行く前に買った」や「とりあえず間に合わせた」といった印象をもつ親もいます。
手土産を渡すタイミングは、部屋に通されて挨拶を終えてから。紙袋から出して一言「お好きだと伺いました」と添えると好印象です。
当日の会話の流れ
挨拶が済んでも、いきなり結婚の話題を出さずに、自己紹介をかねて趣味や仕事、出身地の話など、会話が広がりやすい話題で歓談しましょう。ここでは、政治や宗教、パートナーを下げる話、自慢話などはやめておきましょう。
まずは場を和らげる
自己紹介を兼ねて、自分の出身地や仕事、趣味や家族構成などの紹介を。ペットを飼っている場合はその話もよいですね。緊張のあまり話しすぎは禁物です。相手への質問なども織り交ぜながら、自分ばかりが話しすぎないよう、皆で会話の流れを作りましょう。
結婚の申し出
雑談がなごやかに進んで、きりの良いタイミングがきたらいざ本題へ。事前に、どちらから結婚の話題を出すかを決めておきましょう。なかなか男性が話し出せずに、しびれをきらして女性が自分の親に「結婚するから」と伝えてしまうケースもあります。そうなると男性が頼りない印象をもたれることも。
男性の場合は、「~さんと結婚したいと考えています」「結婚を許していただけますか?」のように、相手のお伺いを立てるスタンスで臨みましょう。昔のように「~さんを僕にください」などは、親によっては不愉快に受け取られることもあるので避けたほうが良いです。
女性の場合は、既に相手側の親から許可を得ていることが前提になるので「~さんと温かい家庭を築いていきたいと考えています」「結婚を認めてくださり、感謝します」のような言い回しが良いでしょう。
今後の展望
無事に結婚の許可をもらえたら、今後の予定の話をしておくと親の不安も軽減されます。両家の顔合わせをする場合は、場所や大体の時期の話を。コロナ禍での顔合わせは、両家が遠方の場合はリモートで行われる場合もあります。
結婚式をするか、しないのかも話題に上がることも。結婚式をする場合は事前に二人の意見をある程度すり合わせ、親の意向を確認しつつどこでするのか、など話し合います。今後の住む場所の話も、ある程度しておくと安心してもらえるでしょう。
注意しておきたいポイント
パートナーのことを呼ぶ時は、普段のあだ名や、呼び捨てで名前を呼ぶのではなく「~さん」と呼ぶのが無難です。また、まだ結婚の許可をもらっていない挨拶時には、親のことをいきなり「お父さん、お母さん」ではなく「~さんのお父さん、お母さん」と呼びましょう。
中には一度では賛成を得られなかったケースも。その場合、そのあとの二人の対応が大切になってきます。投げやりになって喧嘩にならずに、誠意を見せましょう。万が一、相手の親から反対されてしまったら、一度引き下がって二人で作戦をたてなおしましょう。何度もお伺いして誠意を見せて、決して諦めないでくださいね。
最後に
マナーに厳しい家庭も、そうでない家庭も家によって様々です。しかし、事前準備をきちんと行えばどんな場合でも乗り切ることが出来ます。結婚が決まったら、もちろん両家に祝福されて結婚したいですよね。そのためにも、二人で協力してしっかりと事前準備をし、誠意を見せて結婚挨拶を成功させましょう。
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吉川沙織(よしかわ・さおり)さん
結婚式場内の衣装室や路面店にて衣装スタイリストとして勤務。挙式当日の着付けや、前撮り撮影などに携わる。趣味はピクニック。海外・国内ウエディングの流行チェックも好きです。
ライター所属:京都メディアライン