目次Contents
▼この記事の要点
- 20~30代女性100人のうち、既婚者の約3割は別居婚に肯定的。未婚者の場合はもっと割合が増え、約6割が「別居婚もアリ」と考えている
- 実際に別居婚をしたことがある人は、全体の1割以下と少数派。別居婚を望む場合、メリットとデメリットを天秤にかけて、円満な関係を維持できるよう納得いくまで話し合う必要が
- 別居婚の大きなメリットは、独身時代のような自由な生活を手にいれつつも、愛する人と夫婦関係を築けること。デメリットとしては、離れて暮らす寂しさや金銭面の負担、子どもについて認識のすりあわせが必要な点が挙げられる
そもそも「別居婚」とは

◆婚姻届を出したあとも別々に暮らすこと
別居婚とは一般的に、〝婚姻届を出して正式に夫婦になったあとも、同居せずに別々のまま暮らす夫婦の生活スタイルのこと〟をいいます。同居していたものの夫婦仲が悪くなって別居…というような場合とは違い、基本的に夫婦仲は円満であることが前提です。
〝法的に夫婦ではないものの、夫婦のようにひとつ屋根の下で生活する〟事実婚状態とは真逆の、〝法的に夫婦であるにもかかわらず、住まいをあえて分けている〟状態といえるでしょう。
同じマンションやアパートに部屋を2つ借りて行き来したり、近所に住んで週末だけ一緒に食事をしたり会ったりするなど、別居婚をしている人はフレキシブルに生活していることが多いよう。
多様性の時代ということで、形にとらわれない夫婦や恋人同士のありかたとして、別居婚スタイルも今後増えていく可能性がありそうです。
【既婚者に聞いた】別居婚はあり?

※アンケート20〜39歳の日本全国の男女を対象にOggi編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数119名(未回答含む)。
まずは20~30代の男女100人のうち、〝既婚の人〟に、「あなたは『別居婚』はありだと思いますか」と質問したところ…34.1%の人が「あり」、65.9%の人が「なし」と回答しました。
既婚者として誰かと夫婦関係を築いている人の多くは、別居婚ナシ派であることがわかりますが…約3割を超える人が、実際に結婚生活を経たうえで〝別居婚アリ派〟になっている点は興味深いですね。
赤の他人と家庭を築き、夫婦として、家族として暮らしていくのは簡単なことではありません。ひとつ屋根の下で毎日のように顔をあわせているうちに、「別居婚もアリかもしれない」と感じるような場面があった…ということでしょうか。
とくに新婚生活が終わってからの二人暮らしに慣れてくる時期や、妊娠・出産を経て子供が産まれてからの期間で、ともに暮らすことへの価値観が変わるケースはありそうです。実際に夫婦生活を営んだからこそわかる、別居婚のメリットが見えているのかもしれません。
【未婚者に聞いた】別居婚はあり?

※アンケート20〜39歳の日本全国の男女を対象にOggi編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数119名(未回答含。
次に20~30代の男女100人のうち、〝未婚の人〟に、「あなたは『別居婚』はありだと思いますか」と聞いてみたところ…今度は56%の人が「あり」、44%の人が「なし」と回答しました。
既婚者に同じアンケートをしたときとは結果が逆転し、半数を超える人が〝別居婚アリ派〟となっています。「まだ誰とも結婚してはいないものの、いずれ結婚するのであれば別居婚を視野に入れてもいい」という人は多いようです。
あるいは…「実際に婚姻生活を経て離婚したからこそ、別居婚もアリだと思う」人もいるでしょうか? 未婚者のなかには子どもがいない・子供をもちたいと思わない人もいるでしょうから、家族として同居することの必要性を、実感する機会が少ないのかもしれません。
別居婚経験者の割合は?

※アンケート20〜39歳の日本全国の男女を対象にOggi編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数119名(未回答含む)。
それでは、実際に〝別居婚〟を経験したことがある人はどれくらいいるのでしょうか?
既婚者を対象に「あなたは別居婚をしたことがありますか?」と質問したところ…95.8%の人が「いいえ」と回答。別居婚を実際に経験したことのある、「はい」の回答者はわずか4.2%となりました。
頭の中では「別居婚もいいな」「必ずしも、同じ家で暮らす必要もないはず」と思ってはいても…実際に別居婚をしようとすると、難しい部分がある人も多いのでしょう。別居婚にはメリットだけでなく、さまざまなデメリットがあるようです。
お互いに納得のうえで別居しつつ、夫婦関係を維持しながら愛し合う…一見すると、カップルとしてはいいとこどりの理想的な関係にも思える別居婚。続いて、そんな別居婚のメリット・デメリット両方をチェックしていきましょう。
別居婚のメリット

アンケート結果をもとに、別居婚のメリットをご紹介します。やはり、別居しているからこその〝自由〟や〝気楽さ〟についての意見が多いようです。
一人の時間がとりやすい
「自由だから」(20代・岡山県)
「その人の自由に過ごせる」(20代・兵庫県)
「一人の時間がお互い増える」(20代・神奈川県)
「自分の時間も確保できる。いつまでも恋人感覚でいられる」(20代・東京都)
「自分の時間をつくれる」(30代・愛媛県)
「お互いを尊重できる」(30代・東京都)
別居婚の大きなメリットはなんといっても、結婚しても独身時代の生活を継続できること。
たとえば…寝る時間や起きる時間、お風呂に入るタイミングや食事のことなど、二人で生活をする以上、同居する相手のことを考えなければならない場面は多いもの。しかし別居婚スタイルであれば、独身時代に自由にやってきたリズムを崩すことなく、自分の好きなように行動できるでしょう。
相手に合わせる必要がないので、私生活で窮屈な思いをしたり、ストレスをためたりすることも少なくなるはず。自分が好きなように、好きなタイミングで、思うままに行動できる点が別居婚最大の魅力でしょうか。
遠距離でも結婚できる
こちらは少数派ですが、夫の単身赴任や遠距離恋愛中の入籍などの場合は、〝一緒に暮らそうとしなくても夫婦でいられる〟というメリットを重視し、別居婚状態となる人もいます。
「早く結婚したいけれど、彼が赴任中で入籍するタイミングがない…」「転勤が多い彼と結婚できるのか不安」と悩んでいる人たちも、「そうだ、別居婚にしよう!」と割りきることで、タイミングを逃すことなく愛する人と夫婦になれるかも。
夫婦関係がマンネリ化しづらい
「適度な距離感を保つことで、良い関係を維持できるから」(20代・山梨県)
「それ以上仲が悪くならない」(20代・愛知県)
「喧嘩が少ない」(30代・埼玉県)
「いつでも新鮮な気持ちを味わえる」(20代・神奈川県)
「お互い干渉しすぎないで済む」(20代・東京都)
「ずっと一緒にいると、ストレスが溜まる。 元は赤の他人だから仕方ない。 文句ばかり言いいながら、何も手を打たず、だらだら生活している人が理解できない」(30代・滋賀県)
「愛の賞味期限は3年」なんて言葉もあります。男女が何年も一緒にいると、時間の経過とともに新鮮味を失い、マンネリ化してしまうことは多いでしょう。
もちろん、倦怠期とは無縁の夫婦もいるとはいえ…長年の結婚生活で〝仮面夫婦〟状態になったり、子育てが終わったタイミングで義務感から解放され、熟年離婚をする夫婦の話を聞いたことがある人も多いのでは?
しかし別居婚であれば、「週末だけ会う」などのスタイルで、恋人同士のような感覚をいつまでも失わずにいられます。相手にストレスを感じる場面も、同居している場合より格段に少なくなるでしょう。喧嘩やすれ違いも減って、良い関係が長く続きやすくなるかもしれません。
別居婚のデメリット

続いて、別居婚のデメリットについてもご紹介。別居婚をためらう人の多くが、〝金銭面〟や〝寂しさ〟を不安視しているようです。
結婚した感覚が少ない
「結婚している感じがない」(20代・兵庫県)
「結婚である必要はあるのか?」(20代・東京都)
「結婚の意味を見出せなくなるかも」(30代・東京都)
結婚が〝ゴールイン〟呼ばわりされることからもわかるように、愛する人と法的に結ばれ夫婦となり、ひとつ屋根の下で生活する…という一連の流れそのものに、憧れや喜び・幸福感を抱く女性は多いでしょう。「将来の夢はお嫁さん」という女性も少なくありません。
しかし別居婚状態となると、〝ただ籍を入れただけで、独身時代と生活が変わらない〟感覚が不安になるおそれがあります。愛する人がそばにいない毎日に、「これって、結婚した意味ある?」と疑問を抱いてしまうかも。
費用がかかる
「家賃が二倍」(20代・神奈川県)
「生活費が多くかかる」(30代・福島県)
別居婚ということはつまり、それぞれの住まいがそれぞれ必要になるということです。水道代や光熱費などの生活費も二倍かかります。夫婦が同居する場合に比べると、多額の費用がかかるかもしれません。
自分の稼ぎでどうにでもなる人や、別居婚でもどちらかが費用を負担する余裕がある…という夫婦なら問題ありませんが、経済面を重視する場合、別居婚をするメリットは少ないでしょう。子どもがいる場合には、どちらの家で育てるかを話し合う必要もあります。
寂しい
「寂しい」(30代・鹿児島県)
恋人同士として付き合っている期間でさえ、「彼に会えない日は寂しい」「次のデートが待ち遠しい」という気持ちを抱くことはあるでしょう。結婚して夫婦になり、寂しさとは無縁の生活を送れるはずが、別居婚で相変わらずの寂しい日々…となると辛いですよね。
もともと一人の時間を大切にしているカップルや、寂しさや不安を感じにくいタイプの人でないかぎりは、離れ離れの生活にメリットを見いだせないかもしれません。
相手が何をしているかわからない
「浮気の心配はつねにあると思う」(30代・滋賀県)
「心配になる」(20代・東京都)
夫婦として同居している場合は、「お互い仕事だから駅まで一緒に行こうかな」「今日は飲み会で遅いって言ってたから、先に寝ておこう」など、相手の生活リズムを把握したうえで自分も行動することができるでしょう。あるていど、相手が何をしているかわかっている日のほうが多いかもしれません。
しかし別居婚の場合は、お互い別の家で暮らしている以上、相手がいつ、どこで、何をしているかわからなくなることも多いはず。たとえ連絡をとっている時間があったとしても、それ以外の行動を明らかにすることはできません。
結果的に浮気や不倫を疑ったり、愛されているかどうか不安になったりして、気持ちがすれ違うおそれもあります。まるで倦怠期のカップルのような、冷却期間状態がつねに続く可能性もある点は、明確なデメリットといえそうです。
別居婚をすべき? やめるべき? 事前準備と気になることQ&A

ここでは別居婚を始める際によくある疑問や不安について、Q&A形式で解説します。「夫婦喧嘩が増えて、いっそ別居婚もアリなのではないかと思い始めた」「別居婚したいけれど、気になることが多くていまひとつ現実的に考えられない…」という人は要チェック!
A.「お互いに離婚はしたくないという結論に落ちつく」理由や、喧嘩の原因によってはアリでしょう。もしも〝夫婦として一緒に暮らしたい〟気持ちが強く、離れることへの抵抗があるからこそ離婚したくないのであれば、別居婚には不向きかも。反対に、〝お互いに好きなのに、一緒にいると喧嘩ばかりだから離れるべきかもしれない〟という気持ちがお互いあるのなら、別居を視野に入れてみては
これまでご紹介してきたさまざまな意見からもわかるように、別居婚にはデメリットも多々あります。別々の家で暮らすという性質上、夫婦であることの実感が薄れたり、金銭的な負担が増えたりすることを頭に入れなければなりません。
喧嘩ばかりを繰り返してしまうその背景には、きっと原因や理由があるはず。現実から目を背けずに、同居したまま問題を解決することはできないのか、まずはその点を見極める必要があります。お互い納得のうえで最初から別居婚を選択するのと、喧嘩が増えてどちらかが出ていく〝別居〟とでは、かなりの差があるはずです。
結婚した夫婦のうち、約3割には喧嘩の経験があるといいます。しかし…喧嘩ばかりの夫婦からすると、「たった3割?!」「ほかの夫婦ってこんなに喧嘩しないものなの…?」と、驚くような気持ちにさせられるのではないでしょうか。
円満な関係を築いている残り7割の夫婦は、お互いの価値観を尊重し、思いやりをもって接することを意識しているようです。ほかにも、〝なるべく一人の時間を確保する〟という夫婦もいます。まずは同居状態のままでも、やれるだけのことをやってみる意識は大切です。
「確かにお金はかかるけれど、今の喧嘩だらけの辛い毎日を送るより、それぞれの家で恋人同士のように暮らしてみるのもアリなのではないか」「私たちには、離れる時間が絶対に必要だ。まずは別居婚を試してみたい」と思えるのなら、別居婚を提案してみるのもひとつの手でしょう。
大事なのはメリットとデメリットを天秤にかけつつ、自分たちの気持ちや状況を客観視することです。悔いのない選択ができるように、夫婦として、腹を割った話し合いを何度でもかさねてから考えるのが吉。勢いのままに別居して、心まで離れてしまわないように気をつけて。
Q.彼と入籍することが決まったのですが、お互い海外育ちということもあり、従来の価値観にとらわれない生き方をしてきました。結婚についても同様で、週末だけ会うような週末婚・別居婚を視野に入れています。まずはなにから相談したらよいでしょうか?
A.お互いに納得したうえで、円満な関係を築いてこその別居婚です。納得いくまでさまざまなことを話し合う必要がありますが、やはりまずは生活費のことと、今後子どもをもつかどうか、その場合はどのように暮らしていくのかということを決めましょう
◆生活費のこと
別居婚を始めたいと思ったら、まずどこに住んで生活費をどうするのかを決めなければいけません。
夫婦がお互い経済的に独立しているのなら、それぞれ望む場所に自分のお金で住めばいいですが、そうでない場合は後々揉めないよう、どう分担するかを話し合っておきましょう。
◆子供のこと
子供がいる場合、または近い将来子供を産みたいと思っている場合、子供はどちらの親と一緒に暮らすのか、行き来するならどれくらいの期間でそれを行うのかなど、子育てのことも考えておかなければなりません。
子供を出産時、出生届をどこで出すのかによっても行政サービスが受けられる自治体が変わってくるため、あらかじめ手続きや子育ての方針についてはよく話し合っておく必要があります。
◆期間のこと
別居婚を可能な限り続ける夫婦もいますが、期間を決めて別居婚をする夫婦も少なくないよう。
例えば〝夫の仕事が落ち着くまで〟、〝子供が産まれるまで〟、といったように、同居を始めるタイミングについて事前に話し合っている夫婦も。
自分たちの考えに大きな相違があると後々揉める原因になりかねないので、あらかじめ話し合っておく必要があります。
◆会う頻度のこと
「会う頻度は決めず、気が向いたときに」という夫婦もいますが、例えば週末は一緒に過ごす、連休は旅行に出かける、何曜日の夜は一緒にごはんを食べる… などある程度会うタイミングや頻度を決めておかないと、心が離れていってしまう可能性もあります。
自由がメリットの別居婚ではありますが、離婚につながらないためには、お互いストレスなく夫婦でいられる方法を見つけなければいけません。
夫婦のあり方も多様性の時代
あらゆるものごとに〝多様性〟が叫ばれる時代となり、夫婦のあり方も人それぞれ、さまざまなかたちに変化してきています。
入籍をせずに事実婚状態で関係を続けたり、結婚をせずに子どもを産み、シングルマザー・ファザーとして子育てをしたり…結婚後に離婚を選択する夫婦も少なくはなく、〝結婚=夫婦になり一緒に暮らすこと〟という価値観は薄れている人もいるでしょう。
そんななかで、〝別居婚〟という選択肢を視野に入れるのは、なにも悪いことではありません。金銭面や子どものことなど話し合うべき項目はあるものの、お互いに納得のうえで、離れて暮らしながらも心から愛し合い、幸せを感じられるのであればそれも、立派な夫婦のあり方のひとつではないでしょうか。
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ミナ・サントリーニ
ライター・大手占いアプリ所属の恋愛鑑定師。東京都出身。
数々の恋愛経験と世界各国を旅した経験を活かし、10年以上、男女問わずあらゆる恋のお悩み相談を受けている。
好きなラーメンは家系固麺油マシ。推しはニャンちゅう。



