結婚指輪と婚約指輪の違い
「婚約指輪(エンゲージリング)」とは、プロポーズの際、もしくは婚約する際に、男性から女性へ「婚約の印」として贈られる指輪のことです。サプライズの場合もあれば、事前に好みを聞いて購入される場合や、プロポーズ後に一緒に購入する場合もあります。
婚約指輪は、華やかなデザインのものが多く、指輪の真ん中にダイヤモンドがついたものが一般的です。その華やかさと、高価さゆえに普段使いが難しく、結婚後はあまり着用する機会がなく、そのまましまわれることも。最近では「普段使いができるように」とカジュアルなデザインのものも増えつつあります。
「結婚指輪(マリッジリング)」とは、入籍後や結婚式の指輪交換時に着用する、「結婚の印」として男女がお互いに贈り合う指輪のことです。左手の薬指につけ、普段使いができるような、シンプルなデザインのものが一般的。ダイヤなどの宝石が小さくついている場合もあります。
素材はプラチナやゴールドが人気が高く、指輪の裏側にお守りの誕生石や、二人のイニシャル、自分たちの好きな言葉を刻印するカップルもいます。
婚約指輪と結婚指輪の金額相場
自分好みのデザインや、素材で選びたいのはもちろんですが、婚約指輪と結婚指輪を選ぶにあたって、一体どれくらいの費用をかけるべきなのでしょうか。
購入場所としては、ブランドショップやジュエリーショップで購入する場合が多いです。しかし、最近では「価格を抑えられる」や「思い出になる」との理由で、ブランドショップではなくアトリエなどで、自分たちで指輪作りを楽しむカップルもいます。
婚約指輪の金額相場
婚約指輪は昔はよく「給料3ヶ月分」のものが定番といわれていました。結婚する「けじめ」としての品物なので、高価なものを選ぶ人が多かったようです。結納を行う場合は、そこでお披露目する場合もあります。
現在では、値段は大体30万円から40万円前後するものが選ばれることが多く、目安としては「給料の1ヶ月分」ほど。ダイヤモンドの大きさや、プラチナかゴールドか、などで大きく価格は異なっています。中には100万円を超えるものも。
ブランドショップではないジュエリー店で購入する場合は、10万円程度からも販売しています。予算と、好みによって購入するお店を選びましょう。
結婚指輪の金額相場
結婚指輪は、デザインが婚約指輪よりはシンプルな分、婚約指輪より価格は低くなります。ブランドショップのものであれば、男女セットで25万円から50万円程度のものが選ばれることが多いです。
ブランドにこだわらなければ、男女セットで10万円前後からの価格帯の指輪もあります。手作りのアトリエなどでも、男女セットで10万円前後から用意があるようです。
人気のハイブランド
婚約指輪も結婚指輪も、共通の定番のハイブランドとしては
・「ティファニー」
・「カルティエ」
・「ブルガリ」
・「ハリーウィンストン」
・「シャネル」
などが人気が高い傾向にあります。普段の持ち物はブランド意識がない女性でも、婚約指輪と結婚指輪になるとブランドに憧れる女性は多いのではないでしょうか。
サプライズで婚約指輪を贈られた女性の中には、もらってから「まったく好みではないブランドのものだった」という残念なケースもあります。これではせっかく準備した男性も、受け取った女性も双方が悲しい思いをしてしまうことに。憧れのブランドがある場合は、普段の会話からそれとなくアピールしておく必要がありますね。
婚約指輪と結婚指輪をもらった場合
婚約指輪と結婚指輪を両方もらった場合、重ねつけすることも可能です。重ねつけする目的でセットで売られているものもあります。「同じブランドや素材でなければならない」などのルールもないので、自分の気に入ったデザインで重ね付けを楽しみましょう。
婚約指輪と結婚指輪の重ねつけ方は?
婚約指輪と結婚指輪を重ねてつける場合、順番に厳格なルールは存在しません。左手の薬指の下側に結婚指輪を、上から婚約指輪を重ねる順番でつけると「愛を永遠に留める」という意味をもつそうです。
重ねつけするデメリットとしては、華やかに見える重ねつけは、指輪がぶつかりあって側面が傷つきやすいという点です。気になる方は、特別な日にのみ着用するほうが無難でしょう。普段使いにというよりは、結婚式などのパーティに参列する時などにつける人が多い印象です。決して普段使いが駄目なわけではありませんが、「職場などではしない」など、TPOをわきまえましょう。
お返しはどうする?
婚約指輪を贈られた場合、お返しは必ずしも必須ではありません。しかし贈られたことに対して感謝の気持ちをあらわしたい場合は、お返しを渡すのがよいしょう。腕時計やスーツなどの贈物が定番ではありますが、「結婚指輪は自分が全額負担する」ことをお返しとしている人も。相手の欲しいものや、旅行をプレゼントする場合もあります。
婚約指輪と同じ金額でなく、イメージとしては3分の1もしくは半分程度でよいでしょう。お返しをする場合は、本人の希望を聞いて、相談して決めましょう。
婚約指輪はいらない?
最近では、「婚約指輪はいらない」という女性も増えています。理由としては、「つける機会がない」「華やかなデザインのものが好きではない」「購入するお金がもったいない」など様々です。婚約指輪が不要な場合は、かわりにネックレスや、普段自分では買わないような靴をもらったり、旅行につれていってもらったり、何か代わりになるものをもらう場合もあります。
しかし中には「いらない」と事前に話していても、実際に婚約指輪をもらったら、嬉しかったとの声も。必要かどうかをさりげなく聞かれる機会があれば、遠慮しすぎず、自分の心の声を大切に。もちろん、本当に不要な場合は、そのまま伝えることもよいでしょう。
最後に
婚約指輪と結婚指輪は、必ずしもセットで必須ではありません。どちらの指輪も、手に入れる機会は人生で一度きり。購入される場合は、後悔のないように、自分の心から気に入る一生ものの指輪に出会えますように。
TOP画像/(c)Shutterstock.com
執筆/吉川沙織(よしかわ・さおり)さん
結婚式場内の衣装室や路面店にて衣装スタイリストとして勤務。挙式当日の着付けや、前撮り撮影などに携わる。趣味はピクニック。海外・国内ウエディングの流行チェックも好きです。
ライター所属:京都メディアライン