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「おみそれしました」ってどんな意味?
「おみそれしました」は「お見それしました」や「御見逸れしました」とも書きます。
「見誤る」「見くびる」という意味の「見それる」に、丁寧語の「お」と過去形の「しました」が付いた言葉で「相手を軽んじてしまい、実力や才能を見誤っていました。失礼しました」という敬意を込めたニュアンスです。
「おみそれしました」の活用法|アラサーが使うシーン

「おみそれしました」を、アラサー世代が活用しやすいシーンをチェックしておきましょう。
自然に口にできれば、コミュニケーション上級者に。
ただし使い方によっては皮肉にも聞こえかねないため、使えるシーンは限定的です。
♦︎相手の実力を見直したとき
「おみそれしました」は、“もともとは軽んじていた相手に詫びるニュアンス”を含みます。
そのため 「思っていた以上にすごい!」と感じた瞬間にも適しているフレーズです。
たとえば後輩の絵画を見て趣味程度だと思っていたのに、プロ並みのスキルを発揮されたシーンで「こんなに絵が上手だなんて… おみそれしました!」などと用いることができます。
嫌味にならないよう、素直な敬意を示すフレーズとして使うと◎。
♦︎予想以上の成果を見たとき
相手の努力や才能が想像を超える形で表れたときにも「おみそれしました」は使いやすいフレーズです。
「思っていた以上だ!」という感動を、ユーモアを交えながら伝えられるだけでなく単に「すごい!」と褒めるよりも言葉に厚みが出て、大人っぽい褒め方に聞こえやすいでしょう。
たとえば部下が依頼していたタスクを早く、しかも高品質で仕上げたシーンで「短時間でここまで仕上げるとは、おみそれしました!」などと用いることができます。
♦︎ユーモアが求められるシーンの褒め言葉
アラサー世代が「おみそれしました」を日常会話で使うなら、軽い驚きや笑いを込めた褒め言葉としての用法も◎。
古風な言葉だからこそ、あえて使うことでちょっとした“おもしろさ”も生まれます。
たとえば普段は無口な同僚がランチ会で腕を披露したシーンで「料理がプロ並みだなんて… おみそれしました!」などとちょっとオーバー気味に言えば、相手も笑って返してくれる可能性が高いでしょう。堅苦しく使わずに、親しみを込めた褒め言葉として聞こえるよう表情にも配慮を。
【実例】アラサー世代の赤っ恥!?「おみそれしました」の注意点

「おみそれしました」を使い慣れないと、うっかり赤っ恥をかいてしまうことも…。
筆者が実際に見聞きした事例から「おみそれしました」を使う際の注意点を解説します。
♦︎注意点:褒め言葉として軽すぎた
「おみそれしました」には、相手を軽んじていたことを詫びるニュアンスも含まれるので、単なる褒め言葉として使うと逆に軽く聞こえる場合も少なくありません。
たとえば筆者が見た事例では、自分よりも目上の立場にあたる先輩が大きなプロジェクトをまとめたときに「おみそれしました!」と後輩が声をかけたところ「バカにしてるの?」と先輩が怒り出したケースがあります。
真剣に敬意を示したい場面では、別の表現を用いるほうが賢明でしょう。
♦︎注意点:失礼な言葉として用いていた
相手を見くびっていたニュアンスを含むことから、そもそも「おみそれしました」は目上には使うのを避けたほうがいいフレーズ。上司に対して使ってしまえば、相手は「これまで自分のことを下に見ていたのだな」と感じてしまいます。
筆者が見聞き事例のなかには、上司が作成した資料に対して部下が「こんなに丁寧に作られるなんて… おみそれしました」と言ったところ、上司が露骨に不愉快な表情になったのを見かけました。
目上や初対面の人には避けて、フランクな関係の相手にだけ使うほうが安全でしょう。
♦︎注意点:古風すぎて浮いてしまった
「おみそれしました」は丁寧で上品な表現ですが、普段の会話で使うとやや古風に聞こえてしまう可能性も低くありません。
アラサー世代が用いると、相手によっては“わざとらしい”と受け止められる場合もあるでしょう。
筆者が見聞きした事例では、懇親会の場で同世代が歌を披露したときに「おみそれしました」と真顔で伝えた女性に対して、かえって場が白けてしまったケースがありました。日常会話では冗談っぽく使うなど、場に応じて使い分けるのが無難かもしれません。
【皮肉だと誤解されがち】ビジネスシーンでの「おみそれしました」の言い換え方

「おみそれしました」にはネガティブな意味も含むことから、相手に失礼がないようにビジネスシーンで使いやすい「おみそれしました」の言い換え表現を確認しておきましょう。
♦︎上司や目上の人に対しては敬意のある表現で
目上の人に「おみそれしました」を使うと失礼に感じられる可能性があるため、敬意をストレートに表すフレーズに言い換えましょう。
「大変勉強になります」や「尊敬いたします」などストレートに敬意を伝えられる表現が好まれます。
♦︎同僚や後輩に対してはポジティブな表現で
同僚や後輩に対して気軽に驚きを伝えるならば、フランクでポジティブな表現に言い換えてみましょう。
「予想以上でした」や「想像以上の仕上がりですね!」といった表現は「おみそれしました」のように見くびっていた趣旨を含まないため、用いやすい表現です。
♦︎クライアントや取引先に対しては感謝をベースにした表現で
外部の相手に「おみそれしました」を使うと、“相手を過小評価していた”ニュアンスが誤解を生む可能性が低くありません。
そのため、感謝や敬意をベースにした表現が適切です。
「素晴らしいご提案をありがとうございます」や「非常に勉強になりました」など、感謝と敬意を同時に伝えられるフレーズが好ましいでしょう。
「おみそれしました」にはネガティブな意味が含まれる
「おみそれしました」は、相手の実力や才能を軽んじていた意味が含まれる点に注意しましょう。
相手の素晴らしさを褒める表現ではありますが、真剣な褒め言葉には適しません。
また古風な言葉ですので、使える場面は限定的です。
扱いにくいフレーズではありますが、うまく使えば大人の余裕やユーモアを感じさせられる便利な言葉だと言えるでしょう。
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並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。