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この記事のサマリー
・「申し送り」は、次の者に伝えることを指します。
・特に「申し送り」は後任者へ必要事項を言い伝える行為を指すことが多いでしょう。
・「引き継ぎ」は、前任者から後任者が担当すべき事務を受け継ぐこと。
業務の引き継ぎやチームでの情報共有の場面で、「申し送り」という言葉を耳にする方は多いのではないでしょうか? 会議の前に簡単に伝える内容から、後任者に確実に渡したい重要事項まで、「申し送り」はビジネスのあらゆる場面で使われています。
この記事では、辞書に基づく正確な意味と実務での使い方を整理し、迷わず使える形にまとめました。
「申し送り」とは? 正しい意味・「引き継ぎ」との違いを確認
まずは、「申し送り」の意味を確認していきましょう。
「申し送り」の意味
「申し送り」とは次の人に言って伝えることを意味します。特に、引き継ぎで前任者から後任者に必要な事柄を言い伝える際に使われます。
辞書では次のように説明されていますよ。
もうし‐おくり〔まうし‐〕【申(し)送り】
申し送ること。次の者に言って伝えること。特に、事務・命令などの内容を後任者に伝えること。また、その内容。「順繰りに―をする」「―事項を確認する」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「申し送り」と「引き継ぎ」の違い
引き継ぎは「前任者から後任者が担当すべき事務を受け継ぐこと」を意味し、業務の受け渡しを示します。
「申し送り」は、業務のうち必要な事項を伝える行為のことです。
例えるなら、会議で必要事項を共有するときは「申し送り」、担当業務が移る場合は「引き継ぎ」と表します。
参考:『日本国語大辞典』(小学館)

「申し送り」の使い方を例文でチェック
ここでは、「申し送り」の使い方を具体的な例文で確認しましょう。
本日の会議内容を、明日担当するチームに申し送りをお願いします。
業務内容を「次に担当する人へ伝える」という、もっとも基本的な使い方です。
夜勤のスタッフから、患者さんの様子について詳しく申し送りを受けた。
医療・介護現場でよく使われる文脈。勤務交代時に必要事項を伝えるという典型的なケースで、「後任者に伝える」という意味で使っています。
担当者変更に伴い、取引先とのやり取りを申し送りとして整理しておきました。
事務作業として、次の担当者へ必要事項をまとめて渡すケースです。
「申し送り」の類語や言い換え表現
「申し送り」の類語として挙げられるのは「伝達」、「コミュニケーション」、「伝令」が挙げられます。それぞれ詳しくみていきましょう。
伝達
「伝達」は、必要な事項を他者に伝える場面で使います。
コミュニケーション
「コミュニケーション」も他者に伝えることを指しますが、相互に伝え合う意味も含むので、「申し送り」とは多少違いがあります。
伝令
「伝令」は、命令を伝えることを指します。
参考:『使い方の分かる 類語例解辞典』(小学館)

「申し送り」を正確に行うためのポイント
「申し送り」は、内容の整理方法により伝わり方が変わります。事実を示し、必要な情報を区切って伝えると相手も確認しやすくなりますよ。ここでは、スムーズな申し送りの方法を紹介します。
情報の優先順位をつける|事実と所感を分離
事実と所感を分けて示すことで、相手が状況を判断しやすくなります。まずは事実を提示し、必要に応じて考えを補足するとわかりやすいでしょう。
項目ごとに伝える
時系列を軸に説明すると、内容が散在することがあります。項目として整理すると、必要な事柄を確認しやすくなります。
失敗しやすい「申し送り」の注意点
「申し送り」では、必要事項が不足すると判断が難しくなることがあります。また、情報が多すぎる場合も内容を把握しにくいでしょう。
適切に項目を整理し、簡潔な表現にすると確認しやすくなります。

「申し送り」に関するFAQ
ここでは、「申し送り」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 申し送りはメールで使えますか?
A. メールでも使用できます。
Q2. 申し送りと共有は同じ意味ですか?
A. 「共有」は持ち合うことを意味しますが、「申し送り」は担当者へ必要事項を伝える行為です。
Q3. 「引き継ぎ」と同じ意味ですか?
A. 引き継ぎは業務そのものを受け継ぐことを指し、申し送りは必要事項の伝達です。
最後に
「申し送り」は、担当者に必要事項を伝える行為として辞書に示されています。事実を整理し、確認しやすい形でまとめることで、次の者が状況を把握しやすくなります。業務に合わせて整理方法を検討することで、伝達の精度を高めることができますよ。
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