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2023.09.12

「苦肉の策」とは? 「苦肉の策」の語源や使い方、類語表現を紹介

「苦肉の策」とは、「自分の心や身を苦しめて行うはかりごと」のこと。『三国志演義』のなかに登場する言葉です。「苦しまぎれ」の意で使われることがあります。本記事では、「苦肉の策」に関するエピソードや使い方、類語表現などを一緒に見ていきましょう。

「苦肉の策」とは?

「進んでやりたくないけれど、背に腹は代えられない!」と行動した経験、ありませんか? 窮地を逃れるために取った策略や行動のことを「苦肉の策」と言います。

「苦肉の策」は、オフィシャルな場面でもカジュアルな場面でも使われる表現ですので、耳にしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

実は、「苦肉の策」はかなり古い言葉なんです。あの有名な『三国志演義』に登場します。本記事では、「苦肉の策」の語源や使い方、類語表現などを一緒に見ていきましょう。

「苦肉の策」の意味

「苦肉の策」とは、「自分の心や身を苦しめて行うはかりごと」という意味です。苦しまぎれに仕方なく巡らす策というニュアンスがあります。「苦肉」は「くにく」と読み、「敵を欺くために自分や味方の身を苦しめること」という意味です。

困っている女性
(c)Adobe Stock

「苦肉の策」の語源

さて、それでは冒頭に少し触れた「苦肉の策」の語源について紹介します。

「苦肉の策」の語源はあの『三国志演義』から

「苦肉の策」は『三国志演義』のなかに登場します。『三国志』そのものではありません。『三国志』は有名ですよね。中国にある二十四史のひとつで、魏(ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)という三国の歴史を記した書物です。

では、『三国志演義』とは何でしょうか? 実は『三国志』と『三国志演義』はジャンルが違います。『三国志』は歴史書ですが、『三国志演義』は小説、それも長編小説です。中国四大奇書のひとつで、『三国志』に基づいて三国時代の史実にフィクションを交えた内容になっています。

その『三国志演義』のなかに登場する「苦肉(くにく)の計(けい)を用いずして何ぞ能(よ)く曹操を瞞過(まんか)せん」という一節が「苦肉の策」の語源です。

この一説を直訳すると、「自分や味方の身を苦しめるような苦肉の策を用いなければ、どうして曹操(魏の武将)を欺けようか、いや欺けない」という意味になりますね。

『三国志演義』のなかでは、「苦肉之計」と書かれていたようですが、「計」は「計略」や「計画」などの熟語にも使われているように「策」と同じニュアンスを持っています。

「苦肉の策」の使い方を例文で紹介

普段何気なく使っている言葉が、実はかなり古くから使われてきた言葉だと思うとなんだか不思議な気持ちになりますね。

続いては、「苦肉の策」の具体的な使い方について見ていきましょう。

1:「感染症の影響で客足が遠のいたカフェは、苦肉の策としてテイクアウトやデリバリーを始めた」

今までやってきた方針が、トラブルなどによって変えざるを得なくなった場合に「苦肉の策」を使うことがあります。ポジティブな理由からではなく、仕方なくとった行動に対しても散られることが多いです。

デリバリーを届ける男性
(c)Adobe Stock

2:「予算が足りなくなった映画監督は苦肉の策を講じ、海外ロケを中止した」

「苦肉の策」と「講ずる」という動詞はセットで使われます。「講ずる」とは、「講義をする」「問題を解決するために、考えを巡らせる」「相手と和解する」「詩や歌などの会で披露する」という意味を持つ動詞です。

一般的には「苦肉の策を講ずる」とは言わず「苦肉の策を講じる」と言います。「講じる」は「講ずる」の変化形で、意味としては同じですので問題はありません。

3:「恋人に振られた彼は、苦肉の策で恋人の友達にアプローチをして恋人を嫉妬させようと試みたが、効果はなかったようだ」

「苦肉の策」は自分が望んでいないことでも、目標を達成するために行動することを指します。今回の場合は、恋愛における苦肉の策ですね。恋人に振り向いてほしいために好きでもない相手にアピールするのはなかなかつらい所業です。

自分の身を苦しめることになっても、望みをかなえたいというときに使われる言葉です。

「苦肉の策」の類語表現とは?

最後に、「苦肉の策」の類語表現も紹介しますね。

1:窮余の一策

「窮余の一策」とは、「追い詰められて苦しんだあげくに考えた方法や手段、策のこと」。「きゅうよのいっさく」と読みます。「窮余」は「方法がなく困ること」、「一策」は「手段や方法、方策」のことです。

2:背に腹は代えられない

「差し迫った危機や困難を回避するために、ほかのことを犠牲にすること」を「背に腹は代えられない」と言います。

「苦肉の策」と同じように、仕方なく別の方法を取るというニュアンスがあります。「五臓六腑(ごぞうろっぷ)を持つ腹は背中と交換することができない」という意味から、この言葉が生まれました。

背に腹はかえらえない女性
(c)Adobe Stock

3:苦渋の決断

「苦渋」とは、「苦くしぶといこと」「苦しみながら悩むようす」を指す言葉です。したがって、「苦渋の決断」とは、「苦しみながら決断する」というニュアンスになります。ちなみに、読み方は「くじゅう」です。

4:最終手段

「最終手段」や「最後の手段」という表現もありますよ。「できれば避けたいけれど、どうしようもなくなったら最後の最後に選ぶ選択肢」というニュアンスです。

最後に

本記事では、「苦肉の策」の意味や語源、使い方、類語表現などについて紹介しました。類語表現で紹介した言葉はいずれも、自分や仲間の苦しみを対価にしてでも目標を達成したいというときに使います。

苦肉の策を取ったことがかえって良い結果をもたらすこともあるかもしれません。目の前の現状を冷静に判断することが重要になりそうです。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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