「失敗は成功のもと」の意味や語源
仕事で上手くいかない時、この言葉に励まされたという方もいるかもしれませんね。しかし、ただ失敗を重ねれば成功に繋がるということではありません。ここでは、今一度「失敗は成功のもと」の意味について解説していきます。
意味
「失敗は、その原因をつきとめて改善することができれば、むしろ成功に繋がる」。これが「失敗は成功のもと」の意味です。「失敗は成功の基」や「失敗は成功の母」と表現することもあるでしょう。ここで気をつけたいのが、失敗を重ねるごとに自然と成功へ近づくという意味ではないということ。
「失敗は成功のもと」は、失敗した時に「何がいけなかったのか」「今後どうするべきか」を考えることを前提にしています。つまり反省点と改善点を整理し、そこを対処することが重要なのです。ただ失敗を経験すれば成長するというわけではなく、次にどう繋げるかを考えられる人が成功に近づくということですね。
語源
「失敗は成功のもと」の語源について、明確な由来は分かっていません。ただ仮説として考えられているのは、エジソンの名言が由来しているというもの。電球や蓄音機など、私たちの生活に欠かせない数々の発明をしたことで知られるトーマス・エジソンは「発明家」とも呼ばれる天才でした。そんな彼が残した言葉の中に「私は失敗したことがない。ただ1万通りの上手くいかない方法を見つけただけだ」というものがあります。
何度もトライアンドエラーを繰り返し、発明に成功したエジソンですが、彼はその過程を「失敗」ではなく、「成功するための手段の1つ」と捉えていたのです。この名言が「失敗は成功のもと」の語源となったという説があります。
彼は他にも「私たちの最大の弱点は諦めることである。成功するための最も確実な方法とは、常にもう一度だけ試してみることである」という言葉を残しています。見事な成功を収めた彼の言葉には、諦めずに何度も立ち向かうことの大切さを感じますね。
「失敗は成功のもと」を英語で言うと…?
「失敗は成功のもと」の英語表現として代表的な3つのフレーズを紹介します。直訳するとそれぞれ少しずつ意味が異なりますが、どれも同じニュアンスを持つ表現ですので、ぜひ覚えておきましょう。
1:Failure teaches success.(失敗は成功のもと)
1番フォーマルな表現でしょう。直訳すると「失敗は成功を教える」となります。失敗することで改善点が見えてくるため、成功するために何をすべきか学ぶことができる。「失敗は成功のもと」の意味と同じですね。
「失敗」の意味を指す「failure」を用いた他の慣用句には、「Failure is a stepping stone to success(失敗は成功の足掛かりになるものだ)」というものがあります。stepping stoneは、高く飛び立つための足場、土台を指しているのだとか。こちらも「失敗は成功のもと」の類似表現ですので、合わせて覚えておくと良いですね。
2:You learn from your mistakes.(自分の間違いが学びとなる)
自分が犯した過ちから学ぶという意味です。成功した経験を参考にすることはもちろん大切ですが、力足らずだった部分に向き合うことも忘れてはいけません。失敗することにマイナスなイメージを抱いている人は多いかと思いますが、失敗は自分を成長させるための貴重な経験です。ミスをしてしまったのであれば、それを無かったことにするのではなく、何か学習して次に繋げれば良いのですよ。
3:No pain, no gain.(痛みなくして得るものなし)
「楽をしていたら、何も得られるものはない」というフレーズです。苦労せずに得たものと苦労して得たものは、同じものであっても充実感や価値が全然違うはず。この言葉は、捉え方を変えると「今苦労していることは後の楽に繋がる」と言い換えることもできるでしょう。
頑張った分だけ後から必ず成果が出るので、心が折れそうになった時はこの言葉を思い出してみてください。
「失敗は成功のもと」の類語や言い換え表現を紹介
「失敗は成功のもと」の類語・言い換え表現には、「試行錯誤」「七転び八起き」「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥」などがあります。それぞれの意味について確認しておきましょう。
1:試行錯誤
トライアンドエラーと言ったりもしますよね。色んな方法を試して、失敗を重ねながら解決方法を追求していくことを指します。まさにエジソンの発明は試行錯誤によるものだったと言えるでしょう。また、学習様式の1つとして「試行錯誤」という言葉を用いることもあります。
これはアメリカの心理学者であるソーンダイクが1898年に『動物の知能』のなかで主張した解釈。人間や動物は、問題が起こった時に試行を繰り返し、解決できた時に満足感を味わいます。そして、その満足感により次の試行ではさらに時間を短縮して目的を達成し、学習を完成させていくのです。このように、我々の学習を特徴づけるものとして「試行錯誤」という説が唱えられました。
2:七転び八起き
7回転んで8回立ち上がるという意味から、どれだけ失敗してもくじけず、何度も立ち上がって最後までやり抜くことを指します。四字熟語にすると「七転八起(しちてんはっき)」と表すことができますね。
似ている四字熟語に「七転八倒(しちてんばっとう)」というものがありますが、全く意味が異なるので間違えないように気をつけましょう。
3:聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥
知らないことを聞くのは恥ずかしいが、聞かずに知らないまま過ごせば一生恥ずかしい思いをしなければならない。つまり、分からないことは積極的に聞くべきであるということわざです。不格好な姿を見せまいと分かったふりをしていると、後々必ず支障をきたすでしょう。「失敗は成功のもと」も「失敗から逃げるのではなく、失敗をしてそこから学ぶことが大切である」というニュアンスを持つことわざです。
どちらのことわざも、自分の未熟な部分を見ないようにするのではなく、向き合うことが大切だと教えてくれていますよね。
最後に
今回は「失敗は成功のもと」について解説しました。何かを成功させるためには、挫折や失敗がつきものです。失敗した時、どうしてもその一瞬のことを気にしてしまいますが、大切なのはその失敗を将来にどう活かすかではないでしょうか? 失敗をマイナスに捉えるのではなく、次に繋げるステップだと考えてみると良いかもしれませんね。
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