「相違点がございまいしたら、ご連絡をお願いします」といったフレーズを、ビジネスメールなどで見たことはありませんか? 相違点とは、簡単にいうと「2つのものの間の違い」ですが、少しかたい言葉のため、日常ではあまり使われないかもしれません。しかし、ビジネスシーンではよく使われるため、意味をきちんとおさえておくことが大切です。当記事では、相違点の意味や類語、対義語などを紹介します。
相違点とは?
相違点とは、「相違」と「点」を組み合わせた言葉です。そもそも「相違」とは、「2つの物事の間に違いがあること」で、「点」とは、「特に注意すべきこと」「ところ」という意味。つまり、相違点とは「2つの物事の間の違うところ」のことです。例えば、「部長と課長の見解に、相違点はありません」などと使われます。
使い方を例文でチェック!
続いて、相違点の使い方をより詳しく見ていきましょう。相違点は、会話でも使えますし、ビジネスメールで使ってもOKです。使い方がわかったら、ぜひビジネスの場面などで使ってみてくださいね。
1:「先日の会議の内容と、こちらの報告書の内容に相違点はございませんでしょうか?」
相違点は、「ある・ない」と一緒に使われます。ですが、より丁寧な印象を与えたい場合には、「ございます・ございません」といった言葉を使った方がいいでしょう。この例文では、「会議で話した内容と、紙にまとめた報告書の内容に違いはないか」を聞いています。
2:「もし相違点がございましたら、お早めにご連絡をお願いいたします」
相違点は、「相違点がございましたら」といったフレーズでもよく使われます。内容に間違いはないか、認識の違いはないかを聞く時に、この例文を使ってみましょう。ちなみに、相違点がある・ないは、相違がある・ないと言い換えて使ってもOKですよ。
3:「A子とB子には相違点が多いが、10年来の友人だ」
上述の通り、相違点は「ある・ない」と一緒に使われることが多いですが、「多い・少ない」と一緒に使っても大丈夫です。例文では、A子とB子は趣味や好きなもの、経歴など違う点が多いけれども、仲が良いということがわかりますね。
類語や言い換え表現は?
相違点は、ビジネスシーンにはぴったりな言葉です。しかし、使い慣れていない場合には、とっさに相違点という言葉が出てこないかもしれませんね。そこでここでは、相違点の言い換え表現をいくつか紹介します。
1:差異
差異とは、「さい」と読み、意味は「他の物事と違う点」です。ある物事を他の物事と比べた時の異なる点をあらわします。「2人の実力に差異はない」「差異を明らかにする」などと使えますよ。
2:異同
異同とは、「異なっている点」という意味。読み方は「いどう」です。意味は難しくありませんが、異同のほかにも、移動や異動など、「いどう」と読む漢字はいくつかありますよね。文章であれば問題ありませんが、会話だともしかしたら違う言葉だと勘違いされるかも。使う時には、勘違いを生まないように注意しましょう。
3:齟齬
齟齬とは、「そご」と読みます。意味は、「物事が食い違うこと」。「計画に齟齬があります」「認識に齟齬はありませんか」などと使われます。
4:違い
類語として最後に紹介するのは「違い」です。日常会話でもよく使いますし、一番馴染みのある言葉なのではないでしょうか? 「違い」とは、「異なること」「間違い」という意味です。「契約内容に相違点はございませんでしょうか」は、「契約内容に違いはございませんでしょうか」と言い換えることができます。
対義語は?
次に、相違点とは反対の意味を持つ言葉を紹介しましょう。相違点は、「2つの物事の間の違うところ」という意味ですから、「2つの物事が一致する点」「共通している点」といった意味を持つ言葉が、反対の言葉として当てはまりそうです。
1:共通点
共通点は、普段から使い慣れている言葉ではないでしょうか? 共通点とは、「2つ以上の物事に関して、そのどれもが共通して持っている点」という意味。一方で相違点は、「2つのものの間の違う点」という意味でしたね。ですから、相違点と共通点は、全く反対の意味の言葉といえそうです。
2:一致点
一致点とは、「2つ以上の意見などが合うところ」「合致している点」。“似ている”ではなく、“ぴったり合うところ”を意味します。「私と上司の意見に、一致点はあるはずだ」「一致点を見出そう」などと使われますよ。
3:合致
合致も、相違点とは反対の意味を持つ言葉です。合致とは、「意見などがぴったり合うこと」。ただし、相違点」のように「点」という言葉は含まれていません。ですから、「合致する点」「合致するところ」などと、少し言葉を補ってあげるとより良いですね。
英語表現は?
相違点を英語で表現したい時には、どのような言葉を使えばいいのでしょうか? 海外の方とのやりとりで使える英語やフレーズを紹介します。
1:point of difference
相違点の英語表現は、「point of difference」です。もしくは、シンプルに「difference」でも意味が通じます。
<例文>
・There were points of difference in those contracts. (契約書に相違点があった)
・We made it clear where his opinion is different from her opinion.(私たちは、彼の意見と彼女の意見の相違点を明らかにした)
2:disagreement
「disagreement」とは、「不一致」「意見の相違」という意味の英語です。「一致しない」「意見が合わない」という意味の「disagree」の名詞表現になります。
<例文>
・There is a few disagreements between group A and group B.(グループAとグループBには意見の相違がある)
・I am in disagreement with my friend.(私は友達と意見が一致しない)
最後に
この記事では「2つの物事の間に違いがあること」という意味の相違点について解説しました。わかりやすくいうと、「違い」という意味ですが、ビジネスの場面では相違点を使った方が、よりプロフェッショナルな印象を与えられるでしょう。
また、相違点という言葉と一緒に、類語や対義語も紹介しています。相違点とあわせて覚えて、ぜひ語彙力をアップしてくださいね。
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