目次Contents
この記事のサマリー
・「齟齬がある」は、物事や認識がうまくかみ合わず食い違う状態を指す言葉のことです。
・使う場面は、事実・手順・見解などのずれを相手と共有し、すり合わせたいときです。
・齟齬を防ぐには議事録などを文章で起こし、相手に確認するのが効果的です。
「話が違う」と言いたいけれど、角が立つのは避けたい…。そんなときに耳にするのが「齟齬がある」という言葉ではないでしょうか?
すれ違いが起きた瞬間の一言、確認のメール、相手への配慮。ちょうどいい伝え方の匙加減を、例文と一緒に丁寧に見ていきましょう。
「齟齬がある」とは?
まずは「齟齬がある」の意味から確認しましょう。
意味
「齟齬がある」の「齟齬」は「そご」と読みます。意味は、食い違いが生じているということ。
「齟齬」の意味について、辞書では次のように説明されています。
そ‐ご【×齟×齬/×鉏×鋙】
[名](スル)物事がうまくかみ合わないこと。食い違うこと。
ゆきちがい。
「両者の意見に―をきたす」「計画が―する」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)

どんなときに「齟齬がある」を使う?
「齟齬がある」を使うのは、どのような場面でしょうか? 確認していきましょう。
「齟齬がある」を用いるのはどんな場面?
「齟齬がある」は、物事がうまくかみ合っていない、認識や見解に食い違いがある、という状態を示すときに用いることになります。
・実際の状況と、自分の認識が異なっていると伝えるとき
・自分と相手の認識や見解が異なっていることを伝えるとき
・連絡や情報の行き違いにより、トラブルが生じたとき
・当初の想定と現状がずれており、調整が必要だと伝えるとき、など
直接的に言い切ると角が立ちそうな場面でも、「齟齬がある」と表現すれば、相手を責めずに、食い違いの存在を共有できます。
ただし、文脈によっては「不満が含まれているのかな?」と受け取られることもあります。言い方だけで意図が決まるわけではないので、何がどう食い違っているのかを、事実ベースで添えるのが安心です。
「齟齬がある」の使い方を例文でチェック
「齟齬がある」をどう使うか、例文を通して紹介します。参考にしてくださいね。
「齟齬がある」の使い方と例文
以下に例文を列挙します。
▷相手と認識が食い違ったとき
・クライアントとの認識に齟齬があり、トラブルになってしまいました。
・担当者間で齟齬があり、いったん業務を中断しています。
▷遠回しに抗議するとき
・事前にうかがっていた内容と齟齬があるように思います。
▷行き違いが生じているとき
・当初の計画とは齟齬があります。
・両社の見解に大きな齟齬があると考えます。
「齟齬がある」を使う際の注意点について
「齟齬がある」を使う際、次のような使い方は避けることをおすすめします。知らずに誤った使い方をすると、相手の心象を損ねるという可能性も。「齟齬がある」は、次のことに注意して使うようにしましょう。
自分の確認不足や誤解には使わない
「齟齬がある」は、相手との認識違いや食い違いがある「状態」を表す言葉です。
そのため、自分の確認不足や誤解だけが原因の場面で使うと、聞き手によっては「責任をぼかしている」「言い訳に聞こえる」と受け取られることがあります。まずは非を認め、謝罪と対応を伝えるほうが誤解を生みにくいでしょう。
《NG例》
・私の認識に齟齬があり、今日が提出日だとわかっていませんでした。
このような場合は「申し訳ありません。私の勘違いで、今日が提出日だとわかっていませんでした。」と、原因を自分の側に置いて伝えるほうが自然です。あわせて、いつ提出できるかの目安も添えると、相手が次の判断をしやすくなります。

齟齬が生じる原因とは?
「齟齬がある」とはどのような状態かを知ると、それを避けたいと思う人もいるでしょう。ビジネスシーンにおいて、齟齬が生じる原因には何があるのでしょうか?
原因で多いのは、ミスコミュニケーション
齟齬が生じやすい原因としては、ミスコミュニケーションが挙げられます。話し手と聞き手の間で、情報がきちんと共有・確認されず、解釈違いが起きた場合に、齟齬が生じやすくなるでしょう。
ミスコミュニケーションは、次のような要因で起こるとされています。
・先入観や個人の価値観の介入により、情報の歪曲が生じる
・思い込みから、伝えるべき情報を省略してしまう
・人により解釈が異なる言葉を使い、相手がどのように認識したかを確認しない
上記のようなことがあると、それがミスコミュニケーションにつながってしまいます。
齟齬が生じることを防ぐには?
ミスコミュニケーションによる齟齬の発生を防ぐには、どのような対策をすればいいでしょうか?
▷伝える内容を、具体的にする
期日や納期を「10日頃」「16時頃」「来週中」という風にするのではなく、「9月10日16時まで」のように具体的にし、相手と共有します。他の情報についても、より具体的に示し、しっかりと相手と共有することが大切です。
▷議事録をとる
打ち合わせや相談の内容を議事録にするのも、ミスコミュニケーションを防ぐことになります。記録をすることで、その時の話の流れが明確になり、誤解や誤認識が減るでしょう。議事録については、後日相手と共有するといいですね。その際、相手の認識と異なる点があれば、その旨を伝えてもらうようお願いするといいでしょう。
▷伝えたことや、共有したことを都度確認する
多くの場合、言葉はイメージで認識していることが多いはずです。言葉のイメージは、人によって異なるため、解釈や認識に誤解が生じるということも。打ち合わせなどで使った言葉を、相手が同じ意味で解釈するとは限りません。そのことを意識して、都度解釈や認識の確認をすれば、ミスコミュニケーションが減らせるでしょう。

「齟齬がある」に関するFAQ
ここでは、「齟齬がある」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「齟齬がある」はどんな場面で使うのが自然ですか?
A. 認識や情報、手順などに食い違いが見つかったときに、相手を責めずに状況共有したい場面で使うと自然です。
Q2. 「齟齬がないか確認したい」と丁寧に伝える言い方は?
A. 「認識に齟齬がないかご確認いただけますでしょうか」「もし理解の齟齬がございましたらご指摘ください」などが使いやすいです。
Q3. 「齟齬がある」と「相違がある」はどう使い分けますか?
A. 「相違」は違い全般に広く使えます。「齟齬」は話や手順がかみ合っていない、進行に支障が出そうな食い違いに焦点が当たりやすい表現です。
最後に
「齟齬がある」はビジネスシーンでよく使われる言葉です。相手の認識や見解にある誤りをやんわりと指摘するニュアンスを含むため、使い方は間違えないようにしたいもの。そのためにも、「齟齬がある」の意味や読み方、適切な使い方をしっかりと把握し、うまく活用できるようにしておきたいですね。
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