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2023.08.04

「齟齬がある」の意味や読み方とは? 使い方から齟齬を防ぐ対策まで紹介

日常会話ではあまり使われない「齟齬がある」ですが、ビジネスシーンではよく使われます。「齟齬がある」は、人間関係の衝突を避けるために役立つことがありますので、意味や適切な使い方について知っておきましょう。

「齟齬がある」意味と読み方は?

「齟齬がある」という表現を見て、読み方や意味がすぐにわかるという人は少ないかもしれません。日常ではあまり使われませんが、ビジネスシーンではよく使われる表現です。

「齟齬がある」は、適切な使い方をすると、人間関係のトラブル回避に役立つことがあります。適切な使い方を知り、上手に活用したいですね。

まずは「齟齬がある」の読み方と意味をチェックしましょう。

「齟齬がある」の読み方は、「そごがある」

「齟齬がある」の「齟齬」について、辞書で調べてみたところ、次の意味と読み方であることがわかりました。

▷齟齬【読み方:そご】
物事がうまくかみ合わないこと。食い違うこと。ゆきちがい。
《デジタル大辞典》(C)Shogakukan Inc.より引用

「齟齬」はあまり見かけない漢字ですが、どちらにも「歯」が使われていますよね。「上下の歯がうまくかみ合わない」という意味から、「齟齬」という言葉が生まれたとされています。

「齟齬がある」は、「物事がうまくかみ合わない」や「意見が食い違っている状態」を意味する言葉です。

たくさんの吹き出し
(c)Shutterstock.com

どんな時に、「齟齬がある」を使う?

「齟齬がある」を使うのは、どのような場面でしょうか?

「齟齬がある」を用いるのはどんな場面?

「齟齬がある」は、次のような場面で用いることになります。

・実際の状況と、自分の認識が異なっていると伝える時
・自分と相手の認識や見解が異なっていることを伝える時
・想定していた事態と異なったため、遠回しに抗議をする時
・連絡や情報の行き違いにより、トラブルが生じた時

「話が違う」「相手の理解の仕方がおかしい」というようなことを相手に伝えたくても、率直に伝えるのは気が引けますよね。直接的な表現は、正しく意味を伝えてくれる反面、受け取り方によってはトラブルに発展するかもしれません。それはできる限り避けたいと思う人が多いはずです。

そのような場面で使われるのが「齟齬がある」。客観的で硬質な表現のため、遠回しに抗議をしているというニュアンスになります。自分だけに非があるわけではないということを、やんわりと伝えるのにも適していると言えるでしょう。

「齟齬がある」、実際の使い方とは?

「齟齬がある」をどう使うか、例文を通して紹介します。参考にしてくださいね。

「齟齬がある」の使い方と例文

以下に例文を列挙します。

▷相手と認識が食い違った時
・クライアントとの認識に齟齬があり、トラブルになってしまいました。
・担当者間で齟齬があり、いったん業務を中断しています。

▷遠回しに抗議する時
・事前にうかがっていた内容と齟齬があるように思います。

▷行き違いが生じている時
・トラブルが続いているため、当初の計画とは齟齬があります。
・両社の見解に大きな齟齬があると考えます。

「齟齬がある」を使う際の注意点について

「齟齬がある」を使う際、次のような使い方は避けることをおすすめします。知らずに誤った使い方をすると、相手の心象を損ねるという可能性も。「齟齬がある」は、次のことに注意して使うようにしましょう。

自分の確認不足や誤解には使わない

「齟齬がある」は、客観的に見て、相手との認識違いや食い違いがあることを表しますが、そこに自分自身のミスは含まれません。自分の確認不足や誤解が原因で生じたことに対して、「齟齬がある」と表現するのはNG。聞き手には「言い訳」と受け取られるかもしれません。

自分の確認不足や誤解が原因で生じたことについては、きちんと非を認め、謝罪するのが一般的。「齟齬がある」は使わず、素直に謝罪の気持ちを伝えるようにしましょう。

《NG例》
・私の認識に齟齬があり、今日が提出日だとわかっていませんでした。

自分の誤解によるミスなので、この使い方はNG。このような場合は「申し訳ありません。私の勘違いで、今日が提出日だとわかっていませんでした。」と素直に謝罪する方がいいですね。その際、いつ提出できるのかの目安も伝えるようにしてください。

パソコンの前で悩む女性
(c)Shutterstock.com

齟齬が生じる原因とは?

「齟齬がある」とはどのような状態かを知ると、それを避けたいと思う人もいるでしょう。ビジネスシーンにおいて、齟齬が生じる原因には何があるのでしょうか?

原因で多いのは、ミスコミュニケーション

齟齬が生じやすい原因としては、ミスコミュニケーションが挙げられます。話し手と聞き手の間で、情報がきちんと共有・確認されず、解釈違いが起きた場合に、齟齬が生じやすくなるでしょう。ミスコミュニケーションは、次のような要因で起こるとされています。

・先入観や個人の価値観の介入により、情報の歪曲が生じる
・思い込みから、伝えるべき情報を省略してしまう
・人により解釈が異なる言葉を使い、相手がどのように認識したかを確認しない

上記のようなことがあると、それがミスコミュニケーションにつながってしまいます。

齟齬が生じることを防ぐには?

ミスコミュニケーションによる齟齬の発生を防ぐには、どのような対策をすればいいでしょうか?

▷伝える内容を、具体的にする
期日や納期を「10日頃」「16時頃」「来週中」という風にするのではなく、「9月10日16時まで」のように具体的にし、相手と共有します。他の情報についても、より具体的に示し、しっかりと相手と共有することが大切です。

▷議事録をとる
打ち合わせや相談の内容を議事録にするのも、ミスコミュニケーションを防ぐことになります。記録をすることで、その時の話の流れが明確になり、誤解や誤認識が減るでしょう。議事録については、後日相手と共有するといいですね。その際、相手の認識と異なる点があれば、その旨を伝えてもらうようお願いするといいでしょう。

▷伝えたことや、共有したことを都度確認する
多くの場合、言葉はイメージで認識していることが多いはずです。言葉のイメージは、人によって異なるため、解釈や認識に誤解が生じるということも。打ち合わせなどで使った言葉を、相手が同じ意味で解釈するとは限りません。そのことを意識して、都度解釈や認識の確認をすれば、ミスコミュニケーションが減らせるでしょう。

握手をする
(c)Shutterstock.com

最後に

「齟齬がある」はビジネスシーンでよく使われる言葉です。相手の認識や見解にある誤りをやんわりと指摘するニュアンスを含むため、使い方は間違えないようにしたいもの。そのためにも、「齟齬がある」の意味や読み方、適切な使い方をしっかりと把握し、うまく活用できるようにしていきましょう。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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