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この記事のサマリー
・備忘録とは、あとで忘れないように事柄を記録しておくノートやメモのこと。
・「備忘録として残す」は自然な表現。メールや会話でも違和感なく使えます。
「備忘録」という言葉、見聞きしたことはあっても「ちゃんと説明できるか」と聞かれると、意外と曖昧なままになっているかもしれません。ビジネスメールやSNS投稿、ふとした会話の中で耳にする機会がある、「備忘録」という言葉。意味を取り違えたり、似た表現と混同して恥をかく前に、正しい知識と使い方を身につけておきたいものです。
本記事では、辞書的な定義から応用フレーズ、便利なツールまで、「備忘録」にまつわる情報を丁寧に解説していきます。
「備忘録」の意味とは? 「忘備録」との違いは?
まずは、「備忘録」という言葉の意味から確認していきましょう。
「備忘録」の読み方と意味
「備忘録」は「びぼうろく」と読みます。『デジタル大辞泉』(小学館)では、次のように定義されています。
びぼう‐ろく〔ビバウ‐〕【備忘録】
忘れたときの用意に用件などを書きとめておく帳面。メモ。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
つまり、「備忘録」とは、あとで忘れないように事柄を記録しておくノートやメモのことを指します。
特にビジネスシーンでは、会議の要点、タスクのメモ、個人的な覚え書きなど、自分のための記録として活用されることの多い言葉です。
筆者も以前、上司から「この件、備忘録として残しておいてね」と言われ、「正式な資料とは違うけど、記録しておいたほうがいいってこと?」と戸惑った経験があります。言葉の意味を理解しておくと、こうした場面でスムーズに対応できます。

「備忘録」と「忘備録」はどちらが正しい?
「備忘録」と「忘備録」、どちらも見かけるけれど、どちらが正しい表記なのか気になったことはありませんか? 結論から言うと、どちらも正しい表記です。辞書では次のように説明されています。
ぼうび‐ろく〔バウビ‐〕【忘備録】
「備忘録(びぼうろく)」に同じ。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「備忘録」の使い方と文例を紹介
ここでは、「備忘録」の使い方を例文とともに確認していきましょう。
「今回の会議内容は、備忘録として共有フォルダにアップしておきました」
「備忘録として共有」という表現は、正式な議事録ではないが、忘れないように記録しておいたメモを共有することを示しています。複数人での情報共有にも使える言い回しです。
「備忘録を作る習慣をつけたことで、仕事の抜け漏れが格段に減りました」
「備忘録を作る」という行動に焦点を当てた例文です。自分自身のタスク管理や情報整理に役立っていることが伝わるため、自己成長や業務効率化を語る場面に適しています。
「クライアントとの打ち合わせ内容を、備忘録にまとめておきました」
ここでは「備忘録=メモ」ですが、「まとめておく」という動詞とセットで使うことで、要点を整理した印象が伝わってきます。報告・連絡メールの一文にも使いやすい表現です。

「備忘録」はインスタやブログでどう使われている? カジュアルな文脈での応用
最近では、Instagramや個人ブログで「#備忘録」というタグを見かけることが多くなりました。例えば「最近読んだ本の備忘録」「旅行の備忘録」など、誰かに読んでもらうというより、自分のための記録として使われることが多いでしょう。
「備忘」とは?
「備忘録」という形ではよく見かけるものの、「備忘」だけで使われると、少し堅苦しく感じるかもしれません。では、「備忘」にはどのような意味があるのでしょうか? 辞書では以下のように定義されています。
び‐ぼう〔‐バウ〕【備忘】
忘れたときのためにあらかじめ用意しておくこと。
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
つまり、「備忘」とは「忘れたときのための用意」のことです。主に文章で使われ、「備忘のためにメールをお送りします」「備忘のために記録を残す」などといった形で使います。
英語で「備忘録」はどう表現する?
英語で「備忘録」を表すなら、“a notebook”や“a datebook”が使えます。以下に例文を紹介しましょう。
例文:I wrote down the project tasks in a datebook to keep track of them.
(仕事の備忘録として、プロジェクトのタスクを備忘録に書き留めました。)
おすすめの備忘録ツール・アプリとは?
「備忘録をつけなきゃ」と思いながら、そもそも書くこと自体を忘れてしまう—そんな人にこそ取り入れてほしいのが、アプリを活用した記録習慣です。
スマホひとつでいつでもサッと書き留められるのが魅力。特に忙しい毎日を過ごす人にとって、続けやすさは何より大切です。
以下のようなツールは、機能性・手軽さの面でもおすすめです。
Notion(ノーション)
自由度の高いカスタムページで、仕事とプライベートの備忘録を一元管理したい人にぴったり。
Evernote(エバーノート)
画像や音声も残せる多機能ノート。資料整理や会議メモにも強い。
Google Keep(グーグルキープ)
思いついたときにすぐメモできて、通知や色分け機能も便利。シンプル派におすすめ。
筆者自身も、日々のタスクや気づきをGoogle Keepに残す習慣を続けています。検索しやすく、スマホ通知でリマインドもできるので、「記録し忘れ」が激減しました。紙の手帳では続かなかった方にも、ぜひ一度試してみてください。

「備忘録」に関するFAQ
ここでは、「備忘録」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1:「備忘録」と「議事録」の違いは?
A:備忘録は「忘れないように事柄を記録しておくメモのこと」、議事録は「議事の内容・審議経過・議決事項などを記録したもの」です。目的が異なります。
Q2:「備忘録として残す」は口語として自然ですか?
A:一般的に使われています。
最後に
備忘録とは、見聞きした情報を忘れないように記録したメモを指します。会議や打ち合わせの際、気になったことや忘れたくないことを備忘録にするといいですね。備忘録の習慣が身につくと、ビジネスシーンでいろいろなことに役立ちます。要約力が向上するなど、メリットもありますので、ぜひ仕事に取り入れてみてください!
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