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ビジネスのメールやスピーチなどで使われる「つきましては」という言葉。「何気なく使ってしまっているけど、正しい意味は把握していない…」という方もいらっしゃるかもしれませんね。これを機に、「つきましては」の意味を覚えて、使い方をマスターしましょう!
「つきましては」とは?
ビジネスシーンでもよく耳にする「つきましては」。「つきましては」には意味が2つあり、それぞれ使い方も異なります。
1つ目の意味:したがって、よって
「つきましては(就きまして)」は、「ついては(就いては)」の丁寧な表現です。この場合は、接続詞として使われ、「したがって」「よって」「それだから」という意味。先に述べた事柄の結果として、後の事柄が起こることを意味します。
2つ目の意味:〜に関しては
2つ目は、「〜に関しては」「〜については」という意味。この場合は、「本件につきましては」などと、文中で使われます。
使い方を例文でチェック!
続いて、「つきましては」の具体的な使い方を一緒に見ていきましょう。「つきましては」を使うシーンとしては、「依頼・案内をするとき」「説明をするとき」「謝罪をするとき」「ビジネスメール」などです。
依頼・案内をするときの使い方
「つきましては」は、会社のスタッフやお客様、取引先などに何か依頼をするときや、案内をするときに使います。この場合は、1つ目の意味で紹介したように、接続詞として使いましょう。
<例文>
・9月に新商品を発売することになりました。つきましては、会員の皆様に商品のサンプルをお送りいたします。
・この度、新入社員の○○さんが当部署に配属することになりました。つきましては、歓迎会を実施しますので、ぜひご参加ください。
説明をするとき
資料や手続きの内容など、何かを説明するときにも「つきましては」を使えますよ。この場合は、「〜につきましては」などと、文中で使います。
<例文>
・企画の詳細につきましては、お手元の資料の4ページをご覧ください。
・申請方法につきましては、添付ファイルのご確認をお願いいたします。
謝罪をするとき
ビジネスの場面では、トラブルやミスなどにより、取引先やお客様に謝罪をするときがありますよね。そうしたときにも、「つきましては」を使うことができます。
<例文>
・この度は、商品に破損があったとのこと、深くお詫び申し上げます。つきましては、新しい商品を早急にお送りさせていただきます。
・先日はご足労いただいたにもかかわらず、不在にしており、大変失礼いたしました。つきましては、改めて打ち合わせの日時を設定させていただければと思いますが、来週のご都合はいかがでしょうか。
ビジネスメール
「つきましては」は、ビジネスシーンでのメールでも使うことができますよ。以下の例文を参考にしてみてください。
<例文>
・本件につきましては、一度社内で検討させていただきます。
・誠に勝手ながら、当企画につきましてはいったん保留とさせていただけないでしょうか。
「つきましては」を目上の人に使うのは失礼?
「つきましては」を上司や取引先など、目上の人に使ってもいいのか、疑問に思ったことはないでしょうか? 「つきましては」は、目上の人に使っても問題ありません。丁寧な表現であるため、むしろ好印象を持ってもらえることもあるでしょう。
ただし、できるだけ丁寧に言おうと、「つきましては」を多用してしまうと、「くどくて長ったらしい」とマイナスな印象を持たれてしまう可能性も。「つきましては」は、適度に使うようにしてくださいね。
「つきましては」と「おかれましては」の違いは?
「つきましては」と似た言葉に、「おかれましては」があります。「おかれましては」は、「おいては(於いては)」を丁寧にした言葉です。例えば、「○○様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」などと、相手に関連する事柄を表すときに使います。一方、「つきましては」は、人ではなく事象について使われることが多いです。
類語や言い換え表現は?
丁寧な印象を与える「つきましては」ですが、使い慣れていないと自信を持って使うことができないかもしれません。そこで、「つきましては」の言い換え表現を紹介しましょう。
1:従いまして
接続詞としての「つきましては」を言い換える場合には、「従いまして」が使えます。「従いまして」は、「つきましては」と同じく、前に述べた事柄の結果として、後の事柄が起こることを意味する言葉です。
例文:連日の大雨の影響により、道路状況が悪化しております。従いまして、商品のお届けに遅れが生じております。
2:〜に関しましては
文中で「つきましては」を使う場合、「〜に関しましては」に言い換えが可能です。「〜関しては」を使ってもOKですが、「〜に関しましては」の方が丁寧な印象になります。
例文:この件に関しましては、明日あらためてご連絡いたします。
英語表現は?
海外の方と英語でやりとりをする場合、「つきましては」をどう表現すればいいか迷いますよね。そこで、ここでは「つきましては」の英語表現を紹介します。
1:therefore
「therefore」は、「従って」「それゆえに」という意味。「therefore」は、フォーマルな場面で使われることが多いので、ビジネスシーンにぴったりな英語といえるでしょう。ただし、会話などでは、よりカジュアルな表現の「so」を使う方がいいかもしれません。
2:regarding
「regarding」は、「〜に関しては」「〜については」という意味です。「〜に関しては」というと、「about」の方が馴染みがありますよね。「regarding」も「about」も同じ意味ですが、「regarding」の方がかしこまった印象になります。
最後に
ビジネスでのメールやスピーチなどでも使われる「つきましては」について、詳しく解説しました。説明した通り、「つきましては」は、接続詞として使う場合と、文中で使う場合の2パターンがあり、それぞれ意味が異なります。
いずれにせよ、「つきましては」は丁寧な印象を与えるので、ビジネスシーンにはぴったりな表現です。まだ使い慣れていないという方も、当記事を参考にして、「つきましては」を正しく使えるようになってくださいね。
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