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「頭が下がる思い」ってどんな意味?
「頭が下がる思い」は、相手の行動や姿勢に対して深い敬意や感謝の気持ちを抱いている気持ちを表す言い回し。頭を下げる仕草に由来している言葉で、「心から感服している」「尊敬せずにはいられない」といった強いニュアンスが含まれます。
つまり、相手の行動や姿勢を強く尊敬しているときに用いるフレーズです。
アラサーが間違えがち!「頭が下がる思い」を使ってはいけないNG相手・NG場面

「頭が下がる思い」は謙虚な言葉ではありますが、使うべきではない相手や場面もあります。
アラサー世代がうっかり使いがちなNG相手と場面をチェックしていきましょう。
♦︎注意点:目上の相手にはそもそも使わない
そもそも目上の相手は、尊敬の念を抱き頭を下げる対象です。
そのため、わざわざ「頭が下がる思い」と言葉にして伝えること自体が、失礼にあたる場合も少なくありません。
目上の相手に対しては「感謝申し上げます」や「身が引き締まる思いです」などと別の言い方を用いたほうが無難でしょう。
♦︎注意点:相手の行動と言葉の重みのバランスを考慮する
「頭が下がる思い」は相手の行動や姿勢に深い敬意や感謝を表す言葉ですから、言葉の重みに比較して相手の行動が軽い場合にこのフレーズを用いると不自然で大袈裟な印象を与えます。
たとえば、相手がお茶を淹れてくれたことに対して「お茶を入れていただき、頭が下がる思いです」と言ってしまうと、皮肉や過剰な表現に聞こえやすいでしょう。
♦︎注意点:乱用すると形式的な美辞麗句に受け取られる
「頭が下がる思い」は感情のこもった言葉だからこそ、使い方によっては口先だけの美辞麗句だと受け取られがちです。
営業トークやマニュアル的な会話で多用すれば、形式的でうわべだけの印象を与える可能性が低くないことから、具体的な理由やエピソードがあるときにだけ使うよう心がけると良いでしょう。
「頭が下がる思い」がよく使われる場面

「頭が下がる思い」が自然な言葉として、よく使われている場面を解説します。
♦︎誰かの献身的な努力に対する賛辞
たとえば、ボランティア活動を30年以上続けている相手に対して「30年以上も継続していらっしゃるとは、頭が下がる思いです」などと、献身的な努力への賛辞として用いるのは自然です。
この場合には「自分にはとてもじゃないけれどできないけれど、素晴らしい取り組みを続けていて尊敬します」というニュアンスを含む深い賛辞です。
♦︎自分に尽くしてくれた相手への感謝
業務上で、自分に尽くしてくれた相手への深い感謝の言葉としても「頭が下がる思い」を使えます。
たとえば、仕事が終わらないときに深夜まで付き添ってくれた相手に対し「こんな時間まで付き合ってくれて、頭が下がる思いです」などと用いられています。
♦︎周囲からの支えに対するお礼
周りからの丁寧なサポートに対して、お礼を伝えたいときにも「頭が下がる思い」を用いることができます。
たとえば、感謝とお礼を伝えるスピーチで「皆さんの温かいサポートに、頭が下がる思いです」などと使われています。
「頭が下がる思い」の類似表現

「頭が下がる思い」の類似表現をチェックしておきましょう。相手や場面に応じて、言い換えるとコミュニケーション上級者に◎。
♦︎「感謝の念に堪えません」
式辞やスピーチに適している表現です。「頭が下がる思い」も公式の場で使える表現ではありますが「感謝の念に堪えません」のほうが格式のある印象を与えられ、感謝の気持ちとともに心が動かされたことを強調できます。
♦︎「敬服いたします」
フォーマルな場面にふさわしい表現です。
「敬服いたします」相手の人格や行動に尊敬の意を示す強いフレーズですので、「頭が下がる思い」に比べるとより丁寧で公的な印象を与えます。
♦︎「頭が下がります」
ビジネスメールでも使える言い回しで「頭が下がる思い」と非常によく似ていますが、より口語的な表現です。
丁寧な印象と感服の意味を込めた表現でやや定型的ではありますが「頭が下がる思い」と比べると柔らかい印象を与えます。
「頭が下がる思い」は大げさに聞こえやすい言葉
「頭が下がる思い」は美しい日本語ながら、日常会話で多用すると堅苦しいうえにわざとらしく感じられがちなのも確かです。
そのためビジネスシーンでも万能なフレーズとは言い難く、使う場面を選ぶ言葉だと心得ておきましょう。
「本当にありがたいです」「感謝の気持ちでいっぱいです」といった言葉では軽すぎると感じるときには使いやすい言い回しながらも、場面や相手によっては大げさにも聞こえやすい点には注意しましょう。
TOP画像/(c)Adobe Stock

並木まき
ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。