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「手のひら返し」とは?
「この前会った時はニコニコ楽しそうな態度だったのに、今日会ったら急に素っ気なくなった」「二人でいる時は誉めてくれたのに、自分がいない場で陰口を言われていた」などの経験はありませんか? 自分の身に覚えが無ければなおさら、裏切られた気持ちになりますよね。
そんな相手の態度は、「手のひら返し」といえるかもしれません。まずは、「手のひら返し」の意味から、一緒に確認していきましょう。
「手のひら返し」の意味
「手のひら返し」とは、「今までの態度を一変させること」「それまでと反対の評価をすること」を表す言葉です。「手のひら返しをくらったせいで、自分一人が罪を被ることになった」「手のひら返しの行動に、もはや言葉も出ない」のように使うことができます。
「手のひら返し」の語源
「手のひら」から「手の甲」へくるっと「返す」様子が、今までの態度や評価を逆転させるさまと似ていることから、このような慣用句が生まれたと考えられています。
「手のひら返し」の類語表現
「手のひら返し」は、「今までの態度や行動が正反対になるさま」を表します。似たような意味を持つ言葉には、どのようなものがあるでしょうか。例えば、「豹変(ひょうへん)する」「翻心(ほんしん)する」などが挙げられます。
「豹変する」とは、「人の態度や性格が急に変化すること」という意味で、「手のひら返し」と同じようなニュアンスで使われることが多いです。
「豹変」は、『易経』の中に出てくる「豹の毛が季節によって生え変わり斑模様が美しくなるように、君子も時代に応じて自己をうまく変化させる」という言葉から生まれたと言われています。しかし、現代では時間の流れにともなって、悪い意味で変化することを指す言葉に変化してしまったようです。
「翻心する」とは、「心を入れ替えたり、考えを改めたりすること」という意味があり、今までの考え方や評価が変化することを指します。しかし、「手のひら返し」のように相手への態度を変えるなど、ある人物に対しての態度が変わるときに使われることは少ないようです。あくまでも、自分の心の変化を表すときに使われます。
「手のひら返し」する人の特徴とは?
態度ががらりと変わる人とは、あまり関わりたくないというのが正直な本音なのではないでしょうか。実際に「手のひら返し」をする人には、どのような特徴があるのか紹介します。
1:損得勘定をする
「手のひら返し」をする人は、自分が損をすることをとても嫌がる傾向があります。そのため、自分にとって得があるなと判断した場合には良い顔をみせますが、得が無いと判断した場合には、とたんに対応を変えてしまうことも。
自分が得をするために相手を貶めることがあるため、「手のひら返し」をされた相手は、「裏切られた」と感じることが多いようです。
2:言い訳をする
自分の損得を考えて行動することの多い「手のひら返し」をする人は、言い訳も多くなる傾向があります。自分を正当化するために、言い訳を重ねて自分を守っているといえるかもしれませんね。
3:気分屋
その日の気分によって態度が変わる人も、「手のひら返し」をしがちな人の特徴のひとつ。「あの日はこう思ったけど、やっぱり違うな」と思ったり、虫の居所が悪かったりすると今までと全く違う態度をとることがあります。自分の気分によって相手を翻弄してしまうため、付き合う際には注意しなければなりませんね。
「手のひら返し」する人の心理とは?
「手のひら返し」は、相手に対して今までと全く違う態度をとるため、反感を買いやすいです。ではなぜ、人は「手のひら返し」をしてしまうのでしょうか。ここでは、「手のひら返し」をする人の特徴について迫ってみましょう。
1:承認欲求が強い
相手や場合によって「手のひら返し」をする人は、自分の都合を考えていることが多いです。つまり、自分の立場を良く見せて、認めてもらいために「手のひら返し」をしてしまっている可能性があります。
2:相手の気持ちに無頓着
「手のひら返し」をする人には、「この人に嫌われてもいいや」という気持ちが働いている場合が多いです。そのため、自分の都合を優先した行動をしてしまうことがあります。
3:自分の気持ちに正直
そもそも悪気なく「手のひら返し」をしているケースもあります。自分の気持ちに正直になっているだけで、相手を貶める意図があるわけではない場合も多いのです。
「手のひら返し」する人と上手く付き合っていくにはどうしたいいの?
「手のひら返し」をする人と一緒にいることで、自分に被害が及ぶこともあるかもしれません。「手のひら返し」をする人と上手く付き合っていくには、どうしたら良いのでしょうか。最後に、「手のひら返し」をする人への対処法を紹介します。
1:証拠を残す
「手のひら返し」とは、今までの態度を一変させることです。つまり、それまでの言動と矛盾した行動をしているということなので、予めメールのやり取りを保存しておくなどの証拠をとることで、対策することができますよ。
2:適度な距離感を保つ
そもそものトラブルを防ぐために、適度な距離感を保つように心がけましょう。また、相手を刺激しすぎないようにすることも大切なポイント。相手の意見を肯定しながらさりげなく流すことも効果的です。
3:周囲の人との関係を大切にする
もし「手のひら返し」をされても、自分への信頼が厚かったら立場が揺らぐことはありません。そのため、日頃から周囲との関係を大切にすることを心がけましょう。信頼関係を築いて、いざという時に備えておくと、安心することができますね。
最後に
「手のひら返し」とは、「今までの態度を一変させること」「それまでと反対の評価をすること」。誰しも自分が大切なので、中には「手のひら返し」をしてしまうことや、されてしまうことがあるでしょう。しかし、日頃から周囲の人との信頼関係を築くことで、不要なリスクを下げることができます。
周囲の人と良好にコミュニケーションが図れるように、日頃から意識していきたいですね。
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