目次Contents
この記事のサマリー
・「理不尽」とは、「道理に合わないこと」。
・類語には、「不条理」「不合理」などがある。
・職場では説明のない叱責や不公平な対応など、理不尽を感じる場面が多い。理由が示されないことがストレスの原因になる。
仕事で急に方針が変わったり、説明のない叱責を受けたりして、「それってちょっと理不尽じゃない?」と感じた経験はありませんか? モヤモヤするけれど、うまく言葉にできない… そんなとき、言葉にできると、自分の気持ちを整理したり、人に状況を説明したりしやすくなります。
この記事では、「理不尽」という言葉の意味や使い方を、辞書の定義に沿って確認していきます。
「理不尽」とは? 意味・使い方をわかりやすく解説
まずは、「理不尽」の意味から確認していきましょう。
理不尽の意味
「理不尽」とは「筋道の通らないこと」を指します。辞書では次のように説明されていますよ。
り‐ふじん【理不尽】
[名・形動]道理をつくさないこと。道理に合わないこと。また、そのさま。「―な要求」「―な扱い」
[派生]りふじんさ[名]
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
例えば、説明もなく責任だけを負わされる状況は、多くの人が「理不尽だ」と感じやすい場面でしょう。仕事や学校など、日常生活でもよく起こる感覚ですね。
「理不尽」の使い方と会話例
「理不尽」という言葉は、日常会話でも仕事でも「筋が通らない扱い」を受けたときによく使われます。例えば、事情説明がないまま叱責されたり、担当外の業務を突然押し付けられたりすると、多くの人がモヤモヤした気持ちを抱えやすいものです。
会話では次のような使い方が自然です。
「上司に理不尽に怒られてしまって、どう受け止めればいいのか悩んだ」
「説明のない評価には、少し理不尽さを覚えることもあるよね」
状況の理由のなさを伝えたいときに便利な表現です。

理不尽に感じる場面と、どう向き合うか?
理不尽さは、仕事・人間関係・家庭など、どんな場所でも突然訪れます。感じ方には個人差がありますが、多くの人が「説明のつかない不公平さ」にストレスを抱えてしまうものです。
ここでは、「理不尽な状況」を具体的に整理し、向き合い方を紹介します。自分の気持ちを整えたいときの手がかりとしてください。
仕事で感じる理不尽(上司・同僚・業務)
職場では、理不尽さを感じる場面が少なくありません。例えば、同じミスでも人によって注意の度合いが違ったり、理由の説明がないまま方針転換が求められたりすると、「筋が通らない」という感覚が生まれやすくなります。この記事を読んでいる方の中にも、上司からの急な叱責に戸惑った経験があるかもしれませんね。
こうした場面では、「なぜそう言われたのか」という理由が示されないことが、理不尽さにつながる大きな要因になります。反対に、理由を説明してくれれば、ある程度の納得感は得られるものです。
理不尽なことを言われたときの言葉の選び方
相手の発言に理由や筋道が見えないときでも、感情のまま反論してしまうと、状況がこじれてしまうことがあります。まずは「相手は何を伝えようとしているのか?」を落ち着いて確認する姿勢が大切です。
例えば、すぐに反発するのではなく、「ご指摘の意図がまだつかめておらず、もう少し詳しく伺えますか?」といった柔らかい言い回しを使うことで、対話の糸口が開けることがあります。
理不尽を受け流す・距離を置くための考え方
理不尽な言動に直面すると、強いストレスや無力感を覚えることがあります。ただ、そのすべてを自分の問題として抱え込む必要はありません。相手の言動が「道理に合わない」ものであれば、「相手の事情」と「自分の責任」を分けて考えることが大切です。
納得できない場面に出会ったときは、「これは相手の問題かもしれない」と一歩引いて捉えることで、心の余裕を取り戻せることがあります。

「理不尽」の言い換え・類語・対義語・英語表現
「理不尽」は強い響きを持つため、場面によっては別の語に置き換えることで、やわらかく気持ちを伝えられたりします。ここでは、類語や対義語、さらに英語表現を整理。会話やメールで言葉を選ぶ際の参考にしてみてください。
「理不尽」の類語
「理不尽」は「道理に合わない」「筋が通らない」という意味を持ちますが、似た語として「不条理」や「不合理」が挙げられます。
「不条理」と「不合理」、どちらも「道理に合わない」ことを意味します。「不条理」は、文章で使われることが多いでしょう。「不合理」は、特に思考や制度など実地の行動を伴う場面でよく使われます。例えば、「不合理な制度に反対した」といった具合です。
参考:『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)
「理不尽」の対義語
「理不尽」の対義語は、「道理にかなっていること」を表す言葉です。「正当」「合理的」「筋が通っている」「理に適う」などが挙げられます。
「正当な判断がくだされた」「説明の筋が通っていてわかりやすい」など、相手の行動や状況を肯定的に評価したいときに用いられます。
英語表現
「理不尽」に近い意味を表す英語としては、辞書では “unreasonable”、“unfair”、“absurd” などが用いられます。いずれも「理由に合わない」「不当である」といったニュアンスを持つ語です。
例:“The request seems unreasonable.”
(その依頼は理不尽に思えます。)
例: “That’s unfair.”
(それは不公平だよ。)

「理不尽」に関するFAQ
ここでは、「理不尽」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「理不尽」と「不条理」は同じ意味ですか?
A. どちらも「道理に合わないこと」を意味する、類語だといえます。
Q2. どんなときに「理不尽」と感じやすいのですか?
A. 説明がないまま叱責されたり、筋道の見えない対応をされたりすると、多くの人が理不尽さを覚えます。理由が示されないことが、モヤモヤの大きな要因です。
Q3. 「理不尽」のNGな使い方は?
A. 自分の都合が悪いだけの場面で用いると、「責任転嫁のように見える」「状況判断が甘い」など誤解を招くことがあります。
最後に
「理不尽」という言葉を正しく理解しておくと、職場や日常でモヤッとした気持ちを言語化して整理しやすくなります。道理に合わない状況を的確に捉えられれば、自分が抱えているストレスの正体にも気づけるはずです。
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