他言無用の意味は?
他言無用は、「たごんむよう」と読みます。秘密などを他人に漏らしてはならない、という意味です。口止めをする意味合いがあり、基本的に目上の人には使いません。
日常会話でも使いますが、主にビジネスシーンで使われることが多く、メールなどの文書でも使われます。
ここでは、他言無用の意味や使う場面についてみていきましょう。
目上の人には使わない
他言無用は、「内輪の話を他人に話してはいけない」という意味です。「他言」とは他人に秘密を漏らすという意味で、「してはいけないということ」「禁止」いう意味の「無用」と組み合わせ、「秘密を漏らしてはいけない」という意味になります。
他言無用は指示をするニュアンスがあり、目上の人には使わない言葉です。目上の人に秘密を守ることをお願いしたい場合は、次のように丁寧な言い回しにしましょう。
・他言無用にしていただきますようお願いいたします
・ご他言はお控えいただけますようお願いします
・ご内密にお願いします
他言無用を使う場面
他言無用を使うシーンに決まりはありませんが、主にビジネスシーンで使われます。ビジネスには対外的に秘密にする情報が多く、競合他社に機密情報が漏れると損害を被る可能性も少なくありません。
他言無用を使用するのは、次のような場面が挙げられます。
・重要な戦略について論議される会議
・新商品・サービスの開発
・契約交渉
・新商品・サービスの発表前
・従業員の個人情報
これらのシーンはどれも情報の機密性や秘密保持の重要性が高く、「ここで知った情報は外部に漏らさないこと」という他言無用の言葉が使われやすいでしょう。
他言無用の例文
他言無用は、主に機密情報や他社との契約内容、個人情報などを扱うビジネスシーンで使うことが多く、会話やビジネスメールで登場します。また、日常の場面でも秘密を守ってほしいときなどに使うことがあるでしょう。
ここでは、3つのシーン別に他言無用の例文をご紹介します。例文を参考にして、他言無用を使う文脈を把握してください。
日常の場面
・ここで見たり聞いたりしたことは、他言無用です。誰にも言わないでくださいね
・明日の誕生パーティーでのサプライズは、絶対に他言無用だよ
・彼女の良くない噂は他言無用です。これ以上広めないようにしてください
・この話は絶対に秘密なので、他言無用でお願いします
・これは家族しか知らない話なので、他の人には他言無用にしてください
・母の大事な花瓶を割ってしまったことは他言無用にしてほしい
ビジネスシーン
・新しい商品についての情報は、他言無用でお願いします
・今回の会議はこれにて終了となりますが、話し合った内容については他言無用でお願いします
・こちらの資料に書かれた内容は非公開のものですので、他言無用であることをご承知おきください
・プロジェクトは極秘で進めますので、内容は他言無用でお願いします
他言無用という言葉をそのまま慣用句として使わず、より丁寧にする方法もあります。
・ご他言は無用に願いいたします
・ご他言はお控えくださるようお願い申し上げます
ビジネスメール
件名:[重要] 新サービスに関する会議の報告
〇〇様
先日の新サービスに関する会議にご出席いただき、誠にありがとうございました。ご提案いただいたアイデアやご意見について、社内で検討させていただきます。
なお、新サービスの情報はまだ正式に発表されていないため、会議で話した内容については他言無用でお願いいたします。発表や発売に関する情報は、決定次第、改めてご連絡いたします。
ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
他言無用の類義語
他言無用にはよく似た言葉があります。一例として、以下のような言葉が挙げられます。
・秘密厳守
・内密に
・ここだけの話
・口外無用
・口外しないよう
・漏らさずに
・公にしないよう
それぞれニュアンスが異なるため、会話の流れや具体的な状況、文脈などに応じて適切なものを使うとよいでしょう。
ここでは、他言無用の類義語を3つ解説します。
秘密厳守
秘密厳守(ひみつげんしゅ)とは、 秘密を守ることを強く求めるときに使う言葉です。「厳守」は命令や約束などを厳しく守ることを示し、秘密を漏らさないことの強い意志を表します。
(例文)
・本日の会議で話す内容は機密情報が含まれているため、秘密厳守でお願いいたします
・プロジェクトの詳細は秘密厳守のため、誰にも口外しないでください
内密に
内密に(ないみつに)は、表沙汰にしないという意味です。情報や事実を秘密にしておくことを強調したいときに使います。「ご内密に」「内密にことを運ぶ」といった使い方をします。
(例文)
・本日の打ち合わせで決まった事項については、どうかご内密にお願いします
・新製品の開発はトップシークレットとして、内密に進められた
ここだけの話
ここだけの話は、秘密を守ってほしいという意味で使う言葉です。その場にいる相手だけに伝えたい内容を話す場合に、前置きとして使用します。
カジュアルな表現であり、家族や友人など親しい間柄で使われます。ビジネスシーンでも、打ち合わせの際に使うことで非公開の話であることを伝えられるでしょう。親密な関係性を与えることもできます。
(例文)
・ここだけの話ですが、新しい製品の開発はすでに始まっています
・ここだけの話だけど、〇〇さんの異動が決まったらしい
他言無用を使う場面に注意しよう
他言無用には、「秘密を漏らしてはならない」という意味があります。口止めをするニュアンスがあり、基本的に目上の人には使わない言葉です。使用したいときは、「他言無用にしていただきますようお願いいたします」など、丁寧な表現を使います。
他言無用には、秘密厳守や内密などの類義語が多く、一緒に覚えておくと便利です。使う場面や会話の流れ、状況などに合わせ、上手に使い分けましょう。
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