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2023.08.20

「無用の長物」って知ってる? 意味や読み方、類語・英語表現を徹底解説!

「無用の長物」とは、「役に立たない余計なもの・かえって邪魔になるもの」のこと。読み方は「むようのちょうぶつ」です。仏教で出家する際の制約が由来となってできたこのことわざ。本記事では「無用の長物」の由来や例文だけでなく、類語・英語表現についても解説していきます。

「無用の長物」ってどんな意味? 由来は何?

「無用の長物」ということわざを聞いたことがあるでしょうか? 日常生活で使うことはあまり多くないため、意味や読み方を知らない方も多いかもしれません。まずは「無用」と「長物」の意味を確認しておきましょう。由来も解説しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

無用の長物
(c)Adobe Stock

意味

「無用の長物」は「むようのちょうぶつ」と読みます。「長物」を「ながぶつ」「ながもの」と読まないように注意しましょう。「無用」とは、「役に立たない・無意味である」ことを意味します。そして「長物」とは、「長すぎて役に立たないもの」、転じて「余計なもの・無駄なもの」のことを表す言葉。

つまり「無用の長物」とは、あっても役に立たないものの。むしろかえって邪魔になるもののことを言います。例えば、ひとり暮らしなのに3個入りのマグカップをプレゼントされた時。そんなに使い道もなければ、収納する場所も取られてしまうため、数が多いという点でまさに無用の長物だと言えるでしょう。

由来

「無用の長物」は、仏教が由来と言われています。仏教では、出家する際に持って行ける荷物の数が決められていました。6個の所持を許された原始仏教と、18個の所持を許された大乗仏教に分かれており、それぞれ「六物(ろくもつ)」「十八物(じゅうはちもつ)」と呼んでいたそう。そしてそれ以外のものは「長物(じょうもつ)」と呼ばれ、余計なもの・無駄なものとされていました。

「無用の長物」は、この「長物(じょうもつ)」が元になって生まれたことわざなのだそうです。修行僧が必要以上に私物を所持することは、欲望にも繋がるために厳しい制限がされていたようですね。

「無用の長物」を使った例文を紹介

「無用の長物」は、役に立たない余計なものという意味でしたね。ここからは、実際にことわざを使った例文を紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

無用の長物
(c)Adobe Stock

1:ビンゴの景品で筋トレグッズをもらったが、運動嫌いな私には無用の長物である。

皆さんもこのような経験をしたことがあるのではないでしょうか? 景品でもらったはいいものの、自分には必要のないものだったなんてことはよくあることです。結局ずっと使わないまま、家に置きっぱなしになってしまうんですよね(笑)。

2:定期的に部屋の片付けをしないと、無用の長物だらけで散らかってしまう。

歳を重ねるにつれて、自分にとって必要なものが変わってきますよね。前まで残しておいたものも、いらないと感じる時がくるでしょう。しかし、片付けを後回しにしていると、どんどんものが増えていく一方で、必要なものですら見つからないなんてことになってしまいます。定期的に取捨選択をして、無用の長物を減らしていきたいですね。

3:プレゼントでもらった靴のサイズが合わず、結局履かずに無用の長物となってしまった。

どれだけ高価なプレゼントでも、自分のサイズや好みに合わなければ使わなくなってしまいます。靴や服などの身に着けるものは、なおさらでしょう。プレゼントには相手の気持ちが込められているため、実用的かどうかだけでは取捨選択できないものです。そのため、無用の長物となりやすいのでしょう。

4:せっかく持ってきたモバイルバッテリーの充電が切れて、無用の長物となった。

手軽に携帯を充電できるモバイルバッテリーですが、その充電がなくなってしまえばただの荷物です。便利グッズとして持ってきたものが、役に立たないだけでなく邪魔になってしまうこの状況は、まさに無用の長物だと言えるでしょう。

類語表現には何がある?

「無用の長物」の類語として「宝の持ち腐れ」を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、この2つは全く異なります。役に立たないものを所持している「無用の長物」に比べて、役に立つものや才能があるのにも関わらず、それを上手く発揮できていないのが「宝の持ち腐れ」です。よって、類語には当てはまらないため注意しましょう。「無用の長物」の類語表現には以下のようなものがあります。

無用の長物
(c)Adobe Stock

1:月夜に提灯(つきよにちょうちん)

明るい夜には提灯を灯す必要がないことから、「不必要なこと・無駄なこと」を意味することわざ。「無用の長物」に比べて、無駄な贅沢というニュアンスがあります。昔は月が明るい夜には提灯を灯さないのが当たり前とされていたそう。そのため、商人がお店の繁盛をアピールしようと提灯を灯す行為も、無駄な贅沢と捉えられていたのです。

2:独活の大木(うどのたいぼく)

身体ばかりが大きく、役に立たない人のことを「独活の大木(うどのたいぼく)」と言います。「うど」とは、ウコギ科の多年草のこと。若い芽は食用として使えるものの、成長すると高さ2メートルにもなり、食用としても建築資材・薪としても使えないそう。また「うど」が「空洞」のことを表し、空洞のある木は大木であっても柱に使えないことが由来だとする説もあります。

3:毒にも薬にもならぬ(どくにもくすりにもならぬ)

損にも得にもならず、あってもなくてもどちらでも良い存在のことです。「無用の長物」は、「かえって邪魔なもの」というニュアンスが含まれますが、このことわざにはそのような意味合いはありません。あくまでも、可もなく不可もなくというものに対して使う言葉でしょう。

「無用の長物」を英語で言うと…?

「無用の長物」の英語表現には、「useless object」と「a white elephant」があります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

1:useless object

「useless」は「役に立たない・無用」という意味です。それに「もの・物体」を表す「object」を繋げることで「無用の長物」と表現できるでしょう。「object」以外にも「useless tool(無用な道具)」「useless person(役に立たない人)」など、様々な単語と繋げて使うことができます。

2:a white elephant

直訳すると「白い象」となります。これは昔、タイの王様が気に食わない部下に白い象を贈ったという話が由来だそう。白い象は、王様だけが乗れる神聖な動物であり、部下は乗ることができませんでした。しかし、飼育には高額な餌代がかかるため、部下は乗れない象に多大な出費をしなければならず、そこから「白い象」が「役に立たない邪魔なもの」を表す言葉になったのだそうですよ。

最後に

皆さんの身の回りにも、おそらく無用の長物となっているものがあるでしょう。取捨選択をして整理しておかないと、どんどん不要なものが溜まってしまいます。日頃からこまめに部屋を片付けて、必要な物と不要なものを分けておくと、無用の長物も減らすことができるのではないでしょうか。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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