この記事のサマリー
・「気は心」は、「額や量は少なくても真心をこめている」という意味です。
・わずかな贈り物でも誠意が伝わるというような場面で使います。
・類語には、「志は木の葉に包め」「塵を結んでも志」などがあります。
「気は心」という言葉は、贈り物やちょっとした配慮を添える場面で、何気なく使われています。ただ、意味を曖昧に理解したまま使うと、相手に伝えたい気持ちとずれて受け取られてしまうこともあるでしょう。
この記事では、「気は心」の意味と使いどころを、整理しながら確認していきます。
「気は心」とはどういう意味?
まずは、「気は心」の意味を確認し、言葉の軸を整理します。
「気は心」の基本的な意味
「気は心」とは、額や量は少なくても、真心がこもっていることを表す言葉です。贈り物や心づけの場面で、わずかであっても誠意を示したいという気持ちを伝えるために使われます。
辞書では次のように説明されていますよ。
気(き)は心(こころ)
額や量は少ないが、真心をこめているということ。贈り物をするときなどにいう言葉。「―ですから、少しだけ値引きします」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
金額や分量そのものではなく、相手を思う気持ちに重きが置かれている言葉だといえます。

どんな場面で使われてきた言葉?
「気は心」は、少しでも相手への誠意を形にしたい場面で使われてきた表現で、江戸期の文献にも用例が見られます。
「僅かなお金も気は心、どうかして上げたいと」(歌舞伎・三題噺高座新作より)という用例が示すように、相手を気遣う心情を補足する役割を担ってきました。
現在でも、贈り物や値引きの際に「気は心ですから」と添えられることがありますね。多くを与えられない状況でも、気持ちは込めていると伝えるための表現として使われています。
参考:『日本国語大辞典』(小学館)
「気は心」の使い方と注意点
意味がわかっても、「この場面で使っていい?」と迷うことは少なくありません。ここでは、具体的な使いどころを例文とともに見ていきましょう。
「気は心と言いますし、〇〇さんにはいつもお世話になっておりますので、ほんの少しではありますが、お値下げいたしますね」
「気は心」は、昔から使われてきた慣用句です。「〜と言いますし」とあわせて使うことで、柔らかな印象を与える言い回しになります。「少しですが」「気持ちばかりですが」などと同様に、少額でも誠意を添える言い回しとして使われますよ。
「恋人へのプレゼントに悩んでいるなら、手紙にしたらどうかな? 高価なものよりも、気持ちがこもっているプレゼントは喜ばれると思うよ。気は心だよ」
プレゼントに限らず、日頃の感謝やお祝いの気持ちを伝えるとき、「気は心」は自然に気持ちを添える役割を果たしてくれます。豪華さよりも、気持ちを大切にしたい場面に向いている表現です。

「あの人の態度には、ほとほと呆れてしまった。気は心と言うが、彼女の対応にはそれが感じられなかった」
誠意や気遣いが言動に伴っていない場合、「気は心」という言葉は皮肉として使われることもあります。
類語や言い換え表現は?
ここでは、近い意味を持つ言葉を紹介していきます。
「志は木の葉に包め」
贈り物がごくわずかなものであっても、真心があれば立派な贈り物になるという意味です。形より気持ちを大切にするという考え方が、「気は心」に通じています。
同じ意味を持つ言葉として、「志は松の葉」もありますよ。
「塵を結んでも志」
少しの贈り物でも、贈る側の誠意が感じられれば、それは立派な「志」として受け取られるという表現です。
「志は髪の筋」
どんなにわずかなものでも、相手の誠意や気持ちは汲み取るべきという考え方を表しています。受け取る側の姿勢にも重きがある言葉です。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
対義語は?
「気は心」のように誠意や思いやりを示す言葉がある一方で、それとは対極の意味を持つ言葉もあります。
「ないがしろ」
相手を軽んじたり、無視したりすることを指します。真心とは逆の態度を表す言葉です。
「スルー」
相手の言動や気持ちを取り合わず、受け流してしまう様子を表します。形としては無視に近く、気遣いを欠く状態です。

「おざなり」
その場しのぎで、心のこもっていない対応をすることを意味します。誠意のない態度として使われる場面が多い言葉です。
「なおざり」
「おざなり」と似ていますが、「無関心で放置する」ようなニュアンスが含まれます。どちらも、心を込めることとは正反対の意味を持ちますね。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
「気は心」に関するFAQ
ここでは、「気は心」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1:「気は心」の意味は?
A:額や量が少なくても、真心がこもっていれば十分という意味です。
Q2:「気は心」はどんな場面で使えるの?
A:贈り物や心づけ、ささやかな値引きなどに気持ちを添えたいときに使えます。
Q3:「気は心」に似たことわざはありますか?
A:「志は木の葉に包め」「塵を結んでも志」などが挙げられます。
最後に
「気は心」は、少しの贈り物や気遣いの中に、相手への誠意を込める言葉です。形ではなく、気持ちを伝えたいときにこそ使えます。
言葉の意味と背景を知ることで、自分の思いを丁寧に届けられるようになります。日々のやりとりの中で、心を添えたい瞬間があれば、ぜひこの表現を思い出してみてください。
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