目次Contents
この記事のサマリー
・「伝わる」は、話や情報が相手に届く状態を表す言葉です。
・気持ち、文化、音、熱、伝統などにも「伝わる」は使えます。
・「伝える」は知らせる行為、「伝わる」は届いた結果を表します。
「伝わる」は、日常会話でもビジネスシーンでもよく使う言葉です。けれど、「伝える」とどう違うのか、どんな場面で使えるのかを問われると、迷う人も多いかもしれません。
気持ち、情報、文化、音や熱など、実は幅広い場面で使われる表現です。言葉の奥行きを知ると、会話や文章の受け止め方も変わってきます。
この記事では「伝わる」について見ていきましょう。
「伝わる」の意味
「伝わる」は、話や情報が相手に届くことを表す言葉です。「意向が伝わる」「避難命令が伝わる」「うわさが伝わる」のように、人から人へ情報が広がる場面で使われます。
また、「この地に伝わる伝説」「代々伝わる家宝」のように、昔から受け継がれて今に残ることも表します。「西欧の文化が伝わる」のように、よその土地から入ってくる意味で使われることもあります。
さらに、熱・音・電気などが届く場合や、「緊張した空気が伝わる」「気持ちが伝わる」のように、雰囲気や思いが感じ取られる場合にも使われます。
文脈によって、何がどこからどこへ届くのかを意識すると、意味を捉えやすくなりますよ。
辞書では次のように説明されています。
つたわ・る〔つたはる〕【伝わる】
[動ラ五(四)]
1 話などが一方から他方へ通じて広がる。情報が人から人へと知らされる。「こちらの意向が先方へ―・る」「避難命令が―・る」「うわさが―・る」
2 昔から受け継がれて、今に至る。代々受け継がれて残る。「この地に―・る伝説」「当家に代々―・る家宝」
3 海外など、よその土地から入って来る。伝来する。もたらされる。「ポルトガルから―・った食物」「西欧の文化が―・る」
4 熱・音などが、ある道すじを通って他方へ届く。「壁を―・って聞こえる音」「電流が―・る」
5 何かを仲だちにして、雰囲気などが感じ取られる。「緊張した空気が―・る」「気持ちの―・ってくる贈り物」
6 物に沿って移動する。つたう。「屋根を―・って忍び込む」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「伝わる」の英語表現とは?
英語で「伝わる」を表すときは、日本語の「伝わる」を一語で置き換えるのではなく、文脈に合わせて表現を選ぶ必要があります。
うわさや情報が広がる場合は “spread”(広がる)、情報や意図が相手に届く場合は “be conveyed”(伝えられる、伝達される)や “be transmitted”(伝達される)が使われます。音や電気などが伝わる場合は “travel”(伝わって進む)を使うことがあります。
感情が伝わる場合は、“feel”(感じる)を使って「相手の悲しみを感じる」のように表すことができます。家宝や伝統が受け継がれる場合は “be handed down”(受け継がれる)、文化や技術が入ってくる場合は “be introduced”(伝来する、導入される)が使われます。
「伝わる」は英語にすると文脈ごとに表現が変わるため、何がどのように届くのかを考えて選ぶと自然です。
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)

「伝わる」と「伝える」はどう違う?
「伝わる」と「伝える」は似ていますが、意味の重点が異なります。「伝える」は、自分から相手へ知らせる行為を表します。一方の「伝わる」は、話や情報、気持ちなどが相手に届いた状態を表します。
「伝えたつもりなのに伝わっていなかった」という言い方ができるように、知らせる行為と、相手に届く結果は同じではありません。ここでは、「伝わる」と「伝える」の違いを整理します。
「伝わる」と「伝える」の違い
「伝える」は、言葉や行動で相手に知らせる行為、伝達を表します。一方の「伝わる」は、話や情報、気持ちなどが相手に届くことを表します。
例えば、「部屋の奥にいる同僚に向かって、外出する旨を伝える」という場合は、自分が相手に知らせる行為に重点があります。ただし、相手が聞き取れなかったり、内容を理解していなかったりすれば、「伝えたが、伝わっていない」状態になります。
「主人公の気持ちが伝わったのだろう。彼女は涙を流している」という場合は、主人公の気持ちが彼女に届き、何らかの形で受け止められたことを表します。「伝わる」は、必ずしも双方向のやりとりを指すのではなく、相手に届いた結果に重点がある表現だといえるでしょう。
上手に伝わる話し方のポイントは?
自分の意図や気持ちを相手に届けるには、「何を伝えたいのか」を整理し、相手が受け取りやすい言葉や順番で話すことが大切です。親しい相手ほど「言わなくても分かってくれる」と思いがちですが、気持ちや考えは言葉にしなければ届きにくいこともあります。
すれ違いや誤解を防ぐためにも、相手に伝わりやすい話し方を意識しておくと安心です。会話だけでなく、会議、プレゼンテーション、メール、チャットなど、仕事の場面でも役立ちます。
伝えたいことを明確にしておく
話す前に、「相手に何を理解してほしいのか?」を一つに絞っておくことが大切です。伝えたいことが多いほど、話の焦点はぼやけやすくなります。
依頼なのか、報告なのか、相談なのかによって、最初に伝えるべき内容も変わります。結論を先に示し、そのあとに理由や背景を添えると、聞き手は話の目的を追いやすくなります。

難しい言葉を使わない
難しい熟語や専門用語を多く使うと、相手が意味を追うことに意識を取られ、肝心の内容が伝わりにくくなることがあります。相手に何かを伝えたいときは、できるだけ平易な言葉で、要点をシンプルに表現することが大切です。
専門用語を使う必要がある場合は、相手がその言葉を知っているかを考えましょう。必要に応じて短い説明を添えると、誤解を防ぎやすくなります。
まどろっこしい表現はしない
前置きが長くなると、聞き手は「結局、何を伝えたいのか」をつかみにくくなります。特に仕事の場面では、結論が見えないまま説明が続くと、相手に負担をかけてしまうことがあります。
伝えたいことがあるときは、まず結論を述べ、そのあとに理由や背景を添えるといいでしょう。「ご相談したいことがあります」「結論から申し上げると、今回は見送りたいです」のように話の目的を先に示すと、相手が内容を受け取りやすくなりますよ。
相手の様子をうかがう
話に集中していると、相手の反応に気づきにくくなることがあります。相手に伝わる話し方を考える上では、自分が話し切ることよりも、相手が理解しながら聞けているかを確認することが大切です。
相手の表情や相づちが少ないときは、説明を続ける前に「ここまでで分かりにくい点はありますか?」と確認してみましょう。
話が伝わりにくい理由と改善方法
「伝えたいことはあるのに、うまく言葉にできない」と感じる人もいるでしょう。ただし、伝わりにくさは性格だけで決まるものではありません。話す順番や言葉の選び方、相手の反応の確認の仕方を見直すことで、伝わり方は変えられます。
ここでは、相手に伝わりにくくなる場面を整理し、改善のヒントを見ていきましょう。
必死になって聞き手を見る余裕が無い
「上手に伝えなければ」と焦ると、話すことに意識が向きすぎて、相手の反応を見る余裕がなくなることってありますよね。相手が理解しているかを確認しないまま話し続けると、一方的な説明になってしまいます。
伝わりやすくするには、要点ごとに一度区切り、相手の表情や反応を確認しましょう。「ここまでで分かりにくい点はありますか?」と声をかけるだけでも、認識のずれを防ぎやすくなりますよ。
結論が後回し
自分の中では結論がはっきりしていても、前提や背景から話し始めると、相手は「何についての話なのか?」をつかみにくくなります。特に仕事の場面では、結論が後回しになるほど、相手の理解に負担がかかります。
まず「結論から言うと」「相談したいことは」「お願いしたいことは」のように話の目的を示し、そのあとに理由や背景を添えると、内容が伝わりやすくなります。
自分に自信がない
話す内容に不安があると、声が小さくなったり、結論を後回しにしたくなってしまいますよね。その結果、相手が要点をつかみにくくなってしまうケースがあります。
ただし、「自信がないから伝わらない」と決めつける必要はありません。まずは、伝えたいことを一つに絞り、短い言葉で結論を示すことから始めると、相手に届きやすくなります。

「伝わる」に関するFAQ
ここでは、「伝わる」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「伝わる」とはどういう意味ですか?
A. 「伝わる」は、話や情報、気持ち、作用などが一方から他方へ届いたり、広がったりすることを表します。人の思いが感じ取られる場合だけでなく、伝説や家宝が受け継がれる場合、文化がよその土地から入ってくる場合にも使います。
Q2. 「伝わる」と「伝える」の違いは何ですか?
A. 「伝える」は、自分から相手へ知らせる行為を表します。一方、「伝わる」は、その内容や気持ちが相手に届いた状態を表します。
Q3. 「気持ちが伝わる」はどんな場面で使いますか?
A. 言葉、表情、態度、贈り物などを通して、相手の思いや感情が感じ取られる場面で使います。「感謝の気持ちが伝わる」「緊張が伝わる」のように、目に見えない感情や雰囲気が相手に届いたときなどに自然な表現です。
最後に
「伝わる」は、言葉や情報だけでなく、気持ちや雰囲気、文化や伝統にも使える表現です。誰かに何かを届けたいときは、うまく話そうと力むより、まずは何を届けたいのかを整理してみるといいですね。
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