【目次】
・「申し伝える」の意味とは?
・使い⽅を例⽂でチェック
・類語はどのようなものがある?
・英語表現とは?
・最後に
「申し伝える」の意味とは?
ビジネスシーンでよく使われる、「申し伝える」という言葉ですが、あなたは正しく意味を理解していますか? どんな場面でどんな相手に対し使えるのか、間違えてしまうと恥ずかしい思いをすることも。本記事では、そんな「申し伝える」の意味や、ビジネスで使う際の注意点、具体例を用いた使い方や類語を解説していきます。
意味
「申し伝える」は、「言い伝える」の謙譲語にあたり、「取り次いで申し上げる」という意味になります。誰かからの伝言を、「目的の相手に伝えること」「言葉を取り次ぐこと」という意味で用いられ、ビジネスシーンでは電話応対などで、とりわけ多く使われますよね。
ビジネス等で使う時の注意点
「申し伝える」は、「言い伝える」の謙譲語にあたると上述しましたが、目上の相手や取引先などの伝言を、自分の身内や同僚などに伝える際に使える表現です。
たとえば、取引先から部長宛てに電話があり、部長が不在のため、あなたが代わりに受けたとします。相手から、「では、○○部長に『折返しお電話をください』と伝えてください」と伝言を依頼された場合、「部長の○○に申し伝えます」という返答が正しい使い方になります。
あなたが相手に伝言をお願いする場合には、「○○様に申し伝えください」というのは誤りで、「○○様にお伝えください」といった表現になりますので、気をつけてくださいね。
使い⽅を例⽂でチェック
具体的な例文を用いて、使い方をチェックしていきましょう。
1:「かしこまりました。部長の○○が戻り次第、申し伝えます」
取引先からの電話で、指名された担当者が不在だった時などに、相手から伝言を受けた場合に使える表現です。ビジネスでは、不在中に受けた取引先や上司からの電話などは折り返すことが一般的ですので、「○○が戻り次第折り返すよう申し伝えます」などの表現もよく使われます。
2:「先日ご提案いただいた件を、担当者の○○へ申し伝えましたところ、ぜひ詳しくお話を伺いたいとのことなので、今週にでもお時間を頂戴することは可能でしょうか」
「申し伝える」は、電話だけでなくメールでも使うことができます。上記の例は、取引先からの提案内容を、社内の別の担当者に伝えた際の表現です。このように、会話の中に第三者が出てくる際は、尊敬語と謙譲語を上手に使い分けることがポイントですね。
3:「本日は貴重なお時間をありがとうございました。オフィスへ戻りましたら、○○にも申し伝えておきます」
「申し伝える」は、対面でも使用可能です。取引先との打ち合わせが終わる際に、社内の(今この場にはいない)担当者へ伝えておきます、と言いたい時は、上記のようなフレーズが使えますね。
類語はどのようなものがある?
「申し伝える」の類語をいくつか見ていきましょう。
1:「申し上げる」
「申し上げる」は、「言う」の謙譲語にあたります。「申し伝える」も「申し上げる」も、どちらも謙譲表現になりますが、「申し上げる」には、「伝える」という意味合いは含まれていません。
2:「伝え申す」
「伝え申す」は、「申し伝える」と非常によく似た言葉ですよね。「伝え申す」は「申し伝える」と同様に「伝える」という意味で、謙譲表現になります。ほとんど同じ意味の言葉にはなりますが、現代においては、「申し伝える」の方が一般的に使われる敬語表現です。
3:「申しつける」
「申しつける」もまた、「申す」を含んだ言葉ですが、意味は「言い渡す、命令する」となります。「申し伝える」とは意味も使い方も異なりますので注意しましょう。ホテルやレストランなどで、「何かご要望がありましたら、何なりとお申し付けください」といったように使われることが一般的になっています。
英語表現とは?
「申し伝える」の謙譲表現は英語には存在しないため、「知らせる」や「伝える」といった意味のフレーズを用いて表現します。“let ○○ know”は「○○に知らせます」という意味で、“pass the message on ○○”は、「そのメッセージを○○に伝えます」という意味です。どちらもビジネスシーンではよく使う表現ですので、覚えておくと重宝するでしょう。
“I’ll let him/her know about the delay of the meeting.
(会議の遅延について、彼/彼女に申し伝えます)
“I’ll pass the message on him/her.
(彼/彼女にその伝言を申し伝えます)
最後に
「申し伝える」という言葉の使い方は、よく理解できましたか? 話の中に第三者が登場すると、尊敬語を使うべき相手と、謙譲語を使うべき相手を間違えやすいですが、きちんと理解し、上手に使い分けましょう。正しい敬語を使えることで、相手の印象もぐっと良くなります。
社会人になりたての頃は、電話を受ける機会が多いと思いますので、「申し伝える」という言葉は必須フレーズです。恥ずかしい思いをしないように、これを機にしっかりと覚えておきましょう。
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