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忙しさが続いて、心にも体にも余裕がなく、「なんだかもう限界かも…」と感じることは、誰にでもあるものです。そんな状況を、ひと言で表せる言葉が、「気息奄々」です。
少し難しく感じるかもしれませんが、意味を知っておくと、自分の状態を伝えたり、文章に深みを加えたりするときに役立ちますよ。この記事では、「気息奄々」の意味や使い方を、例文を交えて紹介します。
「気息奄々」とはどんな言葉? 読み方と意味を確認
「気息奄々」について、まずは基本となる読み方と意味を確認しましょう。この言葉がどのように成り立っているのかを知ることで、場面に合った使い方が見えてきますよ。
「気息奄々」読み方と意味
「気息奄々」は、「きそくえんえん」と読みます。辞書で意味を確認しましょう。
きそく‐えんえん【気息×奄×奄】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
[ト・タル][文][形動タリ]息が絶え絶えになって、今にも死にそうなさま。また、物事が今にも滅びそうな状態にあるさま。「不景気で―としている企業」
「気息奄々」は、呼吸もままならないほど衰弱した状態を表す言葉です。人や国家、思想の衰えを印象づける表現として使われます。

「気息奄々」の語句に込められた意味
「気息」は呼吸の意味で、「奄奄」は息も絶え絶えである様子や、生気のない様子を意味します。これら二つを合わせ、呼吸が弱まり、かすかな息しか残っていないような状態を表します。
今にも死にそうな状態を指す表現として使われ、比喩的に国家や家、思想などが苦しい状態を表すようになりました。
参考:『日本国語大辞典』(小学館)
「気息奄々」は、どんなときに使う? 例文で確認
言葉のイメージをつかむには、実際の使い方を見るのが一番です。「気息奄々」を織り込んだ例文を見ていきましょう。
「連日の激務に、気息奄々だ」
この例文では、連日続く仕事や会議、睡眠不足などが重なって、体力も気力もほとんど残っていない状態を「気息奄々」で表しています。
目に見える疲れだけでなく、言葉にしにくい精神的な消耗も伝えることができますよ。

「業績悪化で気息奄々の状態だ」
個人やチームだけでなく、組織の経営が思わしくないときにも、「気息奄々」を使います。
業績が伸び悩み、会議も重い雰囲気だった。そんな状況を「気息奄々」で表せば、会社の停滞感が伝わります。
似た意味の言葉とどう違う?「気息奄々」の類語や言い換え表現を紹介
言葉の意味を深く知るには、近い意味の言葉と比べるのもおすすめです。類語を並べてみると、「気息奄々」の特徴が見えてきますよ。

「虫の息(むしのいき)」
「虫の息」は、命が尽きそうなほど衰弱した人の状態をたとえた言葉です。呼吸もかすかで、今にも倒れそうな様子を表します。
参考:『使い方の分かる 類語例解辞典』(小学館)
「疲弊(ひへい)」
「疲弊」は、心身がすっかり弱ってしまうこと、または経済や組織などの体力が失われてしまう状態を指します。
例えば、「神経が疲弊する」といえば、精神的な消耗を、「財政が疲弊する」といえば、経済活動の衰退を意味します。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
最後に
「気息奄々」という表現は、やや硬い印象はありますが、文章に取り入れると状況の深刻さが伝わりますよ。ニュースや読み物の中で出会ったときに意味を理解できると、語彙の引き出しが豊かになりますね。
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