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2024.02.17

「火の車」とはどういう状態? 由来や使い方、言い換え表現を解説

「火の車」とは、経済状態が極めて厳しいこと。主に家計、また商売などの経営が苦しいことを表します。「我が家は火の車」などと聞いたことがある人も、きっと多いでしょう。本記事では「火の車」の正しい意味や使い方のほか、類語や英語表現についても解説します。

「家計が火の車で大変…」なんてセリフを、耳にしたことのある人は多いでしょう。その中で出てくる「火の車」とはどういう状態を指すのでしょう? 意味や由来、使い方や言い換え表現について、確認していきましょう。

「火の車」の意味

「火の車(ひのくるま)」とは、経済状態がとても厳しいという意味です。家庭なら家計が厳しい、商売など自営業なら経営が苦しい、資金繰りが厳しい、ということですね。

必要なお金が足りなかったり、集まらなかったり、借金をしているなど差し迫った状況を表しますので、気軽に使う言葉ではないことは覚えておきましょう。また会社経営には基本的には使いません。使うとすれば家計に例えて、ということになりますが、それは例外的です。

(c) Adobe Stock

「火の車」の由来

「火の車」は「火車(かしゃ)」を訓読みにしたものです。この火車とは仏教に由来する言葉で、亡者を乗せて地獄に運ぶという、火の燃えている車のこと。獄卒(地獄の悪鬼)が、生前悪事を働いた者をこれに乗せ、厳しくとがめ、責め立てながら地獄に運ぶとされています。

鬼に責められながら燃える車に乗って地獄へ向かうという、苦しい状況を例えた慣用句なのです。「火の車」とは、まさに地獄絵巻。いかに厳しい状態か、この由来からも知ることができますね。

使い方を例文でチェック!

できれば使いたくはない「火の車」という言葉ですが、使うとすればどのような場面で用いるといいのでしょうか。例文とともに解説しましょう。

1:「我が家の家計は火の車」

最も一般的な使い方です。何らかの理由で働けなくなったり、ローンや借金、子どもの教育費など理由はさまざまありますが、家計が厳しい、生活が苦しいというときには、いずれも火の車という表現が使われます。

2:「食べ盛りの子が3人もいるから台所は火の車だよ」

育ち盛りの子どもがいたり値上げなどで食費がかさむと、家計に直結しますよね。ゆえに、「我が家の家計は火の車」「台所は火の車」と表現することもよくあります。そう深刻ではない場合、食費が大変! という意味でグチに近い使われ方をすることも多いでしょう。

3:「火の車になる前に相談に行ったほうがいいよ」
「火の車になってからでは遅いよ」

相手の家計を心配してのアドバイスで、「このままでは火の車になるよ」と強く懸念している状態です。

4:「月末は火の車なんだから誘わないでね」

「月末にはお小遣いなど、自分の自由にできるお金がなくなる」ということを、火の車に例えた言い方。深刻度は低そうです。

(c) Adobe Stock

5:「彼は見栄を張っているけど、実は火の車だよ」

ブランド物に身を包み、美食や旅行を楽しむ。一見すると憧れのライフスタイルに見えても、「実は生活は苦しいらしい」というのは、時折あるようで…。

6:「店主が投資に失敗して、内情は火の車らしい」

個人商店などにも、「火の車」を使うことができます。従業員のいる会社経営には、基本使われません。

類語や言い換え表現は?

生活への影響に差はあれど、「火の車」に似た言葉は思いのほか多いもの。ここでは「火の車」と同じように、主に家計や個人に使われる言い換え表現を紹介します。

注意したいのは、多くの場合、使う場面や状況で相手の取り方が変わるということ。今に限って厳しいのか、いつも厳しいのかなど、ちゃんと説明を加え正しく伝わるように使いましょう。

1:首が回らない

借金などのためどうにもやりくりがつかない、という意味。「借金で首が回らない」という言葉もよく聞きますね。それが家計に直結し、生活が苦しくなれば、すなわち「火の車」なわけです。

2:窮乏(きゅうぼう)

金銭や物品が著しく不足して貧しいこと、生活が非常に苦しいこと。まさに今、逼迫していてどうしようもないという意味では、「火の車」より厳しい状況といえるかもしれません。

3:懐(ふところ)が寒い

所持金が少ないという意味で、生活苦というよりは、今、あるいは今月、「財布の中身が少なくて不安」な状態のこと。日常会話でフランクに使われるイメージですが、「いつも懐が寒い」などのように財産が少ないという意味で使用されることもあります。

(c) Adobe Stock

4:金欠(きんけつ)

金銭を持っていないこと。「今月ちょっと金欠なんだよね」程度の使われ方をすることもあれば、「いつも金欠状態で困っている」「金欠なので消費者金融でお金を借りてしまった」というような深刻な場合もあります。

5:自転車操業

慢性的な自己資金の不足で、借金の借り入れと返済を繰り返しながら何とか操業を続けている状態。ただし「火の車」と違い、主に企業の経営状態に対して使われる言葉です。

英語表現は?

「火の車」というのは、経済的な理由での生活の苦しさを火車に例えた慣用句ですが、英語ではどのように表現すればよいのでしょうか。ニュアンスの異なる表現をいくつか紹介しましょう。

まず、「be badly off」これはずばり、「貧しい」「生活に困っている」という意味です。「He is badly off.」などと言います。「poor」というおなじみの英語に置き換えてもいいでしょう。窮乏している場合は、「broke(一文無し)」に置き換えることもあります。

「be short of money(cash)」は、「お金が不足している」。財布の中身を確認したとき「持ち合わせがない」という意味で使え、日本語にすれば金欠に近いでしょうか。

あるいは、「money」や「cash」を使わず「I’m short this month.」「今月はお金が足りない」という表現もできます。どちらも、日常的によく聞く表現ですね。

ほかに「be tight」を使って、「be tight financially」。「financially」は「経済的に」という意味です。「My family is financially tight.(我が家は経済的に厳しい)」。

個人的なことなら、「I am tight for money.(金銭的に厳しい)」という表現もできますね。

最後に

「火の車」は、時にはグチっぽく使われることもありますが、基本、決して笑える状況ではないことを伝える言葉です。鬼に責められながら燃え盛る火車で地獄へと、という恐ろしさを想像し、自分自身に使うことのないよう足元を見つめたいものですね。

また本記事を参考に、使う対象や生活が苦しい程度など、状況に合わせた使い方や言い換えの表現なども覚えておくとよいでしょう。

TOP画像/(c)Adobe Stock

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