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2024.01.24

「唐変木」とはどんな人? 使い方や類語、対義語を解説

「唐変木(とうへんぼく)」とは、「気の利かない人物、物分かりの悪い人物をののしっていう言葉」。物分かりの悪い人に迷惑している時などに使います。本記事では、「唐変木」の意味や使い方、「分からず屋」などの類語、対義語などを解説しましょう。

「唐変木」という漢字、読み方はご存知ですか? あまり見聞きする機会がない言葉なので、読み方も意味もわからないという方も多いのではないでしょうか。「唐変木」はある人物を悪く言う時に使われますが、一体どのような人のことを指すのでしょう? そこで本記事では、「唐変木」の意味や使い方、類語などを解説します。

唐変木とは?

「唐変木」は、「とうへんぼく」と読みます。意味は、辞書にこのように記載されています。

気のきかない人物、物分かりの悪い人物をののしっていう語。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「唐変木」とは、気が利かない人や物分かりの悪い人のこと。「この唐変木め!」というように罵って言う時に使用します。日常生活で使われることはありません。文学や演劇、芝居などで耳にしたことがある人もいるかもしれませんね。

「唐変木」の語源は定かではありませんが、「唐(中国)から持ち帰った、風変わりな木」という説があります。

失敗する男性
(c)Adobe Stock

使い方を例文でチェック!

「唐変木」は、物分かりの悪い人物や気の利かない人に対して使います。どのように使うのか例文で確認していきましょう。

1:どんなに丁寧に説明しても、唐変木の後輩には話が通じないようです。

こちらがどんなに細かく説明しても、なかなか理解してくれないという意味ですね。物分かりが悪いことで、仕事をミスしたり、指示と違った行動をとってしまうことも考えられます。「唐変木」である後輩に、手を焼いている様子が伺えますね。

2:部長はとんでもない唐変木なので、私の職場の人間はみんな迷惑しています。

融通が効かず、頑固な人物に対しても「唐変木」を使います。こちらの提案を聞き入れてもらえなかったり、高圧的な態度をとる人が上司だと、部下は苦労しそうですね。「唐変木」は悪口にも受け取られかねないため、使う際はくれぐれも注意しましょう。

3:クラスメイトのC君から、「お前みたいな唐変木に、僕の気持ちがわかるわけがない」と言われた。

友人からこのように言われたらショックですよね。物分かりの悪いことを馬鹿にしているとも考えられます。たとえ気分が苛立っていたとしても、このようなセリフを言うことは控えた方が無難と言えるでしょう。

怒る上司
(c)Adobe Stock

類語や言い換え表現は?

「唐変木」のように、物事の道理がわからない人物を表す言葉にはどのようなものがあるのでしょうか? ここでは、「分からず屋」「朴念仁」「馬鹿者」「まぬけ」の意味を見ていきましょう。

1:分からず屋

「分からず屋」はどんな人のことを指すのでしょうか? 意味は以下のとおりです。

物事の道理がわからないこと。わかろうとしないこと。また、その人。「―に手をやく」
[補説]「没分暁漢」とも当てて書く。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「分からず屋」とは、物事の道理がわからない人のこと。いくら言い聞かせても反対ばかりして理解しようとしない人に、痺れを切らして「この分からず屋!」と怒鳴ったりすることも。映画のセリフで聞くことがある表現かもしれませんね。

(例文)
・うちの息子は分からず屋で困る。
・わがままを言っていたら、父から「この分からず屋め」と怒られた。

2:朴念仁

「朴念仁」は、「ぼくねんじん」と読みます。意味は以下のとおりです。

無口で愛想のない人。また、がんこで物の道理のわからない人。わからずや。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

頭が硬くて、話のわからない人のことを「朴念仁」と言います。物分かりが悪いことを罵る時にも使われる言葉のようです。無口で愛想がないという点が「唐変木」との違いですね。

(例文)
・近所に住む田中さんは、挨拶をしてもニコリともしない朴念仁だ。
・父は歳をとるたび朴念仁になっていて困っている。

指摘する女性
(c)Adobe Stock

3:馬鹿者

「馬鹿者(ばかもの)」の意味は、以下のとおりです。

愚かな人。また、愚かな言動をする人をののしっていう語。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「唐変木」や「朴念仁」に比べると、馴染みのある表現ですね。愚かなことをした時に、「この馬鹿者!」と怒られた経験がある人もいるかもしれません。似た言葉には、「大馬鹿者(ひどく愚かな人)」「直(すぐ)馬鹿者(真っ直ぐで機転のきかない人)」があります。

(例文)
・木に登って柿を取ったら、近所のおじさんから「この馬鹿者!」と怒られた。
・「人のものを盗むなんて、私は大馬鹿者でした」。

4:まぬけ

「まぬけ」の意味は、以下のとおりです。

[名・形動]
1 おろかなこと。また、そのさま。人をののしるときにも用いる。「―な(の)人」「あの―め」
2 見当はずれなこと。手ぬかりのあること。また、そのさま。「―な答えをする」
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

「おろかなこと」を、「まぬけ」と言います。また、少し抜けている人のことを指すこともありますね。「おろかなこと」という意味が先述した「馬鹿者」と同じですので、「馬鹿者」の代わりに「このまぬけ者」と罵ることもあるでしょう。

(例文)
・新しく入ってきたBさんは、どこかまぬけなところがある。
・そのアイドルは、クイズ番組でまぬけな回答をしていた。

対義語は?

「唐変木」は、「気のきかない人物、物分かりの悪い人物」であるため、対義語としては「ものわかりがよく、気がきく人物」が当てはまるでしょう。ここでは「利口者」を取り上げて説明します。

「利口者(りこうもの)」の意味は、以下のとおりです。

賢い人。また、機敏に要領よく立ちまわる人。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

考え方や振る舞いが優れている人のことを「利口者」と言います。機転が効き、相手が何を言いたいのかを察知して行動に移すことができるでしょう。仕事ができて、周囲からの評価が高いことも特徴です。

(例文)
・利口者の長男に比べて、次男はどこかおっとりとしている。
・兄は利口者でクラスでも人気がある。

最後に

「唐変木」とは、「気がきかず、物分かりの悪い人を罵っていう言葉」。現代ではあまり使われない言葉なので、初めて知ったという方も多かったのではないでしょうか? 日本語ならではのユニークな表現ではありますが、相手に対して使うのは控えた方が良さそうです。言葉の豆知識の1つとして覚えてみてはいかがでしょうか。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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