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2023.03.29

「お尋ねください」は本当に敬語として正しい? 意味や使い方、言い換え表現を解説

お尋ねくださいは正しい敬語ですが、命令形であるため使うシーンには注意しなければなりません。状況により、表現を変えることも必要です。本記事では、お尋ねくださいの意味や使い方について解説するとともに、言い換え表現などもご紹介します。

お尋ねくださいは正しい敬語?

お尋ねくださいは正しい敬語なのか、気になるという方もいるでしょう。「質問してください」「聞いてください」という意味を丁寧にした言葉で、正しい敬語です。相手に対し、遠慮せず気軽に質問してほしいという気持ちを伝えることができます。

ここでは、お尋ねくださいの意味や使い方、より丁寧にした言い換えなどを解説します。

カウンター対応する受付嬢
(c)Shutterstock.com

お尋ねくださいの意味

お尋ねくださいの「お」は相手の動作や状態を敬う接頭辞であり、お尋ねくださいは敬語です。元になる言葉「尋ねる」を尊敬語にしているため、ビジネスシーンで目上の人や顧客、取引先などに使用しても問題はありません。

「尋ねる」には、以下の3つの意味があります。

・所在がわからないものなどを探す
・物事を明らかにするため調べたり考えたりする
・わからないことを人に聞いたり質問したりする

そのため、「お尋ねください」は、普通の言葉にすると以下のような意味になります。

・「探してください」
・「明らかにしてください」
・「聞いてください」

「お訪ね」との違い

お尋ねくださいは、「お訪ねください」とは異なります。「尋ねる」とは自分がわからない事柄を質問することですが、「訪ねる」はどこかの場所に行くことです。「お訪ねください」になると、まったく意味が変わります。

発音は同じですが、前後の言葉でどちらの意味なのか判断できます。

(お尋ねくださいの例文)
・ご不明な点がありましたら、なんなりとお尋ねください

(お訪ねくださいの例文)
・地図はこちらになりますので、直接お訪ねください

伺ってくださいは間違い?

「質問してください」という意味の敬語を「伺ってください」とするのは間違いです。伺うは謙譲語であり、相手の動作について用いる敬語ではありません。

相手を立てる場合は、尊敬語を使う必要があります。「伺ってください」では、質問を受ける方を立てる敬語になってしまいます。相手に対する敬語を使う場合は、「お尋ねください」を使わなければなりません。

上司や取引先には失礼にあたる?

お尋ねくださいは敬語であり、上司や取引先に使っても問題ありません。ただし、訪ねるものについて相手がよく知っている場合、お尋ねくださいと言うこと自体が失礼にあたる場合もあります。

敬語かどうかだけでなく、内容が失礼にならないかもよく考える必要があるでしょう。お尋ねくださいと伝えるのは、自分のほうがよく知っている内容に限られます。

お尋ねくださいを丁寧にした言い換え

お尋ねくださいは敬語ですが、「ください」という言い方に抵抗を感じる方がいるかもしれません。

「ください」は「くれ」の尊敬語ですが、命令形です。目上の人や取引先には適切ではないと感じる場合は、より丁寧な表現に変えることもできます。

・お尋ねくださいませ
・お尋ねいただきたく存じます
・お尋ねいただければと存じます
・お尋ねいただけますでしょうか?
・お尋ねいただきますようお願い申し上げます
・お尋ねいただければ幸いです

メールなどの文書では、より丁寧な印象を与えられます。会話の場合は堅苦しく感じる場合もあるため、状況に応じて使い分けましょう。

お尋ねくださいの例文

テレホンアポインターの仕事中の様子
(c)Shutterstock.com

お尋ねくださいの例文をご紹介します。どのような文脈で使われるか、確認しておきましょう。

・この先に案内所がございますので、そちらでお尋ねください
・お配りした資料に不明点などございましたら、なんなりとお尋ねください

(より丁寧な表現の場合)
・このほかわからないことがありましたら、ご遠慮なくお尋ねくださいませ
・些細なことでもかまいませんので、お尋ねいただければ幸いです

お尋ねくださいの言い換え表現

頭を下げる女性
(c)Shutterstock.com

お尋ねくださいは言い換え表現があるため、覚えておけば場面に応じて適切な表現ができます。

言い換え表現には、主に以下のようなものがあげられます。

・ご質問ください
・ご連絡ください
・お聞きください
・お問い合わせください
・お申し付けください

このうち、特にビジネスシーンで使われやすい2つの言い換え表現をご紹介します。

お問い合わせください

お問い合わせくださいも、接頭辞の「お」がついた尊敬語です。会話よりは、メールなどの文書で使われることが多い言葉です。

お尋ねくださいと同じく命令形のため、より丁寧にしたい場合は次のような表現があります。

・お問い合わせくださいませ
・お問い合わせいただけますか
・お問い合わせいただきたく存じます
・お問い合わせいただけますと幸いです

例文をみてみましょう。

・ご不明点や要望などございましたら、お気軽にお問い合わせください
・サービスにつきましてご質問などございましたら、ご遠慮なくお問い合わせくださいませ

お申し付けください

お申し付けくださいは、接頭辞の「お」に「言い付ける」の謙譲表現「申し付ける」を組み合わせた敬語です。謙譲語により、相手の要求を受け付けるという意思を表しています。

お申し付けくださいをより丁寧にした言葉に、「仰せ付けください(おおせつけください)」があります。

お申し付けくださいの例文は、以下のとおりです。

・ほかに必要なものがございましたら、受付までお申し付けください
・ご希望を事前にお申し付けくだされば、対応いたします
・お車の手配が必要なときは、ご遠慮なくお申し付けください

謙譲表現であるお申し付けくださいは、社内の人に使うと堅苦しいイメージになります。顧客や取引先など、社外の人に使うようにするとよいでしょう。

お尋ねくださいは使うシーンに注意しよう

笑顔のキャリア女性
(c)Shutterstock.com

お尋ねくださいは相手の動作に対して接頭辞の「お」をつけ、尊敬を表す敬語です。「お聞きください」「質問してください」といった意味があります。

「ください」は命令形のため、使うのに抵抗がある場合は、「お尋ねいただきたく存じます」など、より丁寧な表現にするとよいでしょう。

言い換え表現もあるため、一緒に覚えれば表現の幅が広がります。

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