職場で忙しいときに、「ちょっと、バタバタしていまして…」などと説明することがあるはず。便利な言葉ではあるものの、「目上の人やビジネスメールで使うのは失礼かも」と悩んだことはありませんか? そこでこの記事では、「バタバタする」の意味や使い方、覚えておきたい言い換え表現を紹介します。シチュエーションに合った正しい言葉遣いを身につけましょう。
バタバタするとはどういう意味?
「バタバタ」とは、慌ただしいさまを表します。日々、やるべき仕事や作業に追われていて、慌ただしく動き回っているような様子を表した言葉です。他にも「バタバタ」には、「人が手足を動かして立てる音」や「続けざまにものが落ちたり、倒れたりするさま」という意味も。激しい動きや落ち着きのない様子を表現するときに使われる擬音語でもあります。
使い方を例文でチェック!
先方に、電話やメールで「バタバタしていまして」と伝える方も多いのでは? 「バタバタする」は、便利な表現である一方でビジネスシーンで使う際には、注意点も。日常生活でよくあるパターンを例文でチェックしていきましょう。
1:最近バタバタしていて、今回は食事会に参加することができません。
「バタバタ」という表現は、日常生活で誘いを断るときに使われます。「バタバタしていて参加することができなそうです」と連絡すれば、忙しい様子が伝えられるでしょう。大抵の人は、「バタバタしている」という言葉で状況を理解し、それ以上追求して聞いてくることはあまりありません。
2:今バタバタとしているので、折り返しご連絡してもよろしいですか?
シチュエーションによっては、ストレートに「今は忙しい」と言いづらい状況もあるでしょう。また、「忙しい」と伝えると、相手が「忙しいところ申し訳ない」と気を遣ってしまうこともよくあります。そんなときに、「バタバタしておりまして…」などとソフトな言い方をすると、相手に過度に気を遣わせることなく、忙しい状況が伝えられるでしょう。
3:バタバタしていて時間に遅れてしまいました。申し訳ありません。
約束の時間に遅れてしまったときなどにも「バタバタ」は使われます。前の予定が立て込んでいて、急いで駆けつけた様子が伝わりますね。ただし、「バタバタ」という言葉は、基本的に親しい関係の相手に使う表現なので、目上の人や取引先の人に対して使うにはあまり適切とはいえません。
仕事の用事で相手を待たせてしまったときなどには、「仕事で立て込んでおり遅れてしまいました。申し訳ございません」などと丁寧に言い換えるといいでしょう。
ビジネスシーンで使える!「バタバタする」の言い換え表現
基本的に、「バタバタする」は親しい間柄の人に対して使う言葉。ビジネスシーンでは、より丁寧な言い回しを選んだ方がいい場合もあるでしょう。その場の状況に合わせて適切な言い回しを使い分けてみてはいかがでしょうか?
1:立て込む
「立て込む」とは、「仕事や用件が一時に多く重なること」。複数の仕事が入ってしまい、忙しい状態を表します。ビジネスシーンでは、上司や取引先に「ただ今、仕事が立て込んでおりまして…」と忙しくて手が離せない状況を説明するときに使いますね。
また、「立て込む」には、「(複数の仕事が重なるなど)外的な理由により忙しい」というニュアンスが含まれます。要望には応えたいけれども、自分ではどうすることもできない状況を伝えることができるでしょう。「忙しい」と断るより、「立て込んでいる」と伝えた方が相手への印象も良くなるはずです。
・朝から立て込んでおり、メールの返信が遅れてしまいました。大変申し訳ございません。
・あいにく○○は立て込んでおりまして、折り返しご連絡させていただいてもよろしいでしょうか?
2:予定が埋まっている
スケジュールが空いていない場合などには、「あいにく今週は予定が埋まっておりまして…」などと言い換えることができます。自分の意思とは関係なく、あくまでも予定が詰まっているため要望に応えられないというニュアンスが伝えられるでしょう。
・あいにくその日は予定が埋まっておりまして…。またぜひお誘いください。
・しばらく予定が埋まっているため、参加することができません。
3:仕事に追われている
やるべき作業や案件が次々と押し寄せてきている場合は、「仕事に追われている」と表現することもできるでしょう。相手から催促をされているときには、「今仕事に追われていまして」などと話すことで、自分の現状を伝えられます。一方で、場合によっては「仕事に追われている=自分の能力不足」であると捉えられる可能性も。使う際は少し注意が必要です。
・ただ今仕事に追われていまして、到着するのが少し遅くなりそうです。
・同僚のAさんは仕事に追われているので、最近休みが取れていないらしい。
英語表現
英語で、「バタバタしている」と伝えたいときには、どのような単語を使えばいいのでしょうか? 海外の取引先との会話やメールのやり取りで覚えておきたい表現をまとめました。
1:busy
バタバタと忙しい様子をシンプルに表現できるのが「busy」です。多忙な様子やいろいろと予定が入っていて余裕がない様子が伝えられるでしょう。
・I’m afraid the doctor is busy at the moment. Can he call you back?(申し訳ありませんが、今先生は手が離せません。折り返しお電話させましょうか?)
・Akira is busy practising for the school concert.(アキラは学校のコンサートの練習に忙殺されている)
2:hectic
「hectic」は、「慌ただしい、忙しすぎる様子」を表します。やるべきことがたくさんありすぎて、てんてこまいになっているようなニュアンスです。「have a hectic time」で「大忙し」と表現することができますよ。
・I don’t want to lead such a hectic life any more.(こんな慌ただしい生活を送るのは懲り懲りだよ)
・We were involved in the hectic last-minute preparations.(私たちは準備の最後の追い込みにてんてこまいだった)
3:full
「full」は、「(たくさんの活動を伴う)忙しい」という意味。たくさん予定が入っていて忙しいものの、充実した毎日を送っているときに使われます。どちらかというと、忙しいことをポジティブに捉えているときに使われる傾向があるようです。
・She’d had a very full life.(彼女は非常に充実した生活を送っていた)
・Her life was too full to find time for hobbies.(彼女の生活はやることがいっぱいで趣味の時間を作ることができなかった)
最後に
この記事では、日常会話でよく使う「バタバタする」の意味や使い方についてみていきました。ストレートに「忙しい」と言うのがはばかられるときに、「バタバタしている」という言い方はとても便利です。
しかし、一方で親しい関係の相手に対して使うカジュアルな表現でもあるため、ビジネスシーンでの会話やメールでは、「立て込んでおりまして」などとより丁寧な言い回しを選んだ方がいいでしょう。状況に合わせてうまく使い分けてみてくださいね。
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