自分の人生のテーマを決める
人生100年時代。誰もが長生きをする、恵まれた時代であるとも言えます。一方で、自分のキャリアや生き方、暮らし方について長い目で考えることも大切に。この記事ではキャリアコンサルタントの櫻井宏美さんと一緒に見ていきます。
今回は、これから先の生き方についてお悩みの、Oggiブレーンの方から、こんな相談をいただきました。
キャリア形成とワークライフバランス、この先の生き方について悩んでいます。定年も引き上げになるので、働く期間が長くなることについて今から考えておきたいです。(Tさん・38歳・女性/福井県)
若いうちから、早めに自分のキャリアやワークライフバランス、生き方について考えておきたいのですね。櫻井さんにお話を伺いました。
「2025年4月からは、すべての企業に『65歳への定年の引き上げ』『定年廃止』『65歳までの継続雇用制度』と、いずれかの対応を求められるようになります。ここ数年、男女・年齢問わず、Tさんと同じような悩みを抱えた方が本当に多くいらっしゃるようです。
私がいつもお伝えしているのは、『自分の人生のテーマを決めてください』ということ。人生のテーマというと、大げさな表現になりますが、ご自身のこれまでの人生を振り返り、楽しかったことや、ワクワクしたこと、達成感を得たことのエピソードを具体的に書き出してもらいます。エピソードから、自分を表すキーワードがあがってくるので、それをテーマに自身のこれからの生き方を考えていきます。
例えば、仲間と楽しむ、誰かの支えになる、子供が好き、など。ある方は、『地方で暮らす』をテーマにされ、会社を早期退職し、気に入った地域へ移住し、その地で働きながら、ボランティアのガイドをされ、イキイキと自分の人生を生きてらっしゃいます。
働くことは人生の一部ですよね。『ワークライフバランス』と、ワークとライフを分けて考えるのではなく、『ワークインライフ』という視点を持つと、考え方が柔軟になるのではないでしょうか」(櫻井さん)
キーワードやテーマをもとに、これからの人生を考えてみると、見通しが立てやすいかもしれませんね。ここからは、自分の人生を生きる考え方や英語表現を紹介します。
自分の人生を生きる、とは?
自分の人生を生きるとは、ありのままの自分で、幸せを感じ、自分の納得した生き方を送っている状態を言います。ポジティブな感情やネガティブな感情も含めて、自分の納得した人生を送っている状態です。
誰かと比べて落ち込んだり、他人の言うことに流されて後悔したり、周りの人に左右されることはありません。自分で決断し、自分の主観で生きるので、自己肯定感も高いと言えます。
自分の人生を生きていると、心に余裕が生まれるので、他人に対しても大きな心で接することができ、感謝の心も芽生えやすくなります。良好な人間関係が築けることが多いでしょう。
自分の人生を生きるための考え方
自分の人生を豊かに生きていくには、どんな考え方を持てばいいのでしょうか。ここでは3つ紹介します。ぜひ、参考にしてくださいね。
1:自分は自分、人は人
人の目を気にしたり、人の意見や行動に合わせたりすることは、自分の人生を生きているとは言えません。周りの人と違う意見を持つことは、自分が個性的でオンリーワンの存在だから、と前向きに考えてみましょう。
自分と人を分けて考えることは、自分を認め、自分の人生を生きる大きな後押しになるはず。
2:人生の主役は自分
自分の人生をドラマや映画で例えた時、自分はどんな役割になるのか。もちろん、主役ですね。どんなストーリーで、どんな展開が待ち受けているのか。
「起こることは、全て必然」と、その時々に起こるハプニングを、受け止めましょう。この困難を乗り越えると幸せな展開になる、この嬉しさはあの時の悲しみの伏線があったからと、前向きに捉えることで、自分の人生の主役を全うできるでしょう。
3:何かを始める時、遅いということはない
「もうこんな年だから、何をやっても無理」「今さら、遅い」と考える方も多いのではないでしょうか。誰が無理だ、遅いと決めているのか。自分自身ですよね。
これをやりたい! あんなことが楽しそう! そう感じることが大事です。自分の人生において、早い遅いはありません。心に火が付いた時に、始めることがベストタイミングと言えます。
自分の人生を生きていない人の特徴
自分の人生はこのままでもいいのかな… と感じている人は、自分の人生を生きていない人と言えます。特徴を見ていきましょう。
1:やりたくないことを続けている
ビジネスにおいても、プライベートにおいても、やりたくないことを続けている人は、自分の人生を生きていないと言えます。楽しみや喜びを感じることなく、嫌々続けているようでは、モチベーションを維持することはできません。
このような状態が続くと、心のバランスを失い、自分の人生を生きられないだけではなく、日常的に、不安や不満を抱えてしまうことになります。
2:自己肯定感が低い
自己肯定感が低い人は自分に自信がなく、諦める気持ちが強いので、どんなことでも意欲的に取り組めないと言えます。自分の人生においても、「どうせダメ」「自分にはできない」と前向きになれません。
また、他人と自分を比較して、自分をネガティブに捉えてしまうことも多いようです。
「自分の人生を生きる」の英語表現
「自分の人生を生きる」の英語表現についても確認しましょう。この機会にぜひ、マスターしてくださいね。
1:Be yourself.(自分らしくあれ)
自分の人生を生きるには、自分らしくあることがとても重要ですね。シンプルな表現ですが、だからこそ、心にも残りやすいと言えます。「be」は属性や状態を表す動詞で、属性などが、…である、…になる、人・物などが、…の状態で(に)あるという意です。
2:Live your life.(ありのままに生きよう)
自分を取り繕って生きていては、自分の人生を生きているとは言えませんね。「live」は動詞で、人・動植物が、生き(てい)る、生存する(している)という意味もあります。
最後に
自分の人生を生きると、豊かな時間や充実した暮らしが送れます。決して楽しいことや幸せなことだけではなく、辛いことや困難も丸ごと受け止める覚悟も必要です。自分の人生を生きていくには、自分には良いところがたくさんある! と自分を認めることから始めると、いいかもしれませんね。
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※本記事は Oggi ブレーン会員に対して 2022年10月に行った「働き方アンケート」に回答 いただいた Oggi 読者の回答をもとにしています。
キャリアコンサルタント 櫻井宏美さん
2017年国家資格キャリアコンサルタント取得。保険薬局・薬剤師の新卒採用を担当。Well-beingが高まる働き方を模索&実践中。
ライター所属:京都メディアライン