気づいた時が、行動どき!
長く同じ職種でキャリアを積んでいると、新しいことにチャレンジすべきかどうか、悩むことも起こりえますよね。何も問題なく、着実に成果を積み重ねていても、ふとある時、「このままでもいいのだろうか」と、考えてしまうことも。この記事ではキャリアコンサルタントの櫻井宏美さんと一緒に見ていきましょう。
今回は、今就いている業務からキャリアチェンジをお考えの、Oggiブレーンの方から、こんな相談をいただきました。
「現在、営業として仕事していますが、今後このまま営業として働くか、人事とか本社部門で働くかで悩んでいます」(Kさん・45歳・女性/北海道)
営業を続けてこられたというKさん。今後のキャリアについて迷っておられるようですね。櫻井さんにお話を伺いました。
「今は営業をされていて、人事や本社部門で働くかお悩みとのこと。Kさんは、そのような業務に気持ちが向いておられるのでしょうか。
私が相談を受ける方には『迷った時は、自分がワクワクする方へ』とお伝えしています。
以前、相談を受けた方で、長年、営業畑で働かれていて、突然、人事部へ打診された方がいました。人事の仕事に興味がないわけではないが、急なことで戸惑っているとのこと。
拒否してこのまま営業で働くか、さまざま悩まれていたので、自分が人事部で働くことを想像して、ワクワクできるかどうか、伺いました。その方は、今まで経験したことのない分野で、不安もあるが、チャレンジできることが楽しいと気づかれたそうです。
今では、キャリアコンサルタントの資格も取得され、主に社員のキャリア相談を行い、充実した日々を送っています。
何をするかより、どういう自分でいると、ワクワクするのか、が大事だと思います。Kさんも自分の気持ちに気づいて、行動してみてください。営業も人事もワクワクしなければ、転職しても構わないと思いますよ」(櫻井さん)
仕事にワクワクを感じるかどうかは、自身のとらえ方次第とも言えますね。新しいことにチャレンジするか、不安を抱えて、そのまま同じことを続けるか。それにどう気づくかによって、行動も変わってくるでしょう。ここからは、気づき力を高める方法や効果、英語表現を紹介します。
気づきとは?
気づきとは、それまで見落としていたことや問題点に気づくこと。
「なるほど、そうだったのか!」という目から鱗が落ちるような経験や、「ここが改善点だったのか!」という新たな驚きなど、気づきから得たことは学びとなり、自身の考え方や行動に影響を与えることもあるでしょう。
今まで思いつかなかった発想に結びついたり、新たな自分を発見するチャンスにもなると言えます。
気づきを得る効果とは?
気づきを得ると、どのような効果があるのでしょうか。ここでは3つ紹介します。一緒に見ていきましょう。
1:視野が広くなる
気づきを得ることで、今まで見えていなかったものや、考えもつかなかったことが見つかるでしょう。普段、無意識に行っていることや、当たり前だと思っていたことに「ちょっと待てよ」と意識を向けてみます。
特に、思い込みの激しい人や、物事に集中しすぎてしまう人は、少し止まってみるといいかもしれません。少し止まる、と書いて「歩く」という言葉になります。散歩をして違う景色を目に入れて、視野を少し広げてみましょう。
2:自分の成長につながる
ビジネスにおいては、どんな小さな業務でも改善して、効率よくこなしていくことがスキルアップにつながります。何も気づくことなく、ただ言われたことを漫然とこなすだけでは、成長することはありえません。
何を目的にこの仕事を行っているのか、どうすれば成果が上がるのか、自分に問いかけ、気づきを得ることで、人は成長していけると言えるでしょう。
3:前向きな行動力が高まる
気づきを得た人は、それを実践して行動に移すことが多いと言えるでしょう。気づいたことを試してみて、失敗すれば、そこで学んでいきます。上手くいかなかったとしても、新しい気づきを得るチャンスだと、前向きにとらえることも多いと言えます。
失敗が続き、落ち込んでいる人は「その分だけ、人より多くの気づきを得ることができた!」と、自信を持って、次の行動にチャレンジしてみてくださいね。
気づき力を高める方法は?
気づく力を高めるにはどのようにすればいいのでしょうか。ここでは2つ紹介します。ぜひ、覚えてくださいね。
1:いつもと違うことをしてみる
少し工夫するだけで、気づき力を高めることは誰にでもできるもの。例えば、通勤ルートを変更して、会社の最寄り駅の1つ手前の駅で降りて出勤する、ランチを外食から手作り弁当にしてみる、など簡単にできることから始めてみましょう。
ただ単に行動を変えるだけではなく、目に映る風景や耳から入ってくる音など、いつもとちがう何かを意識してみることも大事ですよ。
2:モヤモヤを感じ取る
日頃モヤモヤしていることに意識を集中して、自分の内側にフォーカスすることも大事です。その際には「どうして、そんな風に考えるのか」ではなく、「どうすれば、良くなるんだろう」と、自分に問いかけてみるといいかもしれません。
「どうして?」や「なぜ?」は質問攻めされているような気持になり、心苦しくなってしまいます。答えは自分の中にあるもの。自分の内側に優しく問いかけることで、自分の本当の気持ちに気づけるでしょう。
気づきの英語表現
気づきの英語表現についても確認しましょう。この機会にぜひ、マスターしてくださいね。
1:awareness
「awareness」には、気づいていること、自覚、認識という意味があります。価値を認識していたり、何かの存在を知っている時に利用。
例文:She had an awareness of her strength.(彼女は自分の強みに気づいていた)
2:realization
「realization」には、理解、認識、悟りという意味があります。「into action」は「行動に移す」という意味。
例文:I want to put my realizations into action.(私は気づきを行動に移したいです)
最後に
忙しい毎日を過ごしていると、忙しいことが当たり前になり、何かに気づくことが鈍くなってしまうかもしれませんね。あえて、普段と違う行動を行うことで、刺激をあたえ、気づきを得ることはとても重要です。気づいたことを書き出してみると、客観的に見ることができるので、次への行動につながりやすいでしょう。
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※本記事は Oggi ブレーン会員に対して 2022 年 10 月に行った「働き方アンケート」に回答 いただいた Oggi 読者の回答をもとにしています。
キャリアコンサルタント 櫻井宏美さん
2017年国家資格キャリアコンサルタント取得。保険薬局・薬剤師の新卒採用を担当。Well-beingが高まる働き方を模索&実践中。
ライター所属:京都メディアライン