自分を信じて、チャレンジを
新しいことにチャレンジするときは、緊張や不安でネガティブな考えばかりになってしまうことがありますよね。自分を信じられないと、どんどんマイナス思考に陥ってしまいます。この記事ではキャリアコンサルタントの櫻井宏美さんと一緒に、自分を信じることについて、見ていきましょう。
今回は、転職されて新しい仕事に就かれる、Oggiブレーンの方から、こんなお悩みをいただきました。
「新しい会社に入り、経理を担当する予定です。自分で書籍を購入して勉強するつもりですが、自分に務まるか不安です」(Wさん・41歳・女性/福岡県)
新しい仕事に就く際には、早く慣れて会社の一員として貢献したいと思いますよね。どのように対応すればいいか、櫻井さんに話をおうかがいしました。
「転職されて、今まで経験したことがない経理にチャレンジされるのですね。現代は今までやってきたスキルを一旦手放して、新しい分野にチャレンジする機会も多くなっていると言えます。
ある相談者で、自分より年下の上司のもとで、新しい仕事に就いた方がいました。
入社してからの注意点として、分からないことは分からないと、しっかり相手に伝えることを心掛けるよう、お伝えしました。その相談者は、分からないことは聞き、理解できないことは自分で調べ直して努力されました。結果、その努力が周りに認められ、多少の失敗も周りがカバーしてくれるほど、職場に溶け込めたそうです。
Wさんは書籍を購入し、自己学習をされようとしていますね。Wさんの努力は必ず誰かが見ています。自分を信じて、胸を張って経理の仕事に取り組まれてくださいね」(櫻井さん)
ここからは、自分を信じる方法や効果、自分を信じる力を後押しする四字熟語を紹介します。
自分を信じるとは?
「自分を信じる」とは、自己理解ができていて、価値基準を持ち、自分軸で物事を判断できること、と言えます。英語では「I believe in myself」と表します。
自分を信じることができていれば、「よし、やってみよう」と、どんなことにでも挑戦する気持ちになれます。自分の価値基準に基づいて、自分軸で行動できるので、仕事のみならず、プライベートでも迷うことなく、思い切って進んでいくことができるでしょう。
自分を信じる人の特徴は?
自分を信じている人には、どんな特徴があるのか、見ていきましょう。
1:気持ちの切り替えが早い
自分を信じる人は、ミスや失敗も「次への成長」と捉え、気持ちの切り替えが早いといえるでしょう。いくら完璧に準備を整えてもミスをしてしまう場合もあります。いつまでも後悔をしているだけでは、何も改善されません。
「次回はこうしよう」と、気持ちを切り替え、失敗も糧にしていきます。
2:他人の言動に左右されない
自分を信じる人は、自分の考えや価値基準が明確なので、他人の言動に振り回されることは少ないでしょう。しかし、周りからの否定的な意見やネガティブな捉え方を、「そういう考え方もある」と一旦受け入れ、自分の信念や考えをもとに行動していきます。
自分を信じる方法は?
自分を信じると言っても、難しいかもしれませんね。では、自分を信じるにはどうすればいいのでしょうか。
1:短所をリフレーミングする
リフレーミングとは、リ=再び、フレーム=枠を作る、ということ。視点の変更を言います。例えば、「優柔不断」は「他人の意見を尊重できる」、「怒りっぽい」は「責任感がある」とうように、対象の枠組みを変えて、別の感じ方をもたせることです。
短所は短所として自覚する必要もありますが、短所と同じ数だけ長所もある、と思えば、自信もつき、自分を信じる気持ちも高まるでしょう。
2:確実に達成できる成功体験を
どんな小さなことでもいいので、必ず達成できることを毎日、積み重ねていきましょう。大事なことは「確実にできること」。できなさそうな大きな目標は必要ありません。
「毎日、1行日記を書く」といった、確実に達成できそうなことを目標に掲げ、着実にクリアしていきます。そうすることで、「自分はできる」と自己効力感が上がり、自分を信じることにつながるのです。
自分を信じることの効果
自分を信じる方法が分かったとしても、どんな効果が期待できるのでしょうか。2つ紹介します。
1:多様な価値観を受け入れられる
自分と異なる意見を聞いた時、反抗する気持ちになってしまうことがありますよね。自分を信じることで、他人の意見に寛容になり、多様な価値観を受け入れられるようになると言えます。自分軸を持っているので、他人の考えや意見を自然に受け入れることができるわけです。
2:何事も自分事として捉える
他人の考えや判断で行動してしまうと、ミスが起こった時に、「あの人が言ったから、その通りにしたのに」と責任から逃がれようとしてしまうことも。
自分を信じている人は、逃げ出すことなく、対処法や改善点も見つけ出すことができるでしょう。どんなことでも、自分が関わったことは自分事として捉え、無責任なことは行いません。
自分を信じる力を後押しする四字熟語
自分を信じる力を後押しする四字熟語で、気に入った言葉を座右の銘にするのもいいですね。2つ紹介します。
1:剛毅果断(ごうきかだん)
「剛毅」は意志が堅くて強くてくじけないこと、「果断」は決断力のあること。「剛毅果断」は、意志が強固で気力があり、思い切って物事を行なうことを言います。
2:点滴穿石(てんてきせんせき)
「点滴」はしづく、「穿石」は石に穴をあけること。「点滴穿石」は、小さなしずくでも、長く落ち続ければ、石に穴を開けることができるという意味から、小さな努力でも日々積み重ねることで、大きな成果を上げるということを表します。
まさに自分を勇気づけることに適した言葉ではないでしょうか。
最後に
自分を信じることについて、理解できましたか? 自分を信じることができれば、どんなことにもチャレンジできそうですね。まずは、自分を理解し、自分を受け入れることから始めてみるといいかもしれません。自分の良い面も悪い面も理解し、しっかり受け入れることが、自分を信じるファーストステップになるでしょう。
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※本記事はOggiブレーン会員に対して2022年10月に行った「働き方アンケート」に回答いただいたOggi読者の回答をもとにしています。
キャリアコンサルタント 櫻井宏美さん
2017年国家資格キャリアコンサルタント取得。保険薬局・薬剤師の新卒採用を担当。Well-beingが高まる働き方を模索&実践中。