「逆撫で」の意味とは?
「逆撫で」という言葉を、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか? 会話のなかではあまり使われないかもしれませんが、小説やニュースの報道などで使われたりすることがあります。
逆撫での漢字から、ニュアンスも何となく推測できそうですよね。本記事では、逆撫での意味のほか、類語表現や使い方について解説します。
また、「相手の神経を逆撫でする人」のように使われる、逆撫でする人の特徴についても見ていきましょう。このような人は、周囲の人たちを傷つけたりいらだたせたりする言動をしがち。そこで、逆撫でする人への対処法も紹介するので、この機会にぜひ身に付けて備えておいてくださいね。
「逆撫で」の意味
「逆撫で」は「さかなで」と読みます。「ぎゃくなで」ではないので注意してください。意味は、「相手を不快にさせる言動」。ほかに「毛の流れに逆らって撫でること」という意味もあり、この「逆らう」というニュアンスが、相手の気分を悪くさせるというニュアンスになったのかもしれませんね。
逆撫での類語表現を紹介
続いては、逆撫での類語表現について見ていきましょう。言葉は類語表現など、似た言葉同士で関連付けて覚えると、覚えやすいですよ。せっかくなので、この機会に語彙を増やしましょう!
1:苛立てる
「苛立てる」とは、「相手に不快感を与え、気持ちをいらいらさせる」こと。ナチュラルに言い換えると、「イラつかせる」ということですね。「苛立つ」は、自分がいらいらした気持ちになることですが、苛立てるは、相手をいらいらさせるという方向の違いがあります。
2:挑発する
「挑発」は「ちょうはつ」と読みます。「相手を刺激するような言動をして、たきつけること」「相手を煽るような言動をすること」という意味です。
文脈によってニュアンスがやや変わってきますが、多くの場合は相手のマイナスの意味で刺激するような言動をすることをさします。
3:鼻につく
「鼻につく」とは、「相手の振る舞いが鬱陶しく感じられること」という意味の慣用句。
ネガティブなニュアンスで、においが鼻にまとわりつくというところから派生して、人の言動が気に障るときに使われるようになったと言われています。
逆撫で・類語表現の使い方を例文と合わせて解説
ここまでで、逆撫での意味や類語表現についての理解は深められたでしょうか? それでは、ここからは紹介した言葉の実践的な使い方について紹介していきます。
1:「上司の神経を逆撫でするような言い方に、何度辟易とした気持ちにさせられただろう…」
「神経を逆撫でする」という表現はしばしば使われます。「神経を疑う」など「神経」を使う慣用句はしばしばありますが、この「神経」は「神経が作用している感情」というニュアンスで捉えると分かりやすいでしょうか?
つまり、「神経を逆撫でする」とは感情を逆撫でするということ。つまり、不快な気持ちにさせるということです。
2:「挑発するつもりはまったくなかったのだが、私の不用意な発言のせいで相手がヒートアップしてしまった」
意図せずに、相手に不快感やいらいらする要因を与えてしまったというケースもあります。そんなときは、「挑発するつもりはなかった」「逆撫でしたつもりはなかった」というように使われることが多いです。
3:「彼の言動はいちいち鼻につく。しかし、ストレートに伝えてしまっては彼は傷ついてしまうだろう」
鼻につくという表現は、「気持ちを逆撫でされている」と同じようなニュアンスで使われることが多いです。しかし、「鼻につく」という言い方はかなりきつい表現だと言えるでしょう。
言動を注意したい際は、鼻につくと直接表現することは避けたほうが無難です。
逆撫でする人の特徴とは?
ところで、逆撫でする人って具体的にはどんな人なのでしょう? ここでは、逆撫でする人の特徴について見ていきます。
1:何かと比較しがち
相手を逆撫でしやすい人は、相手を比較対象にした話をしがちです。例えば。「○○さんは、◇◇さんと違って優しいよね~」という言葉も、もしかしたら相手(○○さん)の気持ちを逆撫でしている場合があります。
一見、優しいことを褒められているようにも見えますが他方を落として自分を褒められても、実際は嬉しくありません。そもそも「比較される」こと、自体が上から目線的だとも捉えられます。
2:感情を察することができない
「機嫌悪いの?」などを直接聞く人も要注意。相手を逆撫でしてしまっているかもしれません。実際に機嫌が良くなかったとしても「うん」なんて言いたくないですよね。(機嫌が悪いように見えているなら、察した言動をしてよ!)と思わせてしまうでしょう。
また、機嫌が悪くないのにも関わらず「機嫌悪いの?」と聞かれたら、それこそ機嫌を損ねたくもなってしまいますよね。
3:相手の話を否定する
自分に置き換えて考えてみましょう。言うことなすことなんでも否定されたら、嫌な気分になりませんか? 人を逆撫でする人は、相手の言動の否定から話に入りがちな人も多いです。「いや、それはさ~」「それよりも」「私なんか○○よりも」など、こちらの話にかぶせるように自分の話をする人も少なくありません。
逆撫でする人の対処法を紹介
逆撫でする人の特徴は掴めましたか? いるいる! と身の回りに当てはまる人もいらっしゃるかもしれません。そんな人とはどのように付き合っていくのが良いでしょうか?
1:割り切る
この人は、「逆撫でしてくる人なんだ」と割り切りながら接することが大切。割り切ることで、逆撫でするような言動をされたとしても冷静なこころで対応することができるでしょう。
2:関わりを持たない
できれば関わりを持たないようにすることが、いちばんです。しかし、会社の同僚などどうしても関わらなければならない人もいることでしょう。そんな場合は、自分の人脈作りを大切にしてくださいね。
仮に逆撫でされるような言動をされたとしても、味方になってくれる人がいるだけで心境はかなり変わるはず。「困ったときはお互いさま」の精神を大切にしていきたいですね。
最後に
本記事では、「逆撫で」という言葉の意味や類語表現、使い方について解説しました。また、逆撫でする人についても触れています。うっかり自分が逆撫でする人になっていないかも振り返ってみてくださいね。
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