【目次】
・「すれ違い」の意味とは?
・「すれ違いざま」の意味は?
・類語・言い換え表現
・英語表現は?
・「すれ違い」のパターン
・最後に
「すれ違い」の意味とは?
夫婦の「すれ違い」、恋人の「すれ違い」など、人間関係の中で起こりうる厄介なものといえば「すれ違い」ですよね。長く一緒にいればいるほど、仲が良くなれば良くなるほど、避けられないものなのかもしれません。この記事では、そんな「すれ違い」を取り上げて、その言葉の意味やよくあるパターンなどを紹介していきます。
意味
「すれ違い」にはいくつか意味があります。まず、「触れ合うほど近くを反対方向に通り過ぎること」という意味。こちらは「すれ違いざま」などのように使われます。
また、「時間や位置がずれて、会えるはずが会えないこと」という意味も。人間関係における「すれ違い」は、このことを指しています。
さらに、「議論などで、論点がかみあわないこと」という意味もありますが、総じて2つの矢印が反対方向に向かって食い違っている、というイメージが浮かび上がります。
「すれ違い」の使い方
身近な用例としては、ゲームの「すれ違い通信」や、お互いに勘違いしたまま話が進むことで笑いが生まれる、「すれ違いコント」などが挙げられます。他にも、二人の関係を描いた切ない恋愛ソングの歌詞やタイトルに使われる言葉としても、よく耳にするのではないでしょうか。
「すれ違いざま」の意味は?
「すれ違いざま」は、「すれ違ってほとんど時をおかないうち」という意味です。「すれ違いざまに肩がぶつかる」というように使われます。ちなみに「すれ違いざま」は、「すれ違いが起こる瞬間」を指す言葉です。「すれ違う」こと、そのものを指しているわけではないので、「すれ違い」とは若干ニュアンスが異なります。
類語・言い換え表現
「すれ違い」の類語・言い換え表現を確認して、理解を深めましょう。
1:齟齬(そご)
「齟齬」とは、「物事がうまく嚙み合わないこと、行き違い」という意味です。意見や価値観など2つの物事がずれているというイメージが、「すれ違い」と重なります。「齟齬が生じる」「齟齬をきたす」「齟齬がある」といった言い回しで使われることが多いです。
2:ボタンのかけ違い
「ボタンのかけ違い」という慣用句は「物事の最後になってやっと気づくような、最初に犯してしまった間違い」を指す言葉です。シャツのボタンをかける時、最初のボタンをかけ違えてしまうと、全てのボタンをかけ違える事になります。このように一つの「すれ違い」で、どんどん「すれ違い」が大きくなってしまう事を、「ボタンのかけ違い」と呼びます。
3:食い違い
「言葉が上手に伝わらずに、チグハグになってしまうこと」を「食い違い」といいます。一生懸命説明をしたのに、相手に意味が伝わっていなくて、間違った行動をしてしまうような時は、話のどこかに「食い違い」があったと考える事ができます。「すれ違い」のように、人間関係を指す場合には適しませんが、その人が持っている意見や考えのずれを上手に表すことができます。
英語表現は?
「すれ違い」は英語で何と言うのでしょうか? 複数の意味を持った言葉であるため、それぞれの意味に適した英語表現も異なります。一つひとつ紹介していきます。
まず、「行き違うこと」という意味で「すれ違い」を使う場合は、「passing each other」という言い方ができます。passは「~のそばを通り過ぎる」、each otherは「お互い(に・を)」という意味です。
続いて、「間が悪くて会えないこと」という意味の場合は、「(人)に会い損なう」という意味の「miss~」や「be unable to meet~」(「~と会えない」)という表現が当てはまるでしょう。ある人との関係性や心がすれ違う場合の「すれ違い」は、「grow apart」と言います。「溝ができる」「心が離れる」というイメージです。
最後に、「論点が合わないこと」を指す場合を紹介します。「論点が合わないこと」を「~と意見が異なること」と解釈すれば、「have a different opinion from someone’s」という言い回しが使えます。
「すれ違い」のパターン
最後に、人との「すれ違い」が起こるパターンと、その改善方法を解説していきます。
1:夫婦の「すれ違い」
お互いに相手を理解した上で結婚したはずなのに、なぜか起きてしまう夫婦の「すれ違い」。その原因は、「生活パターンのズレ」や「価値観の相違」などが考えられます。また、長期間一緒にいることで、お互いを尊重し合う気持ちが薄れてしまうのも原因の一つです。
夫や妻との関係を改善するには、まずコミュニケーションの取り方や、生活リズムを見直しましょう。そして、一人で過ごす時間も大切にすることで、気持ちの余裕を取り戻すことができます。そうすれば、お互いを尊重して理解し合えるようになるはずです。
2:カップルの「すれ違い」
恋愛は、「すれ違い」が起こりやすいシチュエーション。付き合い始めは仲が良かったカップルも、次第に「すれ違い」が起こり、気持ちが冷めてしまうなんてこともよくあります。
恋愛における「すれ違い」の改善方法ですが、「すれ違いをなくす」という発想ではなく、「すれ違いを許し合う関係になる」ことが大切です。相手のすること全てに目くじらを立てるのではなく、「私は私、あなたはあなた」と、お互いに寛容になりましょう。
3:LINEでの「すれ違い」
メールやLINEは、表現の仕方によって相手にまったく違う印象を与えてしまうので、「すれ違い」が発生しやすいツールです。親しい間柄であっても、「なんだか怒っているみたい…」「なんでこんなことを質問してくるんだろう?」と、違和感を覚えてしまうこともありますよね。
その「すれ違い」や勘違いを防ぐ方法として有効なのが、感情表現がしやすく、一目で理解できるスタンプ機能です。視覚的に思いが伝えられるので、とても便利ですね。
また、もしも「すれ違い」が生じていると気がついたら、文字ではなく、電話か直接会って誤解を解くようにしましょう。きちんと自分の声で話せば解消できるはずです。
最後に
今回は、「すれ違い」という言葉を取り上げて、その意味や類語、英語表現などを解説しました。最後に紹介したような「すれ違い」は、人間関係にはつきものです。自分と相手の気持ちのバランスを上手くコントロールして、お互いを尊重し合える関係を築きましょう。
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