この記事のサマリー
・「察する」は事情や状況をおしはかって知る、推察する意味で主に用いる言葉です。
・相手の気持ちをおしはかり同情して思いやる意味もあります。
・「察するところ」は表情や態度などから推察して述べる、含みを残す言い方です。
「察する」は、相手の気持ちを思いやるときにも、状況を推し量るときにも使う言葉です。けれど「察するところ」「察するにあまりある」となると、意味の違いがあいまいになりがち。
そこで、この記事では「察する」の意味や使い方、類語を確認していきいます。
「察する」の意味は?
まずは「察する」が持つ意味から見ていきましょう。

意味
「察する」には、3つの意味があります。まず1つ目の意味は、「物事の事情を推察する」ことです。具体的に目に見えるものではなく、その場の雰囲気や言葉遣いなどから、「もしかしたら困っているのでは?」などと推察することを意味します。
2つ目の意味は、相手の気持ちや考えをおしはかって思いやること。3つ目の意味は、物事を深く調べることです。
辞書では次のように説明されていますよ。
さっ・する【察する】
[動サ変][文]さっ・す[サ変]
1 物事の事情などをおしはかってそれと知る。推察する。「気配を―・する」「―・するところ何か隠しているだろう」
2 他人の気持ちをおしはかって同情する。おもいやる。「苦衷を―・する」「彼の悲しみは―・するに余りある」
3 深く調べる。
「人物の体質を―・する学者」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「察する」の「察」には、「調べて明らかにする」「推し量る」などの意味があり、「観察」や「視察」「察知」などの熟語にも使われていますね。
使い方を例文でチェック!
「察する」という言葉は、日常生活で度々使われますが、いくつかパターンがあります。ここでは主な使い方を4つ見ていきましょう。
森の中から何かが近づいてくる気配を察した。
「気配を察する」もよく使われる表現です。まだ姿が見えていなくても、物音や周囲の様子などから、そこに何かがいるのではないかとおしはかる場面で用いられます。
彼氏は最近目を合わせてくれない。察するところ、何かを隠しているのだろう。
「察するところ」は、「事情や状況をおしはかって言うなら」という含みで用いられます。相手の表情や態度などから、直接は確かめられない事情を推察して述べる形です。
相手との距離が近いほど、違和感に気づくことがありますね。

「わざわざ説明しなくても察してほしい」と彼女に言われた。
「察してほしい」は、気持ちをおしはかって理解してほしい、という文脈で用いられます。しかし、言葉にしなくては伝わらないことがあることも忘れずにいたいですね。
兄は先日、高校時代の恩師を亡くした。彼の悲しみは察するにあまりある。
相手の悲しみが深く、言葉だけでは十分に受け止めきれないと感じる場面で使われる表現です。「察するにあまりある」は、相手の気持ちをおしはかって思いやる気持ちはあるが、その大きさを思うと簡単には言い尽くせない、という含みを持ちます。
なお、お悔やみの場面では「お察しします」の形で使われますよ。
類語や言い換え表現は?
「察する」と同じような意味を持つ言葉には、「推測する」「察知する」「勘付く」などが挙げられます。それぞれの意味や違いについてみていきましょう。
推測する
「推測」とは、「ある物事をもとにして推量すること」。例えば、事件の犯行現場にある痕跡をもとにして、真相を想像することなどをいいます。「察する」は、表情などの数値化できないものから想像することが多いですが、「推測」は具体的なデータをもとに推量する傾向があるといえるでしょう。
(例文)犯人の供述から犯行の動機を推測した。
察知する
「察知する」も「推し量って知る」という点で近い語です。文脈によって使い分けはありますが、ここでは「何かを感じ取って気づく」という意味合いで用いられることが多い、と整理しておくといいでしょう。
(例文)彼女は、恋人の言動から浮気を察知した。

勘付く
「勘付く」とは、「直感的に気づくこと」。相手の行動の怪しさやぎこちなさなどから「もしかしたらこうなのではないか?」と気づくことを指します。勘が鋭いと言い換えることもできますね。くだけた場面で使われることが多いでしょう。
(例文)学校をサボったことを母親に勘付かれてしまった。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)
「察する」に関するFAQ
ここでは、「察する」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「察する」の基本の意味は?
A. 事情や状況をおしはかって知る(推察する)こと、また相手の気持ちをおしはかって思いやることを指します。
Q2. 「察するところ」はどんな時に使う?
A. はっきり断定せず、言動や様子を手がかりに「推察して言うなら」という含みで述べたいときに使います。
Q3. 「察するに余りある」のニュアンスは?
A. 相手の悲しみや苦しさが深く、思いやる気持ちはあっても言葉で言い尽くせない、という含みを持ちます。
最後に
「察する」とは、「物事の事情を推察する」「人の気持ちを思いやる」こと。言葉で説明しなくとも、その場の雰囲気や相手の態度などから想像して気を遣うのは日本特有の文化だといえるかもしれません。
ビジネスシーンや葬儀では、目上の人に「お察しします」とお悔やみの言葉を述べることもあるでしょう。相手の気持ちに寄り添った丁寧な言葉遣いを心がけたいですね。
TOP・アイキャッチ画像/(c)Shutterstock.com



