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WORK

2025.08.17

「お休みさせていただきます」は間違った敬語… 正しい表現は?

「お休みさせていただきます」は、仕事を休む連絡を入れるときによく用いられているフレーズ。しかしこの言い回しは敬語としては賛否あり、使い方や相手によっては教養がない印象を与えてしまうリスクも伴います。アラサー世代がよく使う「お休みさせていただきます」について、使用する場面や注意点をまとめました。

並木まき

「お休みさせていただきます」は敬語として誤り

「お休みさせていただきます」は、休むのが自分であるにもかかわらず「休み」に「お」を付けている点が自身を敬っているように聞こえ、敬語として不適切であると受け取られる場合があります。
なお、似た表現である「お休みをいただきます」は「休み」を名詞として使っているので、この場合の「お休み」は丁寧語となり誤用ではないと考えられています。
つまり「お休みさせていただきます」は、よく見聞きするフレーズながらも使うのは避けるべき表現と言えるでしょう。

「お休みさせていただきます」の正しい言い方

(c)Adobe Stock

「お休みさせていただきます」を正しい敬語で伝える言い回しのバリエーションをチェック!

♦︎「休ませていただきます」

自然な謙譲語を使った敬語です。
必要最低限の敬意を表す基本形で、休暇をとることを上司に口頭で報告するシーンや、同僚に対して自分が休む旨を連絡するときなどに用います。
休む理由も添えるならば「本日は体調不良のため、休ませていただきます」などと使いましょう。

♦︎「お休みをいただいております」

比較的カジュアルな表現で、柔らかく丁寧な印象を与える言い回しです。
この場合の「お休み」は「休み」を名詞と捉え、そこに「お」をつけて丁寧にしているので、敬語の誤用ではないという考え方が主流です。
社内チャットやカジュアルなメールで使いやすい表現でしょう。

♦︎「休暇を頂戴いたします」

文書的で、かしこまったニュアンスを与える表現です。
社外やカジュアルではない取引先へのメール、社内の正式な連絡など公的な連絡をするシーンで使いやすいでしょう。
社外への連絡では「休み」という言葉よりも「不在」「休暇」などの表現が好まれがちです。

「お休みさせていただきます」が許容されるケース

話す女性
(c)Adobe Stock

「お休みさせていただきます」は正しい敬語ではありませんが、すでにビジネスシーンでは頻繁に見聞きするフレーズです。
現代において「お休みさせていただきます」の言い回しが許容されやすいケースも解説します。

♦︎社内文化で認められている場合

敬語として厳密には正しくなくても、社内文化として日常会話で用いる分には許容される場面は少なくありません。
たとえば、上司に「本日は体調不良のため、お休みさせていただきます」と電話で伝えるケースは、違和感なく受け取られる場面も珍しくないでしょう。緊急時や当日の連絡では文法の正確性よりも、迅速かつ丁寧であることが優先される傾向もあります。

♦︎若手社員が用いる場合

新入社員や若手の言葉づかいは、少し過剰な敬語でも「頑張っているね」と好意的に受け取られる傾向があるのも事実。
「多少間違っていても、丁寧に話そうとしている」という姿勢が見られると、マナー違反とはされない場面も少なくありません。
ただし誤りだと知ったならば、できるだけ用いないのが賢明でしょう。

♦︎話し言葉の場合

文法的に厳密にジャッジされる場面では使えない言葉でも口語として自然な響きがあると、話し言葉では一般的な言い回しとして使われる場面も多々あります。
「お休みさせていただきます」もこの類で、話し言葉における自然な流れのなかであれば、相手から違和感なく受け入れられている実態があります。

「お休みさせていただきます」を避けるべき場面

メールを打つ女性
(c)Adobe Stock

「お休みさせていただきます」の言い回しは避けたほうがよい場面を、具体的なシーン別にチェックしておきましょう。

♦︎社外の取引先や目上へのメール・文書

敬語として誤りである以上、使うとしてもあくまで社内向け表現にとどめるのが無難です。
社外や目上に対しては「休暇」や「不在」など、より客観的な表現が望ましいでしょう。
また、やたらに「〜させていただきます」を多用すると、冗長な文章として嫌がられる文化もあります。

♦︎公的な内容やビジネスレターなどの正式な文書

正式な文書では「お休み」というカジュアルな言葉は避け、正確かつ簡潔に記すのがベターです。
話し言葉寄りの「お休みさせていただきます」は不適切な印象を与えますので「不在」「休暇」といった単語を用います。

♦︎「不特定多数」が見る文面

掲示物や社内の報告書など不特定多数の人が見る文面では、語感が軽い単語の使用はできるだけ控えるべき。
「お休み」も語感が軽い言葉なので、正式なビジネス上の文書で用いる言葉としては正確さに欠けるだけでなくフォーマルな印象も薄いため、できるだけ避けるほうが賢明でしょう。

形式的には誤用でも、実務では“許容”されることも多いのが「お休みさせていただきます」

「お休みさせていただきます」は、敬語としてはやや不自然な言い回し。ですが、相手に失礼のない表現を使いたいという気持ちが表れていることや、すでに多用されていて聞き慣れた柔らかい語感になっている背景などから、実務上では許容されることも多いのが実態です。
ただし、状況や相手に応じてもっと適切な言い換えを使えると、より好印象を狙えるでしょう。

TOP画像/(c)Adobe Stock

並木まき

ライター、時短美容家、メンタル心理カウンセラー。企業研修や新人研修に講師として数多く携わっている。シドニー育ちの東京都出身。28歳から市川市議会議員を2期務め政治家を引退。数多くの人生相談に携わった経験や20代から見てきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様を活かし、Webメディアなどに執筆。

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