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この記事のサマリー
・「答える」は、相手からの声掛けや、問いに対して返事や解答を出すことを意味します。
・「応える」は、相手からの働きかけに対して、それに添うような反応を示すときや、外からの刺激を身に感じたときなどに使います。
・問いに返す場合は「答える」、期待や刺激などに対応する場合は「応える」を選びます。
ビジネスメールの中で、「答える」と「応える」のどちらを使うべきか迷った経験はありませんか? どちらも「こたえる」と読むため、つい同じ意味だと思いがちですが、実は使う場面が異なります。
この記事では、『デジタル大辞泉』や『日本国語大辞典』などの辞書をもとに、両者の正確な意味と使い分けのポイントを整理して紹介します。
「答える」と「応える」はどう違う? 正しく使い分けるための基礎知識
まずは、「答える」と「応える」の意味を確認していきましょう。
「答える」の意味と使い方
「答える」は、相手からの声掛けや、問いに対して返事や解答を出すことを意味します。
『デジタル大辞泉』(小学館)では、次のように定義されています。
こた・える〔こたへる〕【答える】
[動ア下一] [文]こた・ふ[ハ下二]《「応える」と同語源》
1 相手からかけられた言葉に対して返事をする。「元気よく、はい、と―・える」
2 質問や問題に対して解答を出す。「設問に―・えなさい」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
例えば以下のような具体例が挙げられます。
「質問に答える」
「試験に答える」
「呼びかけに答える」

「応える」の意味と使い方
一方で「応える」は、相手からの働きかけに対して、それに添うような反応を示すときや、外からの刺激を身に感じたときなどに使います。
『デジタル大辞泉』(小学館)では、次のように定義されています。
こた・える〔こたへる〕【応える】
[動ア下一][文]こた・ふ[ハ下二]
1 働きかけに対して、それに添うような反応を示す。応じる。報いる。「期待に―・える」「要求に―・える」「手を振って―・える」
2 外からの刺激を身に強く感じる。「寒さが骨身に―・える」「父の死が―・えた」
3 反響する。こだまを返す。「山びこが―・える」
4 心にしみわたる。しみじみと感じる。
「暁の嵐にたぐふ鐘の音を心の底に―・へてぞ聞く」〈千載・雑中〉
5 あいさつする。断る。告げる。
「銀(かね)は今日請け取る。ただし、仲間へ―・へうか」〈浄・冥途の飛脚〉
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
例えば以下のような具体例が挙げられます。
「期待に応える」
「声援に応える」
「愛情に応える」
「今年の暑さは応える」
「振られてしまい、身に応える」
「堪える」との違いも確認
ここでは、同じ読み方をする「堪える(こたえる)」についても確認しましょう。「堪える」は「耐える」「我慢する」という意味を持ちます。
『デジタル大辞泉』によれば、「堪える」は以下のように定義されています。
こた・える〔こたへる〕【▽堪える】
[動ア下一][文]こた・ふ[ハ下二]
1 耐える。こらえる。がまんする。「―・えられない暑さが続く」→堪(こた)えられない
「一呼吸(いき)でも―・えられるか何(ど)うだか」〈鏡花・歌行灯〉
2 (多く、動詞の連用形に付いて複合語をつくる)耐えつづける。保つ。「これだけあれば一年くらいは―・える」「最後まで踏み―・える」「もち―・える」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
例えば次のような使い方をします。
「暑くて堪えられない」
「どうにか持ち堪える」

「答える」と「応える」の使い方を例文で確認
ここからは、「答える」と「応える」がどのような場面で使い分けられるのかを、具体的な例文で見ていきましょう。
「問いに返すのか?」「相手の働きかけや気持ちに応じるのか?」という視点を意識すると、自然な使い分けができるようになります。
司会者の質問に、落ち着いて答えました。
問いかけに対して言葉や内容で返す場面では「答える」を使います。質疑応答や会話など、明確な問いがある場合が典型例です。
制限時間内に、すべての設問に答えることができました。
問題に対して正解や解答を出す意味でも「答える」が用いられます。「応える」に置き換えることはできません。
多くの声援に応えるため、選手たちは全力でプレーしました。
この場合は、相手の気持ちや期待に添う行動を取るという意味になるため「応える」が適切です。言葉ではなく、行動や姿勢で示す点がポイントです。
彼の真剣な思いに応え、プロジェクトへの参加を決めました。
相手の思いや気持ちを受け止め、それに沿った判断をする場合も「応える」を使います。単なる返事ではなく、心の動きへの反応を表しています。
名前を呼ばれて、「はい」と元気よく答えました。
呼びかけに対する直接的な返事は「答える」が基本です。
英語でどう使い分ける?「答える」「応える」のニュアンスの違い
「答える」は”answer”や”reply”、”give an answer”。「応える」は”live up to”や”reward”が対応します。ここでは代表的な表現と実用例を紹介します。
例文:
“I’ll answer your question later.”
(その質問にはあとで答えます。)
“He lived up to his mother’s expectations.”
(彼は母親の期待に応えた。)
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)

「答えると応える」に関するFAQ
ここでは、「答えると応える」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「質問に応える」という表現は正しいですか?
A. いいえ。「質問」には「答える」を使います。
Q2. 「応援に応える」は自然な使い方ですか?
A. はい。「応援」は感情的・心理的な働きかけなので、「応える」を使うのが適切です。
Q3. 「答える」と「堪える」は意味が似ていますか?
A. 読み方は同じですが、「堪える」は「我慢する」という意味であるため、似ていません。混同しないよう注意しましょう。
最後に
「答える」と「応える」は、どちらも「こたえる」と読みますが、使う場面が異なります。
問いや質問に対して内容を返すのが「答える」、期待や気持ち、働きかけに対して行動や姿勢で示すのが「応える」。この違いを押さえるだけで、文章の意味はぐっと明確になります。
状況に応じて適切な「こたえる」を選べば、伝えたい気持ちや判断は、より正確に届くはずですよ。
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