目次Contents
この記事のサマリー
・「配布」は広く行き渡らせ、「配付」は確実に相手に渡すことを指します。
・法令用語としては「配布」に統一することになっています。
・例えば会議資料は「配付」、チラシや広報紙は「配布」というように使い分けます。
ビジネスメールを書くときに、「配布」と「配付」のどちらを使うか迷った経験はありませんか? どちらも「配る」ことを表しますが、実は対象や目的によって使い方が異なります。
この記事では、信頼できる辞書の情報をもとに、正確な意味と使い分けを整理。実例を交えてわかりやすく解説します。
「配布」と「配付」の違いを整理
まずは「配布」と「配付」の意味を確認しましょう。
「配布」の意味|広く行き渡らせること
「配布」は、「広く行き渡るように配ること」を指します。辞書では次のように説明されていますよ。
はい‐ふ【配布】
[名](スル)配って広く行き渡らせること。「駅前でちらしを―する」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
「広く・多数に」届ける行為を指します。したがって、駅前でのチラシ配りや町内への広報紙の配布など、不特定多数を対象にする場合の表記に適しています。
「配付」の意味|各人の手に渡すこと
一方、「配付」は「確実に相手に届けること」を意味します。辞書では次のように説明されていますよ。
はい‐ふ【配付】
[名](スル)配って各人の手に渡すこと。「出席者に資料を―する」
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
例えば、会議で出席者に資料を「配付」したり、学校で生徒にプリントを「配付」する場合がこちらの表記に当たります。
違いのポイントを比較
「配布」は「広く行き渡るように配る」こと
「配付」は「限定された人々に確実に届くように配る」こと
と区別されています。
例えば「ちらし」や「広報紙」、「販促ポケットティッシュ」などは配布、「会議資料」や「投票用紙」などは「配付」を使います。
配布は範囲の広さ、配付は確実性に重点があると覚えておくとわかりやすいでしょう。

法令用語では「配布」に統一
『使い方の分かる類語例解辞典』(小学館)によると、「法令用語としては『配布』に統一する」と明記されていますので、覚えておきたいですね。
参考:『使い方の分かる 類語例解辞典』(小学館)、『角川類語新辞典』(角川書店)
「配布」と「配付」の使い分けを例文でチェック!
「配布」と「配付」を使った具体的な例文を通して、さらに理解を深めていきましょう。
駅前でイベントのチラシを配布しました。
不特定多数を対象に、広く行き渡らせることが目的のため「配布」を使います。それよりもさらに広範囲の不特定多数の人たちに配る場合は、「頒布(はんぷ)」を使いますよ。
会議の冒頭で、出席者全員に資料を配付しました。
配る相手が明確で、一人一人に確実に渡す必要があるため「配付」が適切です。
研修開始前に、参加者へテキストを配付してください。
対象者が限定されており、漏れなく届けることが前提のため「配付」を用います。
自治体が発行する広報紙は、各家庭に配布されています。
各家庭に届くとはいえ、目的は地域全体に広く知らせること。このように、範囲の広さが重視される場合は「配布」が選ばれます。
英語ではどう表す?|“distribute”と“issuance”の使い分け
英語で「配布・配付」を表すときは、 “distribute” と “issuance” が使われます。それぞれ紹介していきましょう。
“distribute”=一般的な「配布・配付」
“distribute” は、「配る」「行き渡らせる」という意味です。幅広い場面で使える汎用的な表現です。
例文:“A notice was distributed to each household.”
(通知書が1軒1軒に配付された。)
“issuance”=文書や通知などの「配付・発行」
“issuance” は、「発行・配付・配給・発布」を意味する名詞です。
例文
“The issuance of a report was announced.”
(報告書の配付が発表された。)
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)

「配布と配付の違い」に関するFAQ
ここでは、「配布と配付の違い」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「配布」と「配付」は、どちらも正しい言葉ですか?
A. どちらも辞書に掲載された正しい日本語です。ただし、「配布」は広く行き渡らせること、「配付」は一人一人に確実に渡すことを表します。
Q. 法令用語としては、どちらを使うのが正しいですか?
A. 「配布」です。
Q4. 「配布」や「配付」の英語表現は何ですか?
A. “distribute” が一般的です。
最後に
「配布」と「配付」の意味には、違いがあることがわかりました。違いを理解しておくと、文章の正確さと信頼性が高まります。目的や対象を意識して言葉を選び、日常のメールや資料作成などに生かしてみてください。
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