目次Contents
「熱に浮かされる」の意味と由来
「熱に浮かされる」という表現は、二つの意味があります。元々は病気で高熱を出し朦朧とした状態で正常な判断ができない状態から、うわ言をいってしまうという意味でした。
そこから派生し、「特定のことに夢中になって冷静な判断や行動ができなくなる」という意味を持つようになったとされています。普段の会話で使われるのは、後者の方が多いようですね。
「熱に浮かされる」の正しい使い方と例文
「熱に浮かされる」は、感情や情熱が冷静さを欠いて行動や判断に影響を与える状況で使う言葉です。例文を2つご紹介します。
「熱に浮かされる」の例文1
「インフルエンザにかかった彼は、何日も熱に浮かされていた」
こちらは元々の意味での使われ方。高熱で意識が朦朧としていることを表しています。
「熱に浮かされる」の例文2
「彼は熱に浮かされたように四六時中研究に没頭した」
こちらは元々の意味から派生した、二つ目の使われ方。ある特定のことに夢中になって、時間を忘れて打ち込んだことや集中して取り組んだことを表した例文です。
「熱に浮かされる」の間違った使い方
「熱に浮かされる」「熱にうなされる」「熱に冒される」など、響きも意味も似た言葉がいくつかあります。正しく使い分けられるよう、それぞれの意味と使い方をチェックしておきましょう。
「熱にうなされる」
誤:「彼は熱にうなされてプロジェクトの判断を誤った」
正:「彼は熱に浮かされてプロジェクトの判断を誤った」
言葉の響きやニュアンスは似通っていますが、「熱にうなされる」は熱によって苦しい思いをするといった病状を表す表現です。
「熱に冒される」
誤:「彼は熱に冒されて新しいビジネスアイデアを思いついた」
正:「彼は熱に浮かされて新しいビジネスアイデアを思いついた」
こちらも「熱に浮かされる」と響きや意味が似通っていますが、「熱に冒される」は具体的な病気にかかることを指す表現です。
言い換え表現はある?「熱に浮かされる」に類語表現
熱で朦朧とした状態で判断を誤る、もしくはそこから派生して夢中になるという意味を持つ、「熱に浮かされる」という言葉。ニュアンスの近い言葉のひとつに「のぼせる」があります。「のぼせる」は、「頭に血が上ってぼうっとする」や「うわごとを言う」という意味合いから派生し、「判断がつかなくなる」や「血迷う」という意味で使われることがあるようですね。
「熱」を使ったことわざはある?
「熱に浮かされる」という言葉は、ことわざに分類されるとも言われています。そこで、「熱」を使ったことわざを3つご紹介します。
鉄は熱いうちに打て
このことわざは、物事を成功させるためには適切なタイミングで行動する必要があることを表現しています。鉄が熱いうちに打つことで形作りやすいように、行動や決断も適切なタイミングで行う必要があると教えています。
熱をあげる
盛り上げる、興奮させる、夢中になるといった意味で使われる言葉です。好きなアーティストやアイドル、キャラクターに夢中になったりのめり込んだりしている状態を指して使うことが多いですよね。
熱が覚める
「熱をあげる」と反対に、「熱が覚める」はそれまで情熱を注いでいたものに対し、興味や情熱が薄れることを指します。
まとめ
耳にすることも多い言葉ですが、間違って覚えていることも多い、「熱に浮かされる」と言う言葉。混同しやすい言葉も多いので、それぞれの意味やニュアンスの違いを理解しておきたいですね。