理路整然の意味とは?
理路整然は「りろせいぜん」と読みます。物事が道理に当てはまっているという意味です。文章や論旨に矛盾や綻びがなく、筋道がきちんと通っていることを表します。
基本的にポジティブな意味合いになり、思考や話し方、文章などの褒め言葉としても使われます。
ここでは、理路整然の意味や言葉の由来などをみていきましょう。
言葉の由来
理路整然の「理路」は、話の筋道や物の道理という意味です。「整然」は正しく整っていることを表します。
これらを組み合わせた理路整然は、話や文章などがしっかりして破綻がなく、きちんと秩序立てて論理を展開しているという意味です。
理路整然の明確な由来は不明ですが、小説家・里見弴の著書「今年竹」(1919年〜27年)に「理路整然たる言葉を静かに滑らかに」という記述が残されています。
褒め言葉として使われる
理路整然は、基本的にポジティブなニュアンスになります。理路整然とした話し方・文章は、特にビジネスシーンなどで褒め言葉として使われることも多いでしょう。
「説明が理路整然としてわかりやすい」「理路整然とした文章で読みやすい」というように称賛されることも少なくありません。
理路整然と話す人は、仕事ができる印象を与え、信頼できる人物として評価が高まる傾向にあります。
理路整然と話す女性は嫌われる?
理路整然とした話し方や文章はわかりやすく、称賛の対象になります。一方で、「理路整然と話す女性は嫌われるのではないか」と考える人もいます。
実際に、理路整然と筋道を立てて説明されると反論のしようがなく、「可愛げがない」と感じる男性がいるかもしれません。「主張が強い」と感じて反感を抱かれる可能性があります。
理路整然としていること自体は悪いことではありませんが、言葉遣いに柔軟性がなく、相手を論破しようとする姿勢になると嫌われてしまう可能性があるでしょう。
理路整然の例文
理路整然を使った例文をいくつかご紹介します。文脈の中で理路整然がどのように使われるのかをみれば、言葉の意味がより深く理解できるでしょう。
・彼は理路整然とした思考ができるので、何か問題が起きたときもすぐに解決できる
・彼女のプレゼンテーションは理路整然としていて、誰もが内容を理解できた
・彼の理路整然とした主張には、誰も反論できなかった
・.説明書は理路整然と記載されていたので、簡単に部品を取り付けることができた
・相手に良い印象を与えるためには、理路整然と話すだけでなく、表情や話し方にも注意しなければならない
理路整然の類義語
理路整然には、次のような類義語があります。
・論理的
・首尾一貫
「論理的」はきちんと筋道を立てて考えることで、理路整然と共通しています。「首尾一貫」は、始めから終わりまでひとつの筋を通すという意味で、筋道が通って矛盾がないという意味の理路整然の類義語といえるでしょう。
類義語も一緒に覚えれば、語彙を増やすことができます。理路整然の類義語をさらに詳しく解説します。
論理的
論理的(ろんりてき)とは、物事を体系的に整理し、矛盾や飛躍をせず筋道を立てる様子です。「論理」には「議論・思考・推理などを進めて行く筋道」「物事の中にある道理」といった意味があります。物事が道理に当てはまっているという意味の理路整然とは、同義といえるでしょう。
(例文)
・論理的な思考ができると、問題が起きたときも解決策を導き出すことができる
首尾一貫
首尾一貫(しゅびいっかん)とは、最初から最後まで、主張や方針などが変わらないという意味です。物事に対する姿勢が一貫し、ぶれることがない様子を表します。
「首尾」には始めと終わり・前と後という意味があり、「一貫」は、始めから終わりまで主義や主張を貫き通すという意味です。これらを合わせて、「始めから終わりまで筋が通っている」という意味になります。
(例文)
・彼はいつも首尾一貫した説明をするため、誰も反論することができない
理路整然の対義語
理路整然には、以下のような対義語があります。
・支離滅裂
・滅茶苦茶
理路整然は物事が道理に当てはまり、筋道が通っているという意味であり、その対義語には一貫性に欠けているという意味の支離滅裂や滅茶苦茶が当てはまります。
対義語を覚えることで、理路整然の意味がより詳しく理解できるでしょう。
ここでは、理路整然の対義語を解説します。
支離滅裂
支離滅裂(しりめつれつ)とは、趣旨がばらばらで一貫性に欠けているという意味です。発言や主張の内容が矛盾しているときや、言葉と行動が一致しないときに使われます。
「支離」とは細かくばらばらに離れるという意味で、「滅裂」とは統一性がなく形を失うという意味です。これらを合わせ、話や文章などにまとまりがないことを表します。
(例文)
・大事なスピーチで失敗しないように考えすぎて緊張してしまい、話が支離滅裂になってしまった
滅茶苦茶
滅茶苦茶(めちゃくちゃ)とは、まったく筋道が通らないこと、度を越していることを表します。滅茶苦茶の「滅茶」は「無茶」が変化したもので、その語源は仏教用語の「無作(むさ)」とされています。
それに「苦茶」という言葉をつけて語調を整え、「滅茶」の意味を強めた言葉だということです。
(例文)
・彼は一生懸命説明していたが、その内容が滅茶苦茶で、何を言っているのか誰にもわからなかった
理路整然と話せるようにしよう
理路整然とは話や文章などが道理に当てはまり、矛盾や綻びがなく筋道が通っているという意味です。ポジティブな意味で使われ、褒め言葉になることも少なくありません。
特にビジネスシーンでは理路整然と説明できることが重視されます。ただし、理路整然とするあまり主張が強すぎると反感を抱かれることもあるため、注意が必要です。
理路整然には類義語・対義語があり、一緒に覚えておけば表現の幅を広げ、言葉の理解も深まるでしょう。