理詰めとはどんな意味?
「理詰め」と聞くと、なんとなく理屈っぽいイメージが思い浮かびますが、正しい意味を知らない方も多いのでは? まずは、言葉の意味を確認しておきましょう。
意味
「理詰め(りづめ)」とは、「思考・議論などを、論理や理屈で押し通すこと」。論理や理屈は、物事を進めていく筋道を表すため、悪い意味ではありません。ただし、理詰めという言葉が持つ「物事を押し通す」というニュアンスはやや強引な印象もありますね。周囲の意見を聞かず、無理やり自分の意見に従わせようとする人に対して使われることが多い表現です。
似た表現
理詰めと似た意味を持つ言葉には、「論理的」「理にかなう」「筋が通る」などがあります。「論理的」とは、「論理にかなっているさま」のことで、きちんと筋道を立てて考えることを表します。また、「理にかなう」は、「理屈・道理に合うこと」。「筋が通る」は、「物事が正しく行われていること」です。
ただし、これらの言葉には「理詰め」が持っている「押し通す」という意味合いがありません。単純に、意見や話の筋道が通っていることを伝えたい場合に使いましょう。
・彼は論理的な思考がきちんと身についている。
・その企業の人材育成方法は理にかなっていると思う。
・確かに部下の話は筋が通っている。
理詰めをする人の特徴とは?
理詰めをする人には、具体的にどのような特徴があるのでしょうか? 身近に当てはまる人がいないかどうかチェックしてみましょう。
1:正論ばかり話す
理詰めをする人は、物事を論理的に考えて結論を出すことが得意。そのため、人よりも結果を出すのが早く、勉強や仕事がデキるタイプが多いでしょう。しかしその一方で、自分が正しいと思い込んでいたり、他人の感情を汲み取ったりすることが苦手な一面も。無理やり自分の論理を押し通して、相手を不快にさせてしまうことがあるようです。
2:専門用語が多い
理詰めをする人は、普通の会話の中でも専門用語やカタカナ語を使いたがる傾向が。相手がまだ話し終えていないのに「それってつまりこういうことだよね?」と先に結論を言ってしまうこともよくあります。わざと難しく話したり、厳しく問い詰めるような物言いをすることもあるので、周囲の人から怖い印象を抱かれがちです。
3:相手より優位に立とうとする
わざと難しい話をしたり、自分の意見を押し通そうとするのは、「相手よりも優位に立ちたい」という心理の表れ。口を挟ませる隙を与えないことで、相手のことを従わせたいと考えているのかもしれません。また、自分のスキルや学歴などに自信を持っている人も多く、自信過剰になっている可能性も。そのため、他人に対して偉そうな物言いをしたり、高圧的な態度をとってしまうのです。
使い方を例文でチェック!
理詰めという言葉を耳にするものの、実際に使う機会は少ないかもしれません。理詰めの正しい使い方を理解しておきましょう。
1:彼は理詰めで話す癖があるので、どうも苦手だ。
理詰めはよく「理詰めで話す」というように使われます。「話す」「責める」などの動詞とセットで使うのが一般的です。理詰めで話をすると、難解な内容に聞こえるため、人から利口な印象を持たれることも。しかし、「話が難しくてわからない」と相手から敬遠されることもあるようです。
2:上司に理詰めで追及され、何も言い返せなかった。
「理詰めで追及する」「理詰めで責め立てる」という表現もあります。一方的に正論や意見を言われ続けて、とても太刀打ちできない状況が想像できますね。「理詰めで話す」よりもさらに強引なニュアンスのある表現です。
3:彼はその案件を取引先に理詰めで承諾させたようだ。
理詰めは、相手のことを必死に説得させようとしているときに使われることが多い言葉です。そのため、「理詰めで承諾させる」「理詰めで説得させる」というように使われることも。ビジネスシーンでは、うまく相手を丸め込む戦法の一つとして用いられることもあるようです。
理詰めをする人への対処法とは?
理詰めをする人は、なかなか自分の非を認めない頑固な一面も。恋人が理詰めをするタイプで疲れる、言い合いになるといつも負けてしまう… という人も多いかもしれません。ここでは、理詰めをする人の性格を踏まえて、適切な対処法を押さえておきましょう。
1:「そうなんですね」と一度肯定する
特に年上の上司やプライドが高い男性は、相手から反論されることが苦手。自分が正しいと考えていることに対して、「それはどうでしょうか」「違うと思います」などと言われると、カッとなってしまいます。理詰めで話す男性の話は、「そういう意見もありますよね」などと一度肯定して受け止めるのがポイント。「こちらに敵意はない」という姿勢を見せることで、意見を聞き入れてもらいやすくなるでしょう。
2:適度に距離を置く
理詰めをする人の中には、否定的なことばかり口にする人もいます。彼氏や上司に「お前にできるわけがない」などと言われて、自信をなくしてしまうこともあるかもしれません。しかし、偉そうなことを言ってくるのは、相手に優位に立たれることへの恐怖心がある可能性も。理不尽なことを言ってくる人とは距離を置いて、自尊心を守りましょう。
3:適度に受け流す
毎日顔を合わせる人が理詰めをするタイプだと、話をするのもしんどいですよね。いちいち相手のペースに合わせるのに疲れたと感じたら、適度に受け流すことも必要です。「そうなんですね」「手が離せないので、また今度」などと相槌を打って、その場をうまく切り抜けましょう。
最後に
理詰めをする人は、自分の考えが正しいと思っている傾向があるので、なかなか自分の間違いに気がつかないところが困ったところです。普段はそうでない人でも、自分の得意分野の話になると理詰めになってしまいやすいもの。自分自身も同じような態度を取っていないかどうか気をつけたいですね。
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