目次Contents
「自我が強い」とは?
「自分の信念がはっきりしていて、意志を貫こうと押し出すさま」のことを「自我が強い」と表現します。また、そういった特徴を持つ人のことを「自我が強い」人と表現する場合も。
「自我が強いね」と言われたときは、「信念があってすばらしいね」というニュアンスの他に、「融通が利かないな」ということを暗に皮肉っている場合もあります。そのニュアンスの違いを理解するために、「自我」という言葉について、もう少し深堀りしてみましょう。
そもそも「自我」とは?
「自我」は、様々な分野の学問で重要視されている概念のひとつです。例えば、哲学では「知覚や思考、行為、意志などの要素によって、他者や外界から区別された自己同一的な主体としての自分」という少し難しい抽象的な概念を「自我」としています。
他にも、社会学や心理学でも研究がされているので、軽く触れておきましょう。社会学では、「自我」を「他人との関わりを通して浮かびあがるもの」としています。一方、心理学はやや哲学と似た捉え方をしているようです。心理学では、「行動や意識の主体」のことを「自我」といいます。
「自我が強い」人の特徴とは?
哲学と社会学、心理学においてそれぞれ「自我」がどのように捉えられているのかを紹介しました。抽象的ですこし難しいと感じた人もいらっしゃるかもしれません。そこで、どんな人が「自我が強い」人といえるのか、具体的に見ていきましょう。
1:自己中心的な一面がある
「自我が強いね」と嫌味的に使われる場合は、この自己中心的な性格が揶揄されていることが多いです。「自我」は「自分」の「自」と「我(われ)」という自分自身を表す漢字を重ねて成り立っている熟語です。
つまり、「自分自身の意志を押し出しすぎて、我儘になっている」というニュアンスを「自我が強い」と表現しています。
2:プライドが高い
「自我が強い」人は、プライドが高い人が多い傾向にあります。もちろん、自分の仕事や自分自身にある程度のプライドを持つことはモチベーションを保つうえで大切といえるでしょう。しかし、「自我が強い」人は、自分が一番という自負がある人が多いので、注意されたり、アドバイスされたりすることをマイナスに捉えることが多いようです。
3:こだわりが強い
「自我が強い」人は、「自分の信念がはっきりしていて、意志を貫こう」とする人ということができるでしょう。つまり、他者に譲れないこだわりを持っている人が多いです。そのため、アーティストやクリエイティブな仕事をする人は「自我が強い」と呼ばれることが多い傾向にあります。
「自我が強い」人の長所とは?
「自我が強い」人の特徴を見てみると、良い部分がある反面、短所になってしまう部分も感じられたのではないでしょうか。続いては、「自我が強い」人の長所にスポットを当ててみましょう。
1:安易に周りの意見に流されない
自分軸がしっかりしている「自我が強い」人は、安易に周りの意見に流されません。多くの人が賛成している事でも、自分が「違うな」と感じたら、自分の意見を発信することができる人が多いです。
マジョリティーの意見が必ずしも正しいというわけではありません。自分で考えて、意見を表明できるのは、「自我が強い」人の長所と捉えられるのではないでしょうか。
2:自分の気持ちに正直
「自我が強い」人は、安易に周りの意見に流されない長所があると紹介しましたが、同調圧力に屈しないため、自分の気持ちに正直であるということができます。
自分に対して嘘をつかないという点で、その信念の強さを信頼されるというメリットも。
3:自信がある
自分を信じるということは、自分に自信がないとできないことでもあります。「私なんて…」と言っている人よりも、自信があって堂々としている人のほうが魅力的に見えませんか?
「自我が強い」人の短所とは?
「自我が強い」人は、個性があってメリットも沢山あることが分かりました。しかし、長所は短所と表裏一体。次に短所について見てみましょう。
1:ストレスが溜まりやすい
こだわりが強く、自分の意志を貫きたい「自我が強い」人は、時として柔軟に対応できないことがあります。「こうではないとだめだ」という気持ちがあるため、ストレスが溜まりやすいのです。
2:協調性がないと思われがち
「自我が強い」人は、自分に自信がある分、自分の意見が正しいと思い込む傾向があります。そのため、グループワークなど、他者とコミュニケーションを取らなければならない作業のときに独断で進めてしまう場合も。
3:自分の失敗を認められない
プライドが高い一面のある「自我が強い」人は、自分の失敗を認められないという短所が挙げられるでしょう。自分を信じているからこそ、完璧を求めてしまうといえるのかもしれませんね。
「自我が強い」特徴を活かすにはどうしたら良い?
ここまでで、「自我が強い」人の長所と短所は理解できたでしょうか? 短所を長所に変えることができたら、さらに人として成長できることでしょう。最後に、「自我が強い」特徴を活かす方法について紹介します。
1:相手を理解しようとする気持ちを忘れない
「自我が強い」人は、自分の意見を押し通してしまいがち。そんなときこそ、相手がどういう意見を持っているのか、何を伝えたいのかに耳を傾けることを思い出してください。
自分と意見が違うなと思っても、頭ごなしに否定するのではなく、理解を示すことで友好な関係を築けるのではないでしょうか。
2:論理的に説明するように心がける
自分の意見を相手に受け入れてもらいたいときは、無理やり押し付けるのではなく、「なぜその意見がいいのか」「どんなメリットがあるのか」などを論理的に説明するように意識してみてください。言葉に説得力を持たせることで、自分の意見を受け入れてもらえるようになるのではないでしょうか。
最後に
「自我が強い」とは、「自分の信念がはっきりしていて、意志を貫こうと押し出すさま」のこと。自分軸を大切にしながらも、他者との関係性を大切にすることで、ビジネスシーンにおいてもプライベートにおいても豊かに生活できるようになるはずです。
TOP画像/(c)Shutterstock.com