「論理的」の意味や由来は?
人の性格を表す際や、議論の場でよく耳にする「論理的」。なんとなく意味はわかるけれど、言葉で説明できない人も多いのでは? この機会に改めて意味を確認しておきましょう。
意味
「論理的」とは、きちんと筋道を立てて考える様子を表します。「論理」には「考えや議論などを進めていく筋道」という意味があり、「論理的」とは、その「論理」にかなっているさまを表します。
由来
歴史は古く「論理学」という学問は、紀元前まで遡ります。古代ギリシャの哲学者アリストテレスが、思考の法則・形式を明らかにする学問として体系化しました。
類語、対義語、英語表現は?
簡単に「論理的」の意味を説明しました。加えて、類語や対義語、英語表現も確認しましょう。関連語も習得することで、より明確に言葉のニュアンスを理解できますよ。
類語
「論理的」の類語は「合理的」。漢字からも推測できるように「道理にかなっている様子」を表します。「道理」は「論理」と同じく「ものごとの筋道」という意味。また、そこから派生して「合理的」は「無駄がなく効率的な様子」も表します。
ところで「論理的」と「理論的」という二つの言葉、字面が似ていて、違いがあやふやになっている人はいませんか? 「理論」とは「個々の現象を、法則的・統一的に説明できるように、体系化したもの」という意味。そのため「理論」は「論理」の要素といえます。
対義語
「論理的」の対義語は「非論理的」「直感的」「感情的」などがあります。直感や感情は、一時的なもので、筋道を立ててものごとを把握することとは対照的ですね。
英語表現
「論理的」は英語で「logical」です。「ロジカル」とカタカナ英語にもなっていますので、身近な言葉でしょう。「ロジカルシンキング」という言葉もよく耳にしませんか? 英語で「logical thinking」と表記し「論理的思考」を意味します。
ちなみに、先ほど類語で説明した「理論的」。日本語だと字面が似ていますが、英語では「theoretical」と表現します。名詞の「theory」もカタカナ英語「セオリー」としてよく耳にしますね。英語で見ると、全く別の言葉であることが理解しやすく、混同しにくくなるでしょう。
「論理的」思考とは?
英語表現でも触れた「論理的思考(ロジカルシンキング)」。主にビジネスシーンで、問題解決のためには「論理的思考」が重要であるとされています。一体どのような思考法なのでしょうか。
「論理的思考(ロジカルシンキング)」の定義
「論理的思考(ロジカルシンキング)」はデジタル大辞泉において「論理的な考え方とその技法」と定義されています。つまり「筋道を立てて考えるための方法」です。
感情や直感で考えない
「論理的」の対義語は「感情的」「直感的」でしたね。問題解決を目的とした議論の場では、焦りや不安といった「感情」が強くなり、熟考せずに「直感的」に発言してしまうなど「論理的」に考えられなくなりがち。では、そんな時「論理的思考」を維持するためにはどうすればいいのでしょう。
主張と根拠を明確にすること
筋道を立てて考えるためには、問題を正しく把握し、その解決策となる自分の主張と根拠を明確にすることが大切です。感情や直感に基づいた主張は根拠がないため、周囲の理解も得にくくなります。
主張と共に根拠を示すことで、客観的に理解しやすくなり、また自分自身も考えを整理しやすくなります。
演繹法と帰納法
主張と根拠を明確にする方法として「演繹法」(えんえきほう)と「帰納法」があります。数学の授業で聞いたことがある人もいるかもしれませんね。
「演繹法」とは、「一般的な理論」を「特殊な事例」つまり今回で言えば「議論で解決すべき問題」に当てはめて推論し、結論を導き出す方法です。この時、一般的な理論は、主張の根拠になりうる「誰もが納得するもの」である必要があります。
一方「帰納法」は、演繹法とは逆に「多くの事例」から「一般的な法則」を推論し、結論を導く方法です。つまり、他社や他部署の似たような事例を集め、どのように解決したかを参考に、解決方法を探ります。
「論理的思考」ができる人の特徴
あなたは「論理的思考」ができていましたか? また、あなたの身の回りに「論理的思考」の持ち主はいたでしょうか? 次に「論理的思考」ができる人の特徴をいくつか紹介します。いくつ当てはまるか、チェックしてみましょう。
1:何事に対しても疑問を持つ
「論理的」な人は、物事を当たり前と捉えず「なぜこの方法なのか」「なぜこの作業が必要なのか」と考える傾向にあります。その結果、物事の本質を理解し、効率的な判断や行動に結びつきます。
2:説明が上手
考えや知識量が異なる他者にも理解できるように説明することは、簡単ではありません。わかりやすい説明の特徴とは、主張と根拠を明確に話すこと、順序立てて話すこと、そして相手の立場に合わせて話すこと、などが挙げられます。
「論理的」な人との会話は、「話がわかりやすい」「疑問が解消される」「納得できる」という感想を持つ人も多いでしょう。
3:感情をコントロールできる
「論理的」な人は、物事を客観的に捉えるため、自分の感情にとらわれにくい傾向があります。余分な感情で物事の本質を見失わないため「いつも冷静だ」と思われることも多いでしょう。
「論理的」な人の主な特徴を3つ挙げましたが、現在は、インターネット上で「論理的思考力」を採点するテストを掲載しているサイトもあります。内容は、転職エージェントが作成したものから、ゲーム感覚で解けるものまで様々。興味があれば、挑戦してみてください。
最後に
よく耳にするけれど説明しづらい「論理的」という言葉の意味から、主にビジネスシーンで注目される「論理的思考(ロジカルシンキング)」まで解説しました。「論理的思考」ができていなくても、落ち込むことはありません。「論理的思考」は今からでも鍛えることが可能です。仕事のスキルアップにも期待が膨らみますね。
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