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2024.02.17

「蟷螂の斧」とは? ビジネスシーンでの使い方、似た意味のことわざを解説

「蟷螂の斧(とうろうのおの)」は、「力の弱い人が身の程をわきまえずに強敵に立ち向かうこと」。カマキリが前足を上げて威嚇する姿から作られました。本記事では、「蟷螂の斧」の意味や使い方、類語となる「窮鼠猫を噛む」などのことわざを解説します。

仕事やスポーツで、思わぬ強敵に出会ったことはありませんか? そこで一旦引くのではなく、無謀にも立ち向かおうとする行為を「蟷螂の斧」と言います。本記事では、「蟷螂の斧」の意味や使い方、「窮鼠猫を噛む」などの似たことわざを解説します。

「蟷螂の斧」とは?

「蟷螂の斧」は、「とうろうのおの」と読みます。「かまきりのおの」ではありません。意味を辞書で確認していきましょう。

《カマキリが前あしを上げて、大きな車の進行を止めようとする意から》弱小のものが、自分の力量もわきまえず、強敵に向かうことのたとえ。

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

力の弱い者が、身の程をわきまえずに行動することを「蟷螂の斧」と言います。「蟷螂」とはカマキリのこと。「斧」は、カマキリの前足のことを指します。カマキリが、自分よりも大きなものを威嚇する時の様子を例えた言葉です。一般的には刃向かう弱者を目にして、無謀な行動だと戒める時に「それは蟷螂の斧だよ」などと表現しますね。「蟷螂が斧を以て隆車に向かう」ということわざの略とも言われています。

怒る女性
(c) Adobe Stock

使い方を例文でチェック!

「蟷螂の斧」は、普段あまり見聞きすることがない言葉ですが、ビジネスシーンやスポーツの世界で使うことができますよ。早速、使い方を見ていきましょう。

1:彼に刃向かうことは、蟷螂の斧を振るうようなものだ。

「蟷螂の斧」は、自分寄りの立場が上の人、目上の人などに対して刃向かうことを意味します。例えば会社の上司に対して、反対意見を述べたり、攻撃的な発言をしたりすることなどが挙げられますね。

(c) Adobe Stock

2:今更、スマホ市場に参入するなんて、蟷螂の斧としか言いようがない。

「蟷螂の斧」はビジネスシーンでも用いられます。例えば、例文のように中小企業がスマホ市場に参入するのは無謀な試みかもしれません。自分の実力を考えない行動に対して使われることが多い言葉ですが、見方を変えれば勇気ある挑戦とも捉えられますね。

3:野球の強豪校ばかりが集まる大会に参加するなんて、蟷螂の斧だと言われても仕方ないよ。

スポーツの世界では、実力の差が如実に明らかになるもの。明らかに弱小のチームが強豪校に立ち向かうことは、まさに「蟷螂の斧」と言えるでしょう。「あんな強いチームに勝てるわけがない」と周囲に言われても仕方ありません。ちなみに、「蟷螂の斧」は両者の間に明らかに力の差がある場合に用いられます。実力にあまり差がない場合には使わないので注意しましょう。

類語や言い換え表現は?

「蟷螂の斧」の類語には、同じ動物の姿を描いた「窮鼠猫を噛む」「竜の鬚を蟻が狙う」のほか、あまり馴染みのない「小男の腕立て」などのことわざがあります。どんな意味なのか一緒に見ていきましょう。

1:窮鼠猫を噛む

「窮鼠猫を噛む」は、「きゅうそねこをかむ」と読みます。意味は以下のとおりです。

《「塩鉄論」刑法から》追いつめられた鼠が猫にかみつくように、弱い者も追いつめられると強い者に反撃することがある。

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

追い詰められた弱者が、最後の力を振り絞って強い者に反撃することを「きゅうそねこをかむ」と言います。逃げ場を失ったネズミが、猫に噛みつく姿からこのようなことわざができたようです。絶体絶命の状況であっても覚悟を決めれば、弱い者でも強い者に反撃することができるのですね。

(例文)
・伊藤さんは課長を言い負かし、窮鼠猫を噛むような状況になった。
・後輩をいじめてばかりいたら、いつか窮鼠猫を噛むことになるよ。

(c) Adobe Stock

2:小男の腕立て

「小男の腕立て(こおとこのうでたて)」は、「力のありそうもない小男が、力争いをしたがること」。また、抵抗しても力が弱くて問題にならないたとえとしても用いられます。腕力が弱いにも関わらず、自ら進んで人と競おうとする人の姿を表したことわざです。

(例文)
・ボクサーの彼に戦いを挑むなんて、小男の腕立てというものだ。
・意地を張って、小男の腕立てになるようなことは避けたい。

3:竜の鬚を蟻が狙う

「竜の鬚を蟻が狙う」は、「りゅうのひげをありがねらう」と読みます。意味は以下のとおりです。

弱者が身の程を考えずに強者に立ち向かうことのたとえ。蟷螂(とうろう)の斧(おの)。

『デジタル大辞泉』(小学館)より引用

蟻が、自分よりも遥かに体の大きな竜の髭を狙うのは、無謀なことのように思えます。このことから、弱者が強者に立ち向かうことを「竜の鬚を蟻が狙う」と表現するようになりました。身の程をわきまえずに反撃することが「蟷螂の斧」と似ていますね。

(例文)
・調子に乗って、竜の鬚を蟻が狙うようなことをしないように気をつけたい。
・課長に刃向かうなんて、竜の鬚を蟻が狙うようなものだよ。

4:ごまめの歯ぎしり

「ごまめの歯ぎしり」は、「力量の足りない者が、いたずらにいきり立つことのたとえ」です。「ごまめ」とはカタクチイワシの稚魚で、小さくか弱い魚です。力の弱い者が、いくら批判したところで、何も変わることはないという意味合いでも用いられます。また、力の到底及ばない相手に対して、刃向かうものではないという戒めも込められているようです。

(例文)
・先輩に反抗するなんて、まるでごまめの歯ぎしりだよ。
・ごまめの歯ぎしりのような真似は、みっともないからしないでほしい。

最後に

「蟷螂の斧」は、「弱小のものが、自分の力量もわきまえず、強敵に向かうことのたとえ」です。相手を威嚇するカマキリの姿に、人間の姿を重ね合わせたことは面白いですね。自分よりも大きな存在に立ち向かう言葉には、「窮鼠猫を噛む」「竜の鬚を蟻が狙う」などのことわざも。ユニークなことわざとして、あわせて覚えてみてはいかがでしょうか?

TOP画像/(c) Adobe Stock

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