「マウントをとる」とは?
やたらとマウントをとってくる人はいませんか? いちいち偉そうで、周囲としてはうんざりさせられるのではないでしょうか。「マウントをとる」人は、一体何を求めているのでしょう。「マウント」の意味を押さえたうえで、その心理と対処方法を考えてみましょう。
「マウントをとる」とは、自分のほうが優位であることを周囲に示す行動のことです。「マウンティング」と言うこともありますし、「マウントをとる」という言い方も。
「自分のほうが優位であることを周囲に示す行動」とはつまり、相手を完全に見下した状態で、自分の有能さなどをアピールするというような行動のことで、相手に対して優劣を明確に示す状況を作り出します。
マウンティングのもともとの意味
マウンティングとは
多くの哺乳類の雄が交尾のときにとる、ほかのものに馬乗りになる行動。サルでは個体間の優位性を誇示するためにも行う。背乗り (小学館 デジタル大辞泉より)
という意味があります。昨今使われる意味としては、精神的な優位性に立つ状況を作り出すこと、そういった行動をとることを「マウントをとる」といわれています。
人に使われるようになったのは「2ちゃんねる」で使われていたから。その後、ネット上だけでなく、実生活でも用いられるようになりました。
「マウントをとる」ことの意味は、「周囲に自分が優位であることを示す」ことであり、マウントをとることで、他人を落とし自分のプライドや承認欲求を満たしているようです。
「マウントをとる」人の特徴や心理
「マウントをとる」人とはどんな人なのでしょうか。どういう心理で「マウントをとる」のでしょう。それが分かれば、対処方法も考えられそうです。
傲慢である
「自分こそがもっとも有能だ」「自分がいちばん優れている」という考えの持ち主が「マウントをとる」傾向にあります。自尊心がとても強い一方、他人を認めることができません。人を見下して、マウントをとるのです。
嫉妬深い
「マウントをとる」人も心の奥底では、本当は自分がいちばんでないことを理解しているのです。しかし、嫉妬心からそれを認めることができず、結果として、先に自分自身の優位性を誇示することで、周りから固めてしまおうとするのです。
誰にでも嫉妬心はあるものですが、それが押さえられないほど強いのが「マウントをとる」人の特徴だといえるでしょう。
自慢するのが好き
「マウントをとる」人は、往々にして自慢話が好きです。「上司に褒められた」「プレゼンが通った」「今度新しいプロジェクトを任されるかもしれない」など、自分が有能だから、という自慢話をします。
話の最中に相手が、「そういえば私も、今度昇進しそうなんだ…」と切り出そうものなら、「私だって…」とそれよりもすごいことを言おうとしてきます。どうしても自分がいちばんじゃないと気がすまないのです。
決めつけたがる
「マウントをとる」人は、柔軟性に欠けるところがあります。なので、ものごとを自分の視点だけで決めつける傾向が。
決めつける方向も、「あなたは人付き合いが苦手」「彼は本当にセンスがない」など、否定的な決めつけをするのが特徴です。
いつも上から目線で人を見ているので、批判的な見方になっているのです。
思い通りにならないと怒る
傲慢で柔軟性に欠ける「マウントをとる」タイプの人。こういう人は、自分の思い通りにならないと、一気にキレる傾向があります。自分が人より劣っていると思われることがどうしても許せないので、状況が悪くなると、関係ない人にマウントをとったりしてでも、なんとか自分の有能さを誇示する傾向にあります。
「マウントをとる」人への対処法
マウントをとるのは自分の力を誇示するために相手を下げ、利用しているということも。マウントをとられないようにするための方法をピックアップしました。
冷静に見る
「マウントをとる」人は自分に自信がないということが考えられます。自信がないことがバレないように必死で強く見せているわけです。このことを知っていれば、「マウントをとる」人を見ても、「ああ、あの人は無駄に肩肘をはっているんだな」「自信がないからあんなことをしているんだな」と冷静に見ることができます。「マウントをとる」というのは、子どもじみた行動なので、真意がわかれば受け流すことができるかもしれません。
負けてあげる
「マウントをとる」人が求めているのは周囲からの承認です。「自分がいちばん」だと思われたいのです。それで気が済むのなら、そうしてあげてもいいかもしれません。マウントをとられたり、とっている様子を見かけたら、「そうだね、あなたの能力は本当に素晴らしいと思うよ」と認めてあげればいいのです。
その上で、「このリストをまとめてくれませんか。私はこういうのが得意じゃないので」などと仕事をお願いしてしまってもいいかもしれません。
不快であることを伝える
周囲に自分がいちばんだと示すために利用されるのはとても理不尽です。マウントをとられたら、はっきり「やめてください」と言うのも一つの手。
いろいろという必要はありません。「何でそんなことを言うのですか?」「今、忙しいのでやめてもらえますか」などと感情的にならず端的に伝えようにしましょう。
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