「バイビー」ってどんな意味?
「バイビー」という言葉、知っていますか? よく知って使っているというあなた、バブル時代を謳歌していましたか? はたまたドラマ好きでしょうか?
今回は、世代を越えて使われている言葉「バイビー」について深掘っていきます。
バイビーの意味
「バイビー」とは、バブル時代とも呼ばれる、1980年代に使われていた言葉です。音の響きから連想できると思いますが、その意味するところは「バイバイ」、「さようなら」。
1983年版の『現代用語の基礎知識』(自由国民社)では、「若者用語の解説」の項で「バイバイ・ベイビーの短縮」と紹介されています。当時は、別れ際などに「バイビー」とお互いに言い合うあいさつとして使われていました。しかし、バブル崩壊の頃から使われなくなり、いつしか「死語」に。
ところが古いドラマや映画を安価に観られる環境が整った2020年代では、昭和カルチャーブームの影響もあり、リバイバルして使われる「ギャル語」の一つとして使われています。別れ際のポップなあいさつとして使われたり、SNSで使われることが多いようです。
バイビーの由来
この「バイビー」、1980年代から使われている言葉だと紹介しましたが、そもそもどんなきっかけで生まれたのでしょうか?
「バイビー」の由来は、ビートたけし(北野武)さんがパーソナリティを担当していたニッポン放送の深夜ラジオ「オールナイトニッポン」(1981-1990年放送)から来ていると言われています。
この番組の中に、1970年代のB級アイドルを懐かしむ、人気コーナーがありました。その名も「伊丹幸雄(いたみさちお)コーナー」。そのコーナー内で、伊丹幸雄さんはトークの締めに、「じゃあね、バイビー!」と決め台詞を吐くのが定番でした。
これを聞いたビートたけしさんが大ウケし、この番組を始め、他の番組でも「バイビー!」を使ったことで、広く一般に広がり、流行語となったようです。つまり、「バイビー」の生みの親は伊丹幸雄さん、流行語にまで昇華したのはビートたけしさん、と言えそうです。
バイビーは古いと言われるけど死語ではない
「バイビー」は古い言葉だと思われがちですが、ドラマや電話の機能、楽曲にも採用され、今でも脈々と使われている言葉です。それぞれご紹介していきましょう。
ドラマ『過保護のカホコ』
2017年7月期の水曜ドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ)の中で、別れ際のあいさつに「バイビー!」と使われたことが、視聴者の間で話題になりました。
さらに、同番組の公式インスタグラムでは、出演者たちの登場する昭和を彷彿とさせる画像を更新して、ファンを楽しませています。その一つとして、昭和歌謡ジャケット風画像「バイビー」もありました。ジャケットは、「通常盤」、「初回限定盤」の2種類が公開され、いずれも人気を博していました。
ドコモの「スグ電」サービス
「スグ電」とは、2017年夏以降のドコモモデルのスマホに搭載されていた機能です。スマホを耳に当てると通話が始められ、「終話ワード」を言ってスマホを耳から話すと自動的に電話が切れるという、タップレス機能。
この終話ワードは、プリインストール段階では、「じゃあね」、「失礼します」、「バイバイ」の3つだけでした。その後のアップデートで、他の4つの言葉に加えて、「バイビー」が追加されたのです。
バブル時代の人たちにも「スグ電」の機能を使ってもらおうという経緯もあり、「バイビー」が採用されたそうです。しかし、ドコモの調査によれば、予想に反し「バイビー」を最も使っている世代は、10-20代だという結果が出てきました。
『バイビーベイビーサヨウナラ』
「バイビー」は楽曲にも採用されています。『バイビーベイビーサヨウナラ』は、saiB(サイビー)がVOCALOID初音ミクを用いて製作した楽曲です。2010年にKarenTレーベルよりダウンロード販売が開始されました。
バイビーの正しい使い方は? 例文をご紹介
1:「バイビー!」
「バイビー」は、「バイバイ」と同じ意味なので、別れ際に単独で使うことができます。ポップな雰囲気となるので、明るく使えるところがいいですね。
2:「帰ったらLINEするね、バイビー!」
「バイビー」は、別れ際の会話の最後につけて使用することも多いです。他にも、「また明日、学校でね。バイビー!」などというように使えますね。
バイビーの類義語は?
「バイビー」と意味を同じくする言葉をご紹介しましょう。こちらも懐かしの言葉が並びますよ。
1:「バイナラ」
「バイナラ」は、「バイバイ」と「さようなら」の合成語です。「バイビー」と同じく、「バイバイ、さようなら」という意味ですね。「バイナラ」は、1976年から1986年まで放送されたバラエティ番組『欽ちゃんのどこまでやるの!?』(テレビ朝日系列)の中で使われたギャグのひとつ。
番組内に、「村の時間の時間」というコーナーがあり、このコーナーの締めの挨拶が「バイナラ、ラナイバ」でした。ここから「バイナラ」が一般に普及。現在は、死語となっています。
2:「バイちゃ」
「バイちゃ」も同じく、「さようなら」を意味します。鳥山明の漫画『Dr.スランプ』の主人公である則巻アラレが使う架空の言葉で、「アラレ語」として、1981年に流行語となりました。アラレ語には、他にも「うほほーい」、「んちゃ」などがありますよ。
最近では「ドラゴンボール超」で全王も「バイちゃ」を使っています。
最後に
「バイビー」の正しい意味や使い方、由来から現在使われている経緯まで、丸っとご紹介しました。
1980年代の流行語が今や死語どころか、若者に使われているなんて、驚きですね。バブル世代の人たちにも「バイビー 」の使われている経緯を伝えたら、喜ばれるかもしれませんね。
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