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2025.08.19

「戦わずして勝つ」孫子の教えと現代での活用法|会話・SNS・ビジネスで使える賢い戦略

「戦わずして勝つ」とは、「優れた指揮官は武力を用いずに相手を屈服させることが最上の勝利である」という思想を表した言葉です。この記事では、「戦わずして勝つ」の意味や言い換え表現、シーン別例文、よくある疑問と回答を解説します。

この記事のサマリー

・「戦わずして勝つ」とは、「優れた指揮官は武力を用いずに相手を屈服させることが最上の勝利である」という思想を表した言葉。
・出典は『孫子』の一節。
・類語には「無手勝流」「柔よく剛を制す」「負けるが勝ち」などがあります。

「戦わずして勝つ」という言葉に、あなたはどんなイメージを持ちますか? ズルいやり方? それとも、争いを避けてうまく立ち回る知恵?

この言葉は、古代中国の兵法書『孫子』に登場する有名な一節に由来し、現代ではビジネスや人間関係の戦略としても広く語られています。争いを避けながらも結果を出す… そんな「知的な勝ち方」は、今を生きる私たちにこそ必要とされているのかもしれません。

この記事では、「戦わずして勝つ」の意味や背景を丁寧に見ていきながら、日常生活でどう生かせるか、具体的な場面や会話文を交えて紹介します。

「戦わずして勝つ」とは?|意味・背景を深掘り

この言葉がなぜ現代人に響くのか? その答えは、単なる「勝利の美学」ではなく、歴史に裏打ちされた戦略的思考にあります。まずは「戦わずして勝つ」という言葉の背景と正確な意味を、丁寧に解説していきます。

「戦わずして勝つ」の原文と出典(『孫子』)

「不戦而屈人之兵、善之善者也(戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり)」──これが「戦わずして勝つ」という思想の出典である、古代中国の兵法書『孫子-謀攻』に記された一節です。

『孫子』とは、古代中国の兵法書であり、日本への影響も大きい戦略論の古典。現存する最古の軍事書ともいわれ、戦争における戦術だけでなく、国家経営や人間関係にも応用されてきました。

この「戦わずして勝つ」という思想は、「戦わずして目的を達成することが最善である」という価値観を示しています。

「戦わずして勝つ」の意味

「戦わずして勝つ」とは、「優れた指揮官は武力を用いずに相手を屈服させることが最上の勝利である」という思想を表した言葉です。

つまり、交渉や情報戦、駆け引きなどの智略を用いて、無用な争いを避けつつ成果を得るのが理想とされます。

現代でいえば、例えば職場での「人事異動をめぐる競争」において、あえて争わず、自分の強みや適性を静かにアピールし続けた結果、周囲の推薦でポジションを得る… そんなケースも「戦わずして勝つ」の一例といえるでしょう。

ただし注意すべきは、この言葉を「抜け駆けする」「ズルして相手を出し抜く」といったネガティブな意味で使ってしまうことです。

本来の趣旨は、あくまでも争いを避けるための高度な戦略であり、不正やずる賢さを肯定する言葉ではありません。誤用してしまうと、かえって信頼を損ねる恐れがある点には十分な配慮が必要です。

参考:『故事俗信ことわざ大辞典』(小学館)、『世界大百科事典』(平凡社)

戦闘
(c)Shutterstock.com

類語や言い換え表現は?|意味の違いまで丁寧に押さえる

「戦わずして勝つ」という言葉を、別の表現でスマートに言い換えたい場面もあるのではないでしょうか? 例えば文章に変化をつけたいときや、会話でさりげなく言い換えるときなど。ここでは、3つの言葉を紹介します。

無手勝流(むてかつりゅう)

「無手勝流」とは、「武器を使わず、機転や策略で勝利を収めること」を意味する四字熟語です。

この言葉の由来としてよく知られているのが、戦国時代の剣豪・塚原卜伝(つかはらぼくでん)の逸話です。彼は、渡し船の上で喧嘩を仕掛けられた際、あえて相手を先に岸へ上陸させ、自身は船の竿を突いてその場を離れ、争いを避けました。

そのときに残したとされるのが「戦わずして勝つ、これが無手勝流」という一言。

これは、相手の血気を戒めたという故事によるものです。現代でいえば、トラブルに巻き込まれそうな場面で、巧みに場を収めて事を荒立てない。そんな対応にも重ねて考えることができます。

柔よく剛を制す(じゅうよくごうをせいす)

「柔よく剛を制す」とは読んで字のごとく、「しなやかなものは、かたくて強いものの矛先を巧みに反らし、勝利を得る」ということ。

現代で例えるなら、職場のミーティングで声の大きな人に対して対抗せず、静かに的を射た一言で全体の流れを変えたようなケースが該当します。力でねじ伏せるのではなく、「受け止めて流す」「一歩引いて制す」態度が、結果的に主導権を握ることにつながる、という考え方です。

負けるが勝ち

「負けるが勝ち」は一見すると矛盾して聞こえますが、「一時的に負けることで、最終的に有利な状況を得る」ことを意味する言葉です。一時的に譲ることで、争いを避けたり、信頼を得たりする… その結果、大局的には勝者になれるという逆転の知恵が込められています。

例えば、対人トラブルにおいて自分が正しいと分かっていても、あえて謝ることで関係をこじらせず、かえって自分の株が上がる。このような場面は、まさに「負けるが勝ち」の実践例でしょう。

参考:『日本国語大辞典』、『故事俗信ことわざ大辞典』(ともに小学館)

はみ出した赤い船
(c)Shutterstock.com

実例で学ぶ「戦わずして勝つ」の活用シーン

ここでは、「戦わずして勝つ」を使った例文を場面別に紹介します。

SNSや会話で使える例文・引用例

「戦わずして勝つ」という言葉は、日常会話やSNSでもセンスよく使えば、知的な印象を与えることができます。

例えば、こんな場面で活用できるかもしれません。

例1:「同僚が強く主張していたけれど、あえて譲ってみた。結果的に上司が自分の案を採用してくれて… まさに『戦わずして勝つ』だな」
例2:「無理に対立せずに済んだ会議。今朝読んだ『戦わずして勝つ』ってこういうことかも。」

ビジネスシーンでの使い方

現代のビジネスシーンでも、「戦わずして勝つ」発想は極めて実用的です。特に、以下のような状況で力を発揮します。

競争を避けて独自路線を選ぶポジショニング

例えば、同僚たちが人気の案件を競っているときに、あえて注目度の低いテーマを選んで深堀りし、社内で唯一の専門家として重宝される。これは、正面から戦わずに成果を勝ち取る好例です。

正論を押し通さない提案スタイル

企画会議などで自分の案を押し通そうとするよりも、まず相手の意見を肯定しつつ、「ではこの視点も加えてみては?」と自然に導くことで、対立を生まずにアイデアを通す。これはまさに戦略的対話術です。

人間関係での応用|衝突を避けつつ信頼を得るコミュニケーション術

人間関係、特に社内や友人間の繊細なやり取りにおいて、「戦わずして勝つ」は非常に実用的な指針となります。

先に引くことで信頼を得る

例えば、意見の違いでピリつきそうなときに、「確かにそうですね。一度整理してから話してみてもいいですか?」とあえて引く姿勢を見せることで、相手の緊張感をほどき、結果的に会話の主導権を握れることがあります。

感情をぶつけず、仕組みで解決に導く

感情的な衝突が起きそうな場面では、「感情」ではなく「ルール」や「事実」を軸に話すことで、争いを避けながら納得感のある着地を図れます。

こうした争わない技術は、大人の信頼関係を築くうえでも欠かせないもの。「相手に譲る」ことは、時に「自分の評価を上げる」最善策となるのです。

ソファに座って談笑する
(c)Shutterstock.com

「戦わずして勝つ」に関するFAQ

ここでは、「戦わずして勝つ」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。

Q1:「戦わずして勝つ」と「負けるが勝ち」は同じ意味ですか?

A:似ているようでニュアンスが少し異なります。

「戦わずして勝つ」は、争う前に戦略で勝つ姿勢を重視します。一方、「負けるが勝ち」は一時的に譲ることで、最終的に有利になるという考え方。どちらも争わない点では共通しますが、勝利のタイミングやプロセスに違いがあるといえます。

Q2:「戦わずして勝つ」はどういう場面で使うと効果的ですか?

A:ビジネスでは、衝突を回避しつつ成果を上げたとき。人間関係では、あえて意見を引いたことで信頼を得た場合などが好例です。

Q3:「戦わずして勝つ」のNGな使い方はありますか?

A:「ズルをして勝つ」「陰で抜け駆けする」など、不正や利己的な行為を指す場面で使うのは誤用ですので気をつけましょう。

また、相手に対して上から目線で「私は戦わずして勝ったのよ」というような使い方も、傲慢に受け取られるリスクがあるため注意が必要です。

最後に

力で相手を制するのではなく、状況を見極め、賢く立ち回る。そんな柔軟な思考は、まさに今を生きる私たちに求められている姿勢かもしれません。

「戦わずして勝つ」を知識として覚えるだけでなく、自分の言葉として使いこなせるようになれれば、自分らしいコミュニケーションやキャリアを築くうえでの、大きな武器になるはずです。

TOP画像/(c)Shutterstock.com

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