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「骨折り損のくたびれ儲け」の意味と語源とは?
「骨折り損のくたびれ儲け」の意味を聞かれて、すんなり答えることができない方も多いのではないでしょうか。日常生活で、使うタイミングは多くはないかもしれません。しかし、いざという時の為に正しい意味や語源を知っておくと良いでしょう。
「骨折り損のくたびれ儲け」の意味と読み方は?
「骨折り損のくたびれ儲け」は「ほねおりぞんのくたびれもうけ」と読みます。「骨折り損」と使われることも。「骨折り」とは「努力・苦労すること」という意味。さらに「損」がつくことで「努力や苦労を損する、無駄になる」と表され、「くたびれ儲け」には「くたびれた気分・疲弊感だけが残っている様子」を指しています。
そのことから「骨折り損のくたびれ儲け」とは「苦労した割に、思ったほど成果も上がらず、疲弊感だけが残ってしまったではないか」という、後悔や残念な気分のことを伝えたい時に使うことができる言葉です。
「骨折り損のくたびれ儲け」語源とは?
「こんにゃく屋」の商売人のエピソードが語源となっているようです。あるこんにゃく屋の主人が、売り上げ業績に伸び悩み元値のまま、こんにゃくのサイズを大きくして売り出すと大繁盛。しかし、ほぼ原価での販売になってしまっていたため、労力をかけた割に利益は上がらず、疲弊感だけを残す結果になってしまった。という後悔する店主の気持ちから「骨折り損のくたびれ儲け」という言葉の語源になったようです。
「骨折り損のくたびれ儲け」の使い方を例文でチェック
言葉の正しい意味を知ると、日常生活でも使うシーンが増えるのではないでしょうか。主に、後悔や残念な気持ちを表現する時に使われますが、ここからは言葉の使い方を例文と一緒に見ていきましょう。
1:「初売りセールに早朝から並んだけど、目当ての物は売り切れだった。まったく骨折り損のくたびれ儲けだ」
目当ての物を買うために早起きして、張り切って行ったのに、成果物なく、目当ての物も買えなくて残念な気分でいっぱいの時に使えるでしょう。日常生活では、この様な気分になった経験のある方も少なくないかと思います。
2:「大切な会議で使うプレゼン資料、寝る間も惜しみながら作ったのに会議が中止になってしまった。骨折り損のくたびれ儲けの始末だったな」
ビジネスシーンでよく起こることかもしれないですね。「より良い資料を作るぞ」と必死に作って、万全の用意をしていたのに、いざ会議が中止となってしまい、プレゼンをする機会もなくなってしまったとなると、とても残念ですよね。労力をかけて作った資料を活かすことができなっかたことが「骨折り損のくたびれ儲け」と表現することができます。
3:「この新商品は絶対売れるだろうと思ってたくさん作ったのに、思いのほか売り上げが上がらず、骨折り損のくたびれ儲けとなってしまった」
上記で解説した語源と似た境遇ですが、経営者の方はこのような状況になったこともあるのではないでしょうか。期待と野望が大きくもって、新商品販売数を増やすための労力は惜しみなくかけたけれど、予想以上に売れ行きが上がらず、残された結果にショックと後悔が残った様子を表しています。
「骨折り損のくたびれ儲け」の類義語や言い換え表現は?
「骨折り損のくたびれ儲け」は、人の感情を指している言葉です。それでは類義語や言い換え表現にはどのような言い方があるのでしょうか。
1:「労多くして功少なし」
「苦労・労力だけは多くかけたのに、そこに対しての成功の結果はほとんどなかった」ということを表現する言葉。「骨折り損のくたびれ儲け」に最も近い意味のことわざです。
2:「犬の尾を食うて回るが如し」
犬が自分のしっぽを捕まえたくてグルグル回っていても、いつまでたっても捕まえられない様子の例えから「焦ってやってもできないことに、無駄な労力を費やしても成果や利益はえられない」ということを表しています。
3:「船盗人を徒歩で追う」
「ふなぬすびとをかちでおう」と読みます。聞きなれない言葉ですので、聞いたことがないという方も多いでしょう。船を盗んで漕いで逃げている人を、陸路を走って追いかけている様子を表現しています。そのことから「陸路から追いかけても無駄な労力を費やすだけだ」ということを表す言葉です。
「骨折り損のくたびれ儲け」の対義語は?
「骨折り損のくたびれ儲け」は主にネガティブな感情を現した言葉ですが、ポジティブな表現を表す言葉にはどのような表現があるのでしょうか。ここからは、日常会話でも使いやすい言葉で解説していきます。
1:「一攫千金」
「一攫千金」は「いっかくせんきん」と読みます。「攫」という字には「つかみ取る」と意味があり「千金」は「数えきれないほどのお金」ということ。したがって「一攫千金」とは「一度で、たくさんのお金をつかみ取る」という意味。「たった一度の労力で、多大な利益・成果を得ること」をいいます。
2:「海老で鯛を釣る」
「少しの元手の負担で、大きな利益を得よう」という野望に満ちた前向きな言葉です。少しの労力をかけることで、それ以上の成果を生みだしたいという気持ちが表現されています。
3:「棚からぼた餅」
「思ってもいなかった幸運な出来事が起こったり、予想以上の成果や利益が生みだせた」という時や「さほどの労力を費やすこともなく、思いがけない大きな結果が残せた」という時の幸福感が表れているでしょう。一方で、日常生活に不意に起こる幸運を感じた時にも「棚からぼた餅」と使われることがあります。
最後に
「骨折り損のくたびれ儲け」は、「労力や努力を費やした割には、大きな成果や利益が得られず、疲弊した気分だけが残された」時のネガティブな感情を表現された言葉です。様々なシーンでそのような感情を受けることもあると思いますが、諦めず試行錯誤しながら、ポジティブな気持ちへと変えていけると良いですね。
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