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この記事のサマリー
・「その旨」は「その内容」「その趣旨」を表す言葉で、ビジネスシーンでも使えます。
・堅すぎる印象を避けたいときは、「その件」「上記のとおり」などへの言い換えが効果的です。
・英語で表現するなら、 “to that effect” が使えます。
「その旨をお伝えください」といった表現は、ビジネスメールで頻出するフレーズです。一見すると丁寧ですが、「古めかしくて使いどころに迷う…」という声も多い表現だったりします。
この記事では、「その旨」の意味と使い方、言い換え表現、さらには英語表現まで紹介します。上司や取引先にも安心して使えるよう、一緒に確認していきましょう。
「その旨」の意味と使い方|ビジネスで迷わない言葉選び
まずは、「その旨」の正しい意味や使い方から確認していきましょう。
「その旨」とは? 読み方と意味を確認
「その旨」の読み方は「そのむね」です。「その話」や「その内容」などを表す言葉です。
ここで、「旨」という漢字について、辞書の記載を見てみましょう。
むね【旨/▽宗】
引用:『デジタル大辞泉』(小学館)
1 中心となるもの。また、重要なもの。「安全を―とする」
2 (旨)述べたことの中心。趣旨。趣意。「辞退する―を伝える」
「その旨」は直前の発言や文章の要点を、簡潔に言い換えることができるため、内容の繰り返しを避けたいときに便利な表現です。

内容を伝える言葉「その旨」の使い方を確認
「その旨」は、直前の説明や指示の趣旨を伝える際に使うことができます。
例えば、「明日の会議は14時に変更ですね。その旨、メンバーに伝えておきます」といった表現では、「その旨」は「会議が14時に変更されたこと」を指しています。
「その旨」は目上の人に使ってもいい?
「その旨」は、目上の人にも使える表現です。取引先や社外の相手など、フォーマルな関係においても失礼にはあたりません。
ただし、多用には注意が必要です。いくつかの話題が続いたあとで「その旨」と言ってしまうと、どの内容を指しているのかがあいまいになり、かえって混乱を招くこともあります。
伝えたい内容が一つに絞れない場合は、「〜について」や「〜の件」と言い換えるなど、明確な表現を選ぶことが大切です。
「その旨」を使った表現・例文をチェック!
実際に「その旨」を使った表現と、使い分けのポイントを例文つきで確認していきましょう。場面にふさわしい言葉選びのヒントが見つかるはずです。
「その旨をお伝えください」
「その旨をお伝えください」は、伝達を依頼する場面で使われます。ただし、「〜ください」は丁寧語ですが命令形でもあるため、目上の人に使うとやや強い印象を与えることがあります。
相手への敬意をはっきり示したい場合は、「その旨お伝えいただけますと幸いです」など、より控えめな表現に言い換えるのが安心です。
参考:『デジタル大辞泉』(小学館)

「その旨、申し伝えます」
「その旨、申し伝えます」は、「自分が目上の人に代わって相手に内容を伝える」という意味の謙譲語で丁寧な言い方です。
「その旨」の類語や言い換え表現は?
「その旨」は便利な表現ですが、頻繁に使うと堅苦しさを感じさせてしまうでしょう。そこで、ここでは「その旨」の言い換え表現を紹介します。
「その件」
「件」は、事柄や、特に問題になっている特定の事柄のことを指します。堅苦しさを感じさせない言葉です。
例文:その件について、ご確認ください。
「そのことについて」
「その旨」の言い換え表現として使いやすいのは、「そのことについて」。「その旨」はかしこまった印象を与える言葉なので、同僚や後輩には「そのことについて」を使うほうが適しているでしょう。
例文:明日の会議は全員参加です。そのことについて、○○さんにも伝えておいてください。
英語で「その旨」はどう言う?
「その旨」を英語で言いたい場合、どのような表現を使えばいいのでしょうか? ここでは、いくつかの「その旨」を表す英語表現を紹介します。メールでも使える表現ですので、ぜひビジネスの場面で役立ててください。
“to that effect”
“to that effect” は、「〜という趣旨で」「〜という内容で」という意味で使います。
例文
“He gave me a message to that effect.”
(その旨のメッセージを受け取りました。)

“meaning”
“mean・ing” は、やや直接的な表現で、「意味」「趣旨」を表します。
“the meaning of the message”(そのメッセージの旨)のように、「その内容」「その意味」を伝えるときに使います。
例文
“I received a letter, the meaning of which was that he had declined.”
(彼が辞退したという旨の手紙を受け取りました。)
参考:『プログレッシブ和英中辞典』(小学館)
「その旨」に関するFAQ
ここでは、「その旨」に関するよくある疑問と回答をまとめました。参考にしてください。
Q1. 「その旨をお伝えください」は上司に使っても失礼ではありませんか?
A. 失礼ではありません。
ただし、「〜ください」がやや命令的に響くことがあるため、「お伝えいただけますと幸いです」などとするとより丁寧です。
Q2. 「その旨、承知しました」はよく使いますが、正しい言い方ですか?
A. 間違いではありません。
Q3. 「その旨」を使うときに注意すべきNGな使い方はありますか?
A. 「その旨」は、直前の内容や発言を要約して指し示す言葉ですが、話題が複数ある場合に使うと、どの内容を指しているのかが不明確になることがあります。
意味がぼやける場面では、具体的な内容を示すか、他の表現に言い換えましょう。
最後に
「その旨」は、ビジネス文書やメールで広く使う表現です。「趣旨」「内容」といった意味を、簡潔に伝えることができる便利な言い回しですが、使い方には注意も必要です。例えば、多用すると文章が、堅くなりすぎたり、内容があいまいになることもあります。
大切なのは、「誰に」「何を」「どう伝えるか」という視点で表現を選ぶことです。相手に伝わる、心地よい言葉づかいを心がけていきたいですね。
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