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2023.10.13

「考慮」とは? 知っておきたい正しい意味や適切な使い方を例文で紹介

いろいろな要素を念頭に、よく考えることを表す「考慮」は、さまざまなシーンに登場する言葉です。「考慮する」「考慮に入れる」など、いろいろな使い方がされることを知っておきましょう。例文とともに紹介します。

【考慮】とは、よく考えることを指す言葉

ビジネスシーンや日常でよく登場する「考慮」ですが、正確な意味や使い方を知っているという人はあまりいないかもしれません。「よく考えること」を表す「考慮」は、さまざまなシーンで使う言葉でもあるため、きちんと把握しておきたいですね。

また、「考慮」には似たイメージを持つ言葉が複数あります。意味や使い方の違いを知っておきましょう。

考慮の意味を辞書で確認

「考慮」を辞書で調べたところ、次のような意味がありました。

▷【考慮】読み方:こうりょ
物事を、いろいろの要素を含めてよく考えること。「考慮に入れる」「考慮の余地がない」「相手の事情を考慮する」
《デジタル大辞泉》(C)Shogakukan Inc.より引用

「考慮」は、単に考えるのではなく、視点を変えながらじっくり考えるという意味合いになります。

【考慮】適切な使い方とは?

ここからは「考慮」の具体的な使い方を見ていきましょう。例文を紹介しますので、参考にしてくださいね。

使い方を例文で確認:「考慮する」

《例文》
・「個人の事情を考慮した上で、慎重に判断することを求めた」
・「手間と時間を考慮し、専門業者に依頼することにした」

「考慮」の使い方でもっともよく用いられているのが、「考慮する」でしょう。何かしらの事柄において、よく考えて選択や決断をしなければならないという際に、「考慮する」を使って状況を表現します。

使い方を例文で確認:「考慮に入れる」

《例文》
・「昨日挙がった意見を考慮に入れ、プロジェクトを進めよう」
・「個人の得意・不得意も考慮に入れた配置を提案した」

誰かからの提案があり、そのことを取り入れて考えていくというような場合に「考慮に入れる」を使います。それまでになかった意見や視点が増え、さまざまな視点から考えているということがこの表現でわかるでしょう。

使い方を例文で確認:「考慮の余地がない」

《例文》
・「その案は再現性に欠けるため、考慮の余地がない」
・「その件については「考慮の余地がない」と部長が判断した」

「余地」は「余裕」「ゆとり」を表す言葉。よく考える余裕がない、つまりその必要がないという否定的な意味になります。

否定的な意味合いとして用いられることもありますが、「改めて考えるまでもなく、素晴らしい」という表現で使われることも。肯定と否定、どちらの表現でも用いられますので、解釈には注意してくださいね。

使い方を例文で確認:「考慮の末」

《例文》
・「十分な考慮の末、A案を採用することにした」
・「慎重な考慮の末、この結論にいたりました」

何かしらの提案や企画などを審議し、よく考えた結果、出した結論などを述べる際に、「考慮の末」はよく用いられています。最終的な決断や選択を表すことが多く、長く考慮した過程があるというニュアンスを含むことが多いでしょう。

ポイント
(c)Adobe Stock

【考慮】似た言葉との違いを確認

ここからは「考慮」に似た言葉を紹介します。発音や漢字表記が似ている言葉は、「考慮」との違いをはっきりとは知らないかもしれません。意味はそれぞれ異なりますので、適切に使えるようにしておきたいですね。

「配慮(はいりょ)」

事情を踏まえ、気遣いのある取り計らいをすることを表す「配慮」は、「考慮」と似た漢字表記のため、2つの言葉を混同しやすいかもしれません。

「配慮」は、気遣いや心配りという意味合いを含むため、じっくりと考えることを表す「考慮」とは少しニュアンスが異なります。

《例文》
・「彼の温かい配慮に感動し、改めてお礼を伝えた」
・「配慮に欠ける発言はお控えください」

「思慮(しりょ)」

物事を深く考えることを表す「思慮」も、「考慮」と似たイメージを持ちやすい言葉です。「思慮」は、人を描写する際の形容詞としてよく使われているので、その点が「考慮」との違いといえます。「考慮」はどちらかというと動詞として使うことが多いですよね。意味はどちらもほとんど同じと考えていいでしょう。

《例文》
・「彼女の思慮深さに憧れる人は多い」
・「彼の思慮に富んだ考えは、読書により培われたのだろう」

「勘案(かんあん)」

「勘案」とは、複数の要素や情報を総合的に考慮すること。「考え合わせること」という意味を持つため、複数のアイデアや意見をまとめるという意味でも用いられています。

「勘案」は、複数のことを同時に考える際に用いるのが一般的。「考慮」はアイデアや意見が単数でも複数でも使いますので、その点が違いになると考えていいでしょう。

《例文》
・「いろいろなアイデアを勘案し、よりレベルの高いサービスを提案したい」
・「諸般の情勢を勘案し、対策を練ることにした」

スマホを見る女性
(c)Adobe Stock

【考慮】言い換えるならどの言葉?

「考慮」を言い換えるとしたら、上記の他にどのような言葉があるのかを見ていきましょう。その時の状況に適した言葉を選び、使うようにするといいですね。

「熟考(じゅっこう)」

念を入れてよく考えることを表す「熟考」は、「考慮」と似た意味を持ちます。「熟考」は考えることに重きを置くイメージがあるため、「考慮」とニュアンスが異なる部分もありますが、言い換え表現として使っても差支えはないでしょう。

「検討(けんとう)」

「検討」は、物事をよく調べて考えることや、物事の良し悪しをさまざまな角度から考えること。「こんなこともありえるのでは」と未知のことについても含めて考える様子を表すため、事実をもとに考える「考慮」とは少しニュアンスが異なります。しかし、言い換え表現として使っても問題はありません。

「斟酌(しんしゃく)」

相手の事情や心情などをくみとることを表す「斟酌」も、「考慮」の言い換え表現として使うことができます。日常会話ではあまり使わない言葉ですが、ビジネスシーンで登場することもあるため、覚えておくといいですね。

「加味(かみ)」

あるものに別の要素を付け加えることを「加味」と表現しますが、この言葉も「考慮」の言い換え表現として使えます。「参加者の意見を加味して~」のように用いられることが多く、ビジネスシーンだけでなく日常会話でも登場することがあるでしょう。

ただし「考慮」と違うのが、「考える」という意味合いを含まないこと。そのため、結論や答えを対象に使うことをおすすめします。

ハートの石
(c)Adobe Stock

最後に

よく考えることを表す「考慮」は、ビジネスシーンだけでなくフォーマルな場や日常会話でもよく使われます。また、文書でも用いられることがありますので、意味や使い方を覚えておくと役に立つでしょう。

TOP画像/(c) Adobe Stock

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