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「売り言葉に買い言葉」の正しとい意味語源とは?
「売り言葉に買い言葉」は、「喧嘩や言い争いをしているとき」に使われていることが多く、あまり良いイメージの言葉ではありませんよね。ここからは「売り言葉に買い言葉」の正しい意味や語源を見ていきましょう。
「売り言葉に買い言葉」の意味とは?
「売り言葉に買い言葉」は「うりことばにかいことば」と読み、「売る言葉に買う言葉」と言われることもあります。主に「喧嘩や言い争いをしているとき」に使われる言葉です。
意味は「相手から攻撃的な言葉で挑発されたり言い寄られたときに、自分も相手の態度に負けないようにと、同じように攻撃的な言葉で言い返してしまう様子」を表します。あくまでも「攻撃的な暴言」での言い合いのときに使われる表現であるため「お互いを褒め合うような言葉の言い合い」のときには使われません。
「売り言葉に買い言葉」の語源は?
「売り言葉に買い言葉」の語源には、他の慣用句と違って詩や書物、古くからの言い伝えのようなものはありません。しかし「ものを売るときの売り文句」と、その「売り文句に応える買い手」との会話の様子をベースになっているようです。
「売る」という言葉には「こちらが仕掛ける」という意味があり、「買う」には「仕掛けに応える」という意味があります。このことから「喧嘩を仕掛ける言葉」と「仕掛けられた言葉に応戦する」という様子から「売り言葉に買い言葉」という表現がなされるようになったようです。
「売り言葉に買い言葉」の使い方とは?
「売り言葉に買い言葉」の正しい意味や由来を知ったうえで、どのようなシーンで使われるのでしょうか? ここからは「売り言葉に買い言葉」の使い方を例文と一緒に見ていきましょう。
1:「売り言葉に買い言葉のような口喧嘩が原因となり、そこから激しい口論へと発展してしまった」
ある一言で相手を挑発。相手がそれに負けじと攻撃的な言葉を返す状態が続き、激しい言い争いへと発展してしまった様子です。相手を挑発するような言葉は「売り言葉」となり、相手が「買い言葉」で応戦するという状況になりかねません。議論の場では、言葉を選んで冷静に話し合いたいものですね。
2:「売り言葉に買い言葉のままでは、話が先に進まない」
話し合いにおいて、批判の応酬では決まるはずの答えも出ず、話は進みません。冷静になってお互いの意見を聞くことが大事と言えます。
「売り言葉に買い言葉」の類義語・言い換え表現は?
「売り言葉に買い言葉」の言い換え表現には、どのようなものがあるでしょうか? 他の言い回しを知っていると表現の幅が広がり、より的確な言葉が見つかることもあるでしょう。ここからは「売り言葉に買い言葉」の言い換え表現を見ていきます。
1:「ああ言えばこう言う」
親子喧嘩や兄弟喧嘩などの際に「もう! ああ言えばこう言う! 」と言ったり、言われたりした経験があるのでは? 「ああ言えばこう言う」とは、「他人のアドバイスや注意に対して、何かと理由をつけて従わないこと」。せっかくのアドバイスや注意が、相手は何かと理屈を並べて全く聞き入れない姿にイライラすることもあるでしょう。
2:「舌戦」
「舌戦」は「ぜっせん」と読みます。意味は「激しく議論したり、言い争ったりすること」です。例えば「上司と激しい舌戦になった」などというように表現します。「舌」は「話すこと」や「言葉」を表す言葉としても使われますよ。
3:「右と言えば左」
「右と言えば左」の意味は「周囲の人が言うこと全てに、反対の意見を言ったり、アドバイスとは正反対の行動をすること」。例えば「あの人は、右と言えば左と言うような人だ」というように、人の性質を表したいときにも用いることができます。
「売り言葉に買い言葉」の英語表現は?
「売り言葉に買い言葉」を英語で表現したい場合、「報復」や「しっぺ返し」という意味の言葉「tit for tat」を使って表すことができます。ここからは「売り言葉に買い言葉」を表す英語の例文を見ていきましょう。
1:My sister gave me tit for tat.(姉は私に仕返しをした)
「give(pay) tit for tat」で「仕返しをする」という意味になります。日本語で「しっぺ返し、仕返し」とは「やられたらやり返す」という意味。この例文の場合、姉が「売り言葉」に対して、応戦したことを表しています。
2:They are playing tit for tat.(言い合いをしている)
上記の表現は、口論が続いているときや、言い争いの決着がつかない様子を指す際に用いられます。
最後に
「相手を挑発し、その相手も言い返すこと」を意味する「売り言葉に買い言葉」。あまりよくない状況で使われる言葉ですが、その状況を改善したいときや、話を前に進めたいときにも「売り言葉に買い言葉は、もうやめよう」などと言うことができます。正しい意味や使い方をマスターして、状況にあった使い方をしたいものですね。
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